【第三夜】

$Bebe Suaveのブログ

ぴっぴの友達、東のお空のオレンジ色のお星さま
ぴっぴはどしたらいいでしょか?
お星さま、ただただきらりと煌めいた。



ぴっぴはぴっぴは
考えて、
せめて次の大きな風までは
おじちゃんの好きな歌を歌おう!!


ぴっぴの必死の歌声に
鬼のおじちゃん、上機嫌!
海を渡ったことなけれど、
風から教わった
東の歌に
西の唄
南の謡に
北の詠
必死になって謳います!


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


ぴっぴの上手な歌声も
まだまだおじちゃんに届かない。


朝餉も昼餉もなけれども
ぴっぴは悲しく眠ります。

でもでもまたまた歌います。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん
おじちゃん、ほんとは大好きさ
ただただぴっぴは疲れた小鳥
堪忍してね許してね


ぴっぴの上手な歌声に、おじちゃん段々上機嫌。



その夜は満々丸丸満月で
ぴっぴに水浴び行かせてくれた。

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ぴっぴはまたまた歌いながらます。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん。
おじちゃんホントにありがとう!
ぴっぴは水浴び大好きよ!
おじちゃん、なんて優しいの!


ぴっぴはホッと一息で、
おじちゃんすり餌をいただきます


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん
あぁ、おじちゃん!なんて美味しいことだこと!
おじちゃんホントに天才ね!
ぴっぴにすり餌をくれたヒト!
なんて情けが深いんだい?


けれども油断はなりません。
砂の一粒さえも残らず食べねば
またまた握り潰されちゃう!!


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん
おじちゃん、すり餌は最高さ!


ぴっぴがあんまり上手に食べるので
ぴっぴがあんまり上手に歌うので
またまたおじちゃん上機嫌!


おうし、
今夜ぁ、おじちゃんの仲間に逢わしてやろうじゃないかいな!


おじちゃんの手の中の
都の夜啼きウグイスは
おじちゃん仲間に
羽根艶、
嘴、
褒められます!
お目目もお声も
誉められます!


おじちゃんまたまた上機嫌!


おうさ
こいつぁ都でも上物の
しかもウグイスの中でも珍しい
夜啼きのウグイスってもんだからな!
俺さまくらいしかぁ、
こいつは手に入れらんねぇのよ!


おじちゃん、段々とろけます。


それはぴっぴの歌声が
おじちゃんの悲しみも
淋しさも苦しみも
段々癒していくのだから。。


ぴっぴはこっそり囁きます。


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


おじちゃん、ぴっぴの鳴き声は
実は魔法の笛なのさ
ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


おじちゃんのその苦しみは
きっときっと楽になる
だからどうぞお手手に乗せて
鳴かせておくれよ
ちゅちゅちゅのちゅん