今日3月5日はニューヨークでSteinway&Sons社が設立した日。今年は170周年です。



手元にある2冊の貴重本にはスタインウェイの栄光の歴史が詰まっています。左は以前に紹介したスタインウェイの4代目社長セオドア・E・スタインウェイ著による創業100周年の記念書籍(1953年)でセオドア社長の直筆サイン入り。




右は1929年にSteinway&Sons社が刊行した『Portraits of Musical Celebrities』。94年前の本とは思えない綺麗な状態です。



スタインウェイのピアノを愛用した偉大な音楽家たちがスタインウェイ社に宛てた賛辞がまとめられており、その面々に驚かされます。作曲家は、ワーグナー、リスト、エルガー、グノー、イザイ、ベルリオーズ、ガーシュウィン、グレインジャー、ストラヴィンスキ、プロコフィエフ、ラフマニノフ 。ピアニストは、パデレフスキー、ホフマン、レヴィーン、フリードマン、チェルカスキー、ゴドフスキー 、ホロヴィッツ、レヴィツキ、ガンツ、ヘス、ノヴァエス。ヴァイオリニストは、クライスラー、ハイフェッツ、エルマン、ジンバリスト。そして発明王エジソンなど88名。






















チェルカスキーは当時20歳で、ホロヴィッツは前年にアメリカデビューをしたばかりで巨匠たちの仲間入り!いかに注目されていたかが分かります。





音楽家たちとの協力で性能を発展させ銘器を生み出し、音楽家たちに大きなインスピレーションを与えてきたスタインウェイ。

1928年製の愛器と1929年刊行の書籍で記念撮影。

3月1日はショパンの誕生日🎉

1989年に発売されたショパン作品録音全集を久しぶりに聴いています。"音によるショパンの完全作品目録"は、生誕150年(1960年)を記念してワルシャワ・ショパン協会と、当時のポーランドの名演奏家たちがおよそ10年の歳月をかけ完成させました。

全232曲はパデレフスキ原典版を用いての演奏です。

室内楽作品や歌曲をこの全集で知り、ますますショパンに取り憑かれていきました。珍曲系の「ピアノソナタ第1番」「フーガ」「ラルゴ」「アルバムの一頁」も聴き惚れたものです。200ページを超えるブックレットも読み応えたっぷり。

演奏は、ショパンコンクールの優勝、入賞者たちのステファニスカ、スメジャンカ、ブコウスカ、エキエル、シュトンプカ、ショパンコンクールの創設者ジェラヴレフ、映画「戦場のピアニスト」のモデルとなったシュピルマンの演奏もあります。ステファニスカ夫妻の2台ピアノによる「ロンド第4番」も貴重。

いずれもポーランドの伝統を色濃く感じさせてくれる名演の数々です。

新たなショパンに出会い興奮していた青春時代がよみがえりました。
「ショパンの手」と記念撮影↓



ホロヴィッツのアメリカデビュー95周年!世界最高のピアニストに君臨することになる大きな一歩となったカーネギーホールでの歴史的コンサートが、1928年1月12日、13日、15日と3公演行われました。

ロシアから亡命した25歳のホロヴィッツにとって生きていくには何が何でもアメリカでの成功は必須でしたそんな心境の中での公演。




数日前には、ニューヨークのスタインウェイ本社で憧れのラフマニノフに初対面し「3番の協奏曲」を作曲家自身によるピアノ伴奏で夢の共演をしていますが、デビューに選んだ曲は、すでにハンブルクで成功を収めた得意のチャイコフスキーのピアノ協奏曲。この曲を巡って伝説が誕生します。

同じくアメリカデビューとなる指揮者ビーチャムの安全運転なテンポに、ホロヴィッツは自身の持ち味を発揮できず我慢の限界に。「このままではデビュー公演は失敗してしまう。ロシアに帰らないためにも成功したい・・」。そして迎えた終盤でのオクターブでは、誰も聴いたことがない凄まじい速度と情熱で弾ききり、センセーショナルを巻き起こします。

狂喜乱舞する聴衆は、休憩時間になっても席を立たず彼を呼び戻し、永遠のカーテンコールのようだったと。評論家は「鍵盤から煙が出た」と記し、衝撃的なデビューだったことが伝わります。

