【第六夜】


お日様が昇って
ぴっぴが都に戻ります


今日は都にもどる風
大きな風が吹く日です



ぴっぴはおじちゃんから戴いた
指輪の冠を頭に載せると
上機嫌で旅立ちの準備です!


おじちゃん辻まで見送ります。
ぴっぴは大空高く舞い上がります!
$Bebe Suaveのブログ

丘を越えて
雪の平原越えて
氷の湖越えて
ぴっぴは都に戻ります


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


あぁあぁ都に戻れます
あぁあぁ命、存(ながら)えた
嬉し恋しい都だわ


ぴっぴは所詮、みやこどり
北のお宿にゃカナリヤさん
せめておじちゃん
どうかどうか
カナリヤおばさん大切に!
ぴっぴは金の鳥籠も銀の寝床も
要らないよ
ぴっぴはおじちゃんの
本当の優しさに触れたから
最果ての地まで飛んで来て
良かったよ


だってだっておじちゃんは
ぴっぴの歌は忘れない
だってだってぴっぴは
おじちゃんの愛を忘れない


絶対絶対忘れない
いついつまでもいつまでも



ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん




ぴっぴが北に旅した間
都は春の嵐だったんだって


けれどぴっぴが戻ったら
風はすっかり止んでいた



あぁあぁ都は満開の
夜桜の花も賑々しい


ちゅんちゅんちゅんちゅん
ちゅちゅちゅのちゅん


この花の賑々しさも
哀しいおじちゃんに飛んでいけ


ぴっぴの愛したおじちゃんへ
満開の桜飛んでいけ


$Bebe Suaveのブログ

夜桜の花の木の枝で
夜啼きウグイスのぴっぴは
今宵も歌います。


けれどぴっぴの歌声は
どうです?
もっと大きな声になったでしょ?
喜びに満ち満ちた満開の桜のような鳴き声になったでしょ?


そして今でも夜啼きウグイスのぴっぴの頭には冠が光っているのは
こういうわけだったのさ。
そう!最果ての宿屋のおじちゃんの指輪の冠が、ね!



そしてそして
東のお空のオレンジ色のお星さまも
にっこりにっこり笑いなすったとさ。。



ぴっぴの冒険は
これでお終い!


でもきっとぴっぴは
格段に飛べるようになったね!
おじちゃんに会えて良かったね、ぴっぴ!!