6月になり、湿気大国にっぽんの本領発揮な季節になってきましたね笑

ノミダニや蚊によるフィラリア、カビなどによる皮膚病など、色々とイヌチャンたちの体に不調が起こる季節でもあります。

お薬などで予防できるものは、しっかり予防しましょう!!

 

今回のお勉強会のお話しは、ザシ―・トッド博士がお勧めする

『WAG』について書きたいと思います。

 

犬を幸せにする化学 

トッド博士が書いた著書『WAG』には、犬に関することの様々な科学的考察や、日々の生活に科学をどう役立てていくか などが書かれている。

目に見えない『感情』を推測だけで取り入れる事よりも、目に見えるモノから確実に検証していく事が大切で、

それが実は犬との生活にとても役に立つということや、身近にあるものだということを書いてくれている。

本にはそういう生活での科学を飼い主さんにも分かりやすくなるように、チェックリストもあるそう。

 

ー科学をどうやって生活と結び付けているの?

トッド博士によれば、それこそ生活のなかにゴロゴロと化学は転がっているという。

 

例えば、トリーツ(ご褒美)ひとつとっても、

いつものドッグフードとソーセージだと、ソーセージの方が魅力的なはず←推測

実際にドッグフードの量を増やしても、ソーセージひとかけらの方が犬は喜ぶ←検証

ということは、数より質が大事である。←結果

 

といった具合に色んな事柄からデータを取り、趣味趣向や好き嫌いといった感情をより正確に推測することができていったりする。

目に見えない事だけで感情を判断していくと、とても大きな間違いを起こしたりしてしまうので、

『科学』というのは、実は目に見えない感情を考える上でとても大切だったりするのだ。

 

 

嫌悪刺激の副作用 

トッド博士は、罰や叱るといった『嫌悪刺激』を使うトレーニングにも警鐘を鳴らした。

これはトッド博士だけでなく、色んな犬の行動やトレーニングを研究している人たちも警鐘を鳴らしていたりする。

 

トレーニングや(いわゆる)しつけに関して、嫌悪刺激を使うと「効果が出やすい。時短。」と言った事が昔から言われていたり、逆に(いわゆる)褒めるしつけは「効果が遅い、甘やかすだけ」といった具合に否定的に捉えられていた。

 

でも、最近の研究では、「犬が覚えるスピードに大差は無い。むしろポジティブなトレーニングの方が速い時もある。」という結果も沢山報告されている。

なにより、犬自身のボディランゲージが、嫌悪刺激を使うトレーニングではネガティブなボディランゲージが多く出るのに対し、

ポジティブなトレーニングではポジティブなボディランゲージが多く出るといった、犬の感情にも大きな差が出たのである。

 

分かりやすく言うと、オスワリと犬に言った時に

・嫌々する。叱られるのが嫌でする。人が怖いからする。などのネガティブな感情でオスワリをする

のと、

・楽しいからする。ご褒美が貰えるからする。褒めてもらえるのがうれしいからする。などのポジティブな感情でオスワリをする。

のとでは、同じオスワリをするということでも、全く違ってくるということ。

 

さらに、嫌悪刺激を使うトレーニングを行うと、犬たちはだんだん『自発的』な行動が減るし、人間の子供と同じく「脳の萎縮」なども研究によって明らかになってきている。

更には、情緒不安定になったり、人の叱る行為を避ける為に攻撃行動がより悪化するケースも世界で問題となっていたりもする報告が沢山出てきている。

 

 

ポジティブなトレーニングを推奨 

私自身、ポジティブなトレーニングに転向してから、その素晴らしさに何度も驚かされている。

なにより犬たちが本当に楽しそう(というボディランゲージ)だし、飼い主さんたちも愛犬に厳しく接することが減り、嬉しそうなのだ。

中には、犬を罰することに躍起になる、もしくは叱らなければ・厳しくしなければと思い込んでしまっている飼い主さんたちも少なくはないと思う。

でも、思い出して欲しい。

あなたは愛犬を始めて迎えると決めたその時、犬に厳しくするために飼おうと決心したのか?罰を与え人間の思うがままにいう事を聞かせる為に飼う決心をしたのか?

きっと多くの飼い主さんたちはそうではないと思う(と信じたい)。

きっと飼うと決心した時は、犬『』の楽しい生活や、犬『』の楽しい関わりを求めていたはず。

それは人からの一方的なものではなく、お互いが楽しいものであると想像していたと思う。

今、それが実現していない、もしくはちょっと思う所が…という人は、是非ともポジティブなトレーニングを推奨するトレーナーさんに、トレーニングではなく生活そのものの見直しや、動物福祉・ポジティブトレーニングについての考え方などを教えてもらってはどうだろうか?

きっと今とは違う世界が見えてくるはず・・・