みなさんは子犬えお迎えた時に、ちゃんとトレーナーに頼っていますか?
゛問題行動”が起こるまでトレーナーは必要ない!
と思っていませんか?
トレーナーというのは、犬との暮らしにについての知識や経験が豊富(様々な個体)というプロであって、
訓練や問題行動改善だけのプロではないんです。
子犬を迎えたのであれば、飼い主さんもその子についてや犬についての知識などの更新が必要になってくるし、
なにより未来で起こるかもしれない問題を未然に防ぐためにも、是非ともトレーナーを頼って欲しいと思います。
今回はそんなトレーナーが子犬を迎えた時に、どのようなトレーニングを行うか?という事について、
パピー預かりトレーニングを行っているセーラが沢山話してくれました。
正の強化のトレーニングを知って
セーラは20年もの間、トレーナーとして犬に携わってきた人である。
元々はクロスオーバー(罰を使うトレーニングから正の強化へと移行した人の事)で、今はトレーナーと名乗るよりは『行動コンサルタント』と名乗っているらしい。
そんな彼女は、罰を使うトレーニングを主に活動していた時に、正の強化のトレーナーと出会い、
「こんな方法(正の強化)もあるんだよ」と教えてもらい衝撃を受けたそう。
その時のトレーナーは、彼女に対して罰を使う方法を否定することなく、ただ違う方法もあると紹介してくれたので、
セーラ自身はすんなりと正の強化という自分とは違った方法を受け入れる事ができたそうだ。
否定されていたら反発してしまっていたかも(笑)
とセーラは話す。
正の強化のトレーナーさんとの話はおもしろく、たくさんの質問をなげかけた。
罰を使う方法だけしか知らなかったセーラにとって、知らない事がたくさんあってとても興味をそそられたそうだ。
そしていかに自分が犬にダメージを与えてしまっていたか…ということにも気づけたらしい。
方向性が違うということは、違う世界を見る事になり、そうすると見えていなかったものも見えて発見の連続だった。
そしてセーラは犬のボディランゲージに興味が出て、そこから一気に正の強化のトレーナーへと転向していったのだ。
子犬育成プログラム
セーラは今、生後4か月までの子犬を預かりトレーニング(しつけ)を行う。
勿論、犬たちに罰や嫌悪的なことは行わない方法で。
お預かりする期間は2週間。
この2週間で最低限のこと・・ベーストレーニングを行うそうだ。
何故5か月以上は預からないか?というと、5か月を過ぎると犬たちは生活していく上で勝手に様々な『学習』をしてしまい、
その中には人間との生活に問題がでるようなものもある。
そういう癖を取り除くためだけに2週間という時間はあっという間に過ぎてしまうので、ベーストレーニングをする前に預かり期間が終わってしまうからなのだ。
つまり、真っ新な状態の子犬たちにポジティブかつ人との生活においての基本を教えたいのだ。
正の強化でのトレーニングの基本理念は、動物福祉である。
犬たちには犬としての行動を取る自由と、拒否の選択、自主的なより良い選択ができるように育てていく。
例えば匂い嗅ぎ。散歩中などでの匂い嗅ぎは、とても犬らしい行動で、より健全に落ち着いた犬になっていくために必要な事。
人の横にぴったりくっついて歩き続けるだけでは、これは手に入れられない。
そして一番重要なのは、その過程や考え方を、しっかり飼い主さんにもお伝えするということ。
飼い主さんにも知ってもらうことで、気づかなかった部分に気づいたり、ダメ!と叱ったりすることが減るし、
人も犬もラクになるのだそう。
ベーストレーニング
さらにセーラはベーストレーニングの内容も紹介してくれた。
・オートマチックスタック:その環境に入ったら、自動的に決まった行動を取る。
例えば、玄関のドアが開いたら自動的に座る。とか、カフェに行ったら自動的にマットの上に待機する。とか。
・名前を理解する:呼び戻しという意味ではなく、自分の名前というものを認識してもらう。その後教える呼び戻しなどにも使える。
・マーカーやキュー:犬に何かをしてもらいたい簡単で初歩的な合図。オスワリなど。
・リコール:呼び戻し
・ドゥレーションレーション:動きを止める&維持
・ターゲット:指定のものに触れる
これらを正の強化で教えていくのがセーラ流。
私も大賛成だし、大事だと思うです!