カリーナは、土曜日の朝、必ず図書館へ行きます。
ある朝、動物がたくさん出てくる本を読んでいると、動物たちも本を読みたいかもしれない、と思いました。
カリーナの空想は、どんどん膨らみます。
一番乗りはカナリアさん。
つぎにライオン。
決まりはご存知ですね、図書館の中で吠えてはいけませんよ。
図書館員のカリーナは、そう注意します。
くまさんが来て、ぞうさんが来て(入り口でつかえてしまいました)、くじゃくさんも来て、亀さんも来て、きりんさんも来て、山嵐さんも来て、猿さんは家族おそろいで来て。
馬さんも来て、牛さんも来て、みんな夢中で本を読んでいます。
シーンと静まり返り、ねずみの足音ひとつ聴こえません。
と思ったら、あ、ねずみ!
ねずみが、お行儀悪く、ちょろちょろしたので、動物たちは大パニック。
そのとき、カナリアが歌い出しました。
「そろそろ おうちに かえりましょう」
ほらね、みんなおうちに帰りたくなっちゃった。
みんなが静かに帰って行ったところで、カリーナの空想は醒めました。
それからすっかり好きになってしまったカナリアの本を借りて、カリーナもおうちに帰りました。
本を読んでいると、空想がどんどん広がりますよね。
それがまた本のいいところ。