ウィルス検査について | 一般社団法人 ベビーキャット レスキュー

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現在ウィルス検査を譲渡前にする方々が増えています。

しかし私はあえてしていません。

なぜか?

私の譲渡する子猫たちは小さくまだはっきりした結果がでないからです。

ここまでは聞いたことがあると思います。

 

はっきりした結果がでないとはどういうことですか?

なぜ2か月では信頼性がないのでしょうか?

そして早くに血液検査をする弊害についてお話したいと思います。

 

UMAくん決してこれは検査をしてる人たちを責めるものではありませんし

私の正当性を訴えるものでもありません。

ウィルス検査の結果をどうみるか?

それは何を示すのか?を知ったうえでやるべきだということです。

 

少し難しい話ですが

これについて理解するためには抗原抗体反応について理解しておく必要があります。

 

抗原抗体反応

私たちの身体には、身体にとって異物となるもの(抗原またはアレルゲンという)が体内に入ってきたとき、それに対抗する物質(抗体)を作って、抗原を排除しようとするシステムが備わっています。これを抗原抗体反応とか免疫(めんえき)と言います。予防接種などは、このシステムを利用したもので、弱毒化した病原菌を接種することによって、体内に抗体を作り、本当の病原菌が入ってきたときにそれをすみやかに排除して、病気にかからないようにするのです。(http://atopi.mayap.net/index.html抗原抗体反応とアレルギー反応とは?から抜粋)

 

ウィルスに感染したときにもこの抗原抗体反応が体内で起こっています。

そして抗体ができるまでに数週間かかります。

ここがポイントです。

それから兄弟猫はたいてい同じですので必要な場合は兄弟猫の中の

丈夫な1匹を検査すればいいです。

 

普通獣医でされるキットでの検査はこの抗体によって陽性・陰性の

判定がなされます。

子猫の場合どちらに出てもどちらにもとれる解釈ができるため

信頼性がないというわけです。

 

1)結果が陽性(+)に出た場合

①ほんとに感染している。

小さいときに何かしらのきっかけで感染し実際にすでに抗体ができているケース。

※この場合何かしらの治療を行って数か月後に陰性になったらそれを陰転といいます。

 

②実際は感染していない。☆ →これは2)の①と同じです。

母猫がウィルスをもっており母乳から抗体だけをもらっているケース。

この場合は本人は抗原はなく(感染していない)全く他の猫と変わりない。

2~3か月に母乳免疫が切れるころに一緒に無くなります。

なので数か月後に再検すると陰性になっています。

※この場合は数カ月して陰性になったとしてもそれは抗体がなくなっただけで

陰転という言葉は使いません。←ここを間違えないように。

 

このふたつは最初は判定できません。

なのでお金はかかりますがおすすめは遺伝子検査です。

私もこれは最近になって知ったのですが遺伝子検査まですると感染してるのか

そうでないのかがわかるそうです。

キットでは半年すぎたら確実と言われていますがそこまで待つのは飼い主さんであれば

いいですが保護猫ですと里子に出せなくなる危険性があります。

今年経験したエイズの陽性の子猫たちでは2か月令ですでに陰性になっていますので

半年待たなくてもキットの検査で分かる場合もあります。

 

2)結果が陰性(-)に出た場合

①ほんとに感染していない。

母猫もウィルスをもっていないため抗体もなく感染もしていなければ当然陰性にでる。

 

②実は感染している。☆

抗原が体内に入ってからまだ日が浅いために抗体がつくられていない。

これは実は子猫ではよくあることです。

※この場合は数カ月のちには確実に陽性になります。

 

この場合は子猫の成育を考えるといいかもしれません。

育てるのに弱くて苦労した場合は要注意です。

少し様子をみることをおすすめします。

 

 

さて問題は☆☆の場合です。

 

☆実は感染していない。

この子猫はどういうことになるでしょうか?

たいていは隔離され他の猫との接触を断たれます。

その上里子にでる機会も陰性の猫に比べ奪われてしまいます。

その結果どういう悲惨なことが現場で起きてるでしょうか?

 

社会性を培う時期にひとりにされさびしい思いをさせられペットショップにいたような

社会性のない子猫を作ってしまいます。

そして遊び方も甘え方も知らない噛み加減もわからない子猫になってしまいます。

この子はこんな扱いを受ける必要はありますか?

全くありません。感染してない子猫です。

そして扱いにくい子猫になってしまうとさらに里子に出る機会が減ってしまいます。

こうした弊害についてよくよく考えてほしいと思います。

 

☆実は感染している。こちらはどうでしょうか?

この子が何も症状がでておらず元気そうにみえるなら

この結果を真にうけたボランティアと里親さんは問題なしとして

譲渡が行われます。

しかし数か月後にはその結果がでてきます。

里親さんは早くに子猫を亡くすかあるいは医療費の負担を抱えることになります。

それについてボランティア側は責任を負わないでしょうか?

私は結果についてきちんと知識をもっているならあの時はプラスだったという

責任逃れはできないと思っています。

 

 

こういったことが実際にあるため正確な知識が必要だと思い

この記事を書きました。

 

ウィルス検査はエイズと白血病について行われており

今日はどちらの病気と決めないで両方にあてはまるように

書きましたが実際にはエイズと白血病では感染力や病気のでかたに

違いがあり里子に出すにも両者違いがありますので

それについてはまた別の記事にしたいと思います。

 

私はこうした弊害を避けるためあえて小さな仔猫にウィルス検査は

していません。子猫はみな子犬と同じに社会性を身に着けることは

なにより大切ですし寂しい思いをさせて自己免疫をさげることは

ほんとに必要なときしかしてはならないと私は考えています。

 

それならほんとに感染猫がいたらうつるじゃないか?と言う声が

聞こえてきそうですが経験上ウィルスを持ってる子猫は

成長が悪くなにかしらの問題を持ってることが多いです。

そういったケースは私の判断で個別にウィルス検査をしています。

具合の悪い子猫は当人が弱らないためにも兄弟より離して早くから隔離する

ことが多いのです。

 

それから里親さんよりご希望があればウィルス検査はもちろんしていますが

必ず上記の説明はします。

こういうことで確実ではないですよ。とご理解いただいています。

 

子猫のウィルス検査について

わかりやすく書いてみましたがご理解いただけるでしょうか?

何かわからないところがありましたら遠慮なく質問してください。

私のわからないことでしたら獣医に聞くなり調べるなりしてお答えしたいと思います。

私たちの扱う子猫たちに必要以外の負担をしいることのないように

感染力について。それから隔離についてもまたの機会に調べたいと思います。