バンドあるあるとして「どの曲を聴いても同じに聞こえる」ってのがあります。
ライブで何曲演奏されても「どれも同じように聞こえる」ので豊潤な印象を抱けないんですね。途中で飽きてしまう。
それって実は、やるべき音楽の方向性=ジャンルを固めてから「妄想」を付け足すと逸脱できるものだったりします。
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時には「入れない勇気」も必要ですし「途中で変化を加える勇気」も必要でしょう。そして何より「どんなジャンルなのか」という前提が必要だからです。
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例えばとあるバンドさんのライブを見に行ったとします。そのバンドさんのCDは持っていないので事前情報はありません。
ライブで「初体験」するワケです。
そんな時もしどの曲も「アレンジ」のパターンが似通っていれば途中で飽きます。
ギターから始まってガツーンとバンドインして、ボーカルの休憩代わりにギターがピロピロ。
ダカドン、ジャ~ン、ジャッ!
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アレンジの幅が狭いというのは「提供できる料理の幅が狭い」という事です。
とんこつラーメンの後に味噌ラーメンが来て、醤油ラーメンの後に五目そばが来る。
そりゃ飽きます。
料理のセットリスト(メニュー)はお客さんが選べます。場合によっては「今日はラーメン食べない」という選択肢もアリです。
しかしライブのセットリスト(演奏曲目)は提供者側、つまりミュージシャンが決めるものであってお客さんには選ぶことができません。お客さんは「来たもの」を受けるしかないんです。
僕としては、せっかく見に行ったライブなので、もし演者さんとお話しする機会があったなら「何曲目の◯◯な感じの曲がカッコよかった!」とか言いたいんです。
でもどの曲も「同じ」なので記憶できないんです。
「あれ?醤油ラーメンが出てきたのって何個目だっけ?」となるからです。
どの曲も「同じ」なので途中で「食わず嫌い」になってるんです。
「あーまたどうせラーメンでしょ?」いらんから外でタバコ吸ってくるわ」です。
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音楽には決まった正解なんて存在しません。「なんでもアリ」という事です。
いくら素敵な作曲ができた(メロディーが作れた)といっても「味付け」が同じならどれも同じに聞こえるんです。
でも音楽は「なんでもアリ」なので、逆に言うと、似たようなメロディー(リズム)であってもアレンジ次第ではラーメンを餃子やタマゴスープに変化させられるんです。
じゃあ、そんな幅広いアレンジにするにはどうすればいいのかというと、アレンジを施すにあたって「こんな事ができれば楽しいだろうなぁ」という妄想ありきでレシピを考える事です。
具体的に言うと、
・この曲はベースのスラップからスタートすればベーシストがオイシイなぁ
・サビ前の2小節をドラムソロにしてドラムにおいしくなってもらおう
・この曲は感情起伏が少ない「淡々とした曲」だから演奏中はじっとしておこう
・Aメロは思い切ってギターを弾かずにいよう
などです。
「どうすれば楽しくなりそうか」というコンセプトをまず先に妄想して、そうして決まったコンセプトに向けてアレンジ作業に入るという事です。
この時に「頭だけで考えられたもの」は結局「似通ったもの」しか出てきません。
それまでの経験や理論といった「知識の檻」のせいで発想にリミットがかかってしまうからです。
そうじゃなくて、普段からいかに頭の中で「無茶ぶり」ができるかって事です。妄想できてるかって事です。
いかに、考えてるだけで笑ってしまうような事、考えてるだけで震えるほどテンションが上がる事を発想できるかです。
「いやー、こんなアイデア出したらメンバーにドン引き食らうんじゃないか?」って内容の事を発想できたら、合格です。
「いやいや!そんな事を言ってもアレンジの発想が多岐に渡りすぎたら音楽性がバラつくんじゃないの?」
そんな事はないと思います。中華料理はいつまでも中華料理なように、今いるバンドメンバーで簡単に再現可能である方向性の事をジャンルといいます。
この、ジャンルとアレンジを一緒にして考えるから方向性が散ってしまうように感じてしまったり、逆に「何が来ても同じに感じる」んです。
そうじゃなくて、フォーク系でいくのかロックでいくのか等といった「最初に羅針盤が向く方向性」を決めてしまって、そこからアレンジで「遊び・妄想」を入れていく。
例えばロックをやる!っていう軸がブレずにハッキリ存在さえしていれば、あなたの頭に浮かんだ「無茶ぶり」も飲み込める、それをジャンルといいます。
基盤となるジャンルを固めて「無茶ぶり」を入れていく。それが「どの曲も同じに聞こえる症候群」から脱出する方法なように思います。
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