この公演を聴いたラフマニノフは「あなたは誰よりもオクターブを制覇したが、音楽的ではない」と手紙を送っていますが、後にあれほどまで速く弾いた訳をホロヴィッツから聞いて大笑いしたそうです。

大成功し瞬く間に輝かしいキャリアを築き上げますが、原点となったアメリカデビューを大切にし、祝う記念コンサートを25周年と50周年目に行っています。

デビュー公演の録音は残されていませんが、25周年1953年に演奏した、チャイコフスキーのピアノ協奏曲では、デビュー時の伝説を彷彿させる超人的な演奏です。
髪の毛が逆立つほど興奮すると言われる名録音。オケとピアノが火花散らす競演、オクターブではまさに鍵盤から煙が上がるようで、最後の交差オクターブも楽譜よりも1オクターブ上まで駆け上がる離れ業。
マニア垂涎のプライベート盤LPを所有しています!

50周年の1978年には、アメリカデビュー直前に作曲家と私的な共演が叶ったラフマニノフのピアノ協奏曲3番を演奏。こちらは、映像も残されビデオとDVDが発売されました。



アメリカデビュー当時の演奏。「嬉しいことにカルメン変奏曲では、各変奏ごとに超絶技巧に驚嘆した聴衆が一列ずつ立ち上がっていった」https://m.youtube.com/watch?v=g0FvFi9EXpg



同時期のピアノ・ロールでは、自作のワルツや小品なども聴くことができます。若きホロヴィッツを収めた貴重な記録。

そして我が家の愛器ニューヨーク・スタインウェイ、愛称「B子」は、ホロヴィッツのアメリカデビューの年に誕生!95歳!巨匠時代の音色にいつも魅了されます。




1月6日はスクリャービンの生誕日。またモスクワでスクリャービンが生活していた様子を色濃く感じられるスクリャービンの家記念博物館を訪れ、ホールで再演したいです。スクリャービンの家は霊感的な雰囲気が漂っています。






着用した燕尾服も小さく小柄だったことが見て取れました。神秘的なランプや炎をモチーフにした美術品に囲まれ、インスピレーションを受けていたのでしょう。この家で作曲されたのが「ピアノソナタ第10番」。直筆譜の複製も展示されていました。ホロヴィッツの演奏でこの曲を初めて聴いた時は衝撃でした。




最も愛用したというBeckerのピアノ





ホロヴィッツは11歳の時にスクリャービンの前で演奏する機会があり、作曲家はホロヴィッツの両親に、「本物の才能があります。単なるピアニズムを越えたピアニストに育つよう、芸術的・文化的な環境を整えてやりなさい。必ずピアニストになります。」とアドバイスを与えています。ホロヴィッツは、1986年にここスクリャービンの家を訪れ、スクリャービンの娘にピアノを聴かせています。後にホロヴィッツは「私は11歳でスクリャービンにピアノを弾いて聴かせ、83歳で彼の娘のために弾いたのですよ」と得意げに語っています。その時の演奏とスクリャービンと対面した時の様子も語っています→https://m.youtube.com/watch?v=CWVvnZmT9_E



ホロヴィッツも訪れたスクリャービンの家記念博物館は私たちにとっても聖地です。

ホロヴィッツも弾いたスクリャービンのベヒシュタイン


2017年スクリャービンの家記念博物館ホールでのコンサート




今年は敬愛するラフマニノフ生誕150年&没後80年、ホロヴィッツ生誕120年&アメリカデビュー95周年&初来日公演40周年のメモリアルづくし!

2023年のはじまりと両巨匠を祝ってラフマニノフ『イタリアン・ポルカ』の演奏をお贈りします。
タカギクラヴィアさんが主催する、江口玲さんの6月19日リサイタルにゲスト出演させて頂いた時のライブ映像を初公開です。


ホロヴィッツが1983年初来日で使用した愛用のスタインウェイCD75での演奏で、その隣にはホロヴィッツ    が父のように慕ったラフマニノフがニューヨークのアパートで演奏していたスタインウェイ(1932年製)が見守ってくれています。ラフマニノフ亡き後はバーバーが所有していました。どちらも世界遺産といえる貴重なピアノです。

会場の熱気と名器による演奏で興奮が止まらないステージとなりました。



この曲の初稿、トランペット付きの第2稿、私たちの編曲版の3バージョンを続けて演奏しています。第2稿ではトランペットの音も弾き、オリジナル編曲ではラフマニノフやホロヴィッツ風を目指しました。大巨匠の息吹を感じられるサウンドでのラフマニノフをお楽しみください!!

2023年明けましておめでとうございます。🎍🌅🎍
皆さまにとって🐇ピョンピョン🐇心弾む年となりますように🐰🎶
今年も音楽を通じての出会いが楽しみな一年になりそうです。珍しい素敵な曲も色々とご紹介していきたいです!本年もどうぞよろしくお願いいたします。


今年も大変お世話になりまして、ありがとうございました‼️。
ご縁に恵まれた嬉しい年でした。
一年の締めくくりは、やはりこの曲で♬
皆様にとりまして素晴らしい年になりますように✨✨





飛鳥Ⅱ🚢での旅の追記です。
今回の10日間のクルーズ(お客様は2泊ずつのクルーズ)中に、横浜・神戸・名古屋を巡りましたが、名古屋のクルーズでは、駿河湾を通り富士山にも接近🗻✨天候や時間帯、日によって様々な表情の富士山を楽しむことができました。







駿河湾からの富士山!!


船内でのお食事も様々なメニューがあり、10日間全く飽きることなくどれも美味しく頂きました。コース料理はもちろんですが、カフェのハンバーガーやアイスクリーム、夜食の焼鳥やおでん等もありお楽しみがいっぱいです!

お酒は、昨年飛鳥30周年記念に作られたオリジナルのクラフトジンを使ったジントニック🍸に感激し、お土産に2本も購入してしまいました!自宅でも飛鳥の思い出に浸りながら楽しみたいと思います😆

お土産屋さん以外にもショップもありますし、船内で楽しめるショーやイベントもたくさんあります🎵🎵🎵スタッフの方々も皆さんとても親切で温かく素晴らしいです✨✨あ!露天風呂もありますよ♨星を見ながら温まることができます。ちなみに12/14のふたこ座流星群の流れ星もたくさん見れました🌠🌠

皆さんも飛鳥Ⅱでの船旅、是非お出かけください🌊🛳🌊2025年には新しい船もデビュー予定だそうです。









Merry Christmas 🎄✨
広島県福山でのクリスマスマスコンサート、皆様に盛り上げていただきました!!広島県民文化センターふくやまの響きも良く、楽しんで弾かせて頂きました。

クリスマスにちなんだ『くるみ割り人形』ではトイピアノも登場🎶そして、山口の作曲「エピタフィア」は、公式のコンサートでは自演初演となりました。



福山での演奏は今回が3回目で、福山とのご縁が益々深まり本当に嬉しいです。
CDも沢山お求め頂き、サイン会で色々とお話をうかがえました❣️

お力添えくださいました羽原久美子先生とスガナミ楽器さんに心から感謝申し上げます!




12/14〜12/24まで、飛鳥II🚢🌊でのコンサートに出演させて頂いています(伊賀)。2019年のクリスマスクルーズでは山口とのデュオで連弾コンサートを行わせて頂きましたが、今年はバリトン歌手の明珍宏和さんとの共演で、連日コンサートを行っています。

明珍さんも私も東京音大出身なのですが、なんと私が伴奏助手を務めていた時に学生でいらして、レッスン伴奏を数回担当したことがあったのです。十数年以上ぶり!?の再会。お互い珍しい名字なので記憶に残ってたんですね!





クリスマスクルーズなので、船内の装飾も華やかに彩られています。コンサートでは温かな拍手とソロの演奏にも「ブラボー」を頂けるほど旅慣れたお客様に盛り上げて頂きました🎵🎵

そして、昨日はとても素敵な出会いもありました。乗船前から私のことを知って下さっているお客様にお声をかけて頂き、船内で販売させて頂いているCDもご購入下さったとのこと感激です✨

ちなみに昨日は私の誕生日だったので喜びも倍増💓スタッフの方々にもお祝いの手紙やメッセージを頂けてとても幸せな気分で1日を過ごせました。

皆様も是非お誕生日のクルーズはいかがでしょうか🚢🎄🎅🎂残り5日間も頑張ります。