/5T目/
 
○親パラメータ
・名前:フィロテレス:男
*職業:学者
*武勇伝:凄く有名な貴族を助けたことがある
*愛用品:何もない。強いて言うなら心だ
*ダリド:残念人間でした。
 
・財産  ……6
・人脈  ……5
・教養 ……10
・武力 ……1
・善性 ……8
 
○子パラメータ
・名前:テュクス
・財産 ……1
・人脈 ……2
・教養 ……4
・武力 ……1
・善性 ……5
 
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(全員共通・強制イベント)
☆子供が少し成長する。しかしもはや親が教えられることはない。
子は親の口癖やさりげない仕草を真似し始める。ゲーム的に意味はないが設定しておくこと。
 
――父さま。
少し大人びた声が聞こえる。何方からの声だろう…子が父を呼ぶ声のようだ。
 
――父上?
やはり同じ声だ。父と呼んでいる相手は、誰だ?
 
――…ふぃー。
ああ。何時だったか、そう呼ばれたのは。そうだ、そう呼ぶのは。
 
“おお、テュロス。随分と上手く発音出来るようにな…った、な?”
 
其処に在るのは、優しげな顔…お世辞にも綺麗な身なりとは言えない中に、何処と無い高貴さを感じさせる…の少年だった。
困惑と不機嫌が同居している顔でこちらを覗き込んで…いや、睨み付けて…何か悪い事でもしたのだろうか。
 
“おお!嘆かわしきかなフィロテレス!美しき眠りの乙女が汝の知性を奪いたもうぞ!”
#訳:父様、寝ぼけてる場合ではありません、さっさと目を覚ましなさい。
 
誰から教わったのか、妙に格調高い抗議をしてみせるテュクス。
負けてなるものかとフィロテレス、足を踏み鳴らし拳を天に突き上げる。逞しくないのであまり格好はつかないが。
 
“否や否や!乙女の細腕にて泉の水を枯らす事能わず!湧き出ずる源の万歳なるをこそ称えよ称えよ!”
#訳:バカ言うな、寝ぼけてなんかないもん。あと誰がボケじゃい。
 
即興で合いの手を入れる。仕事の合間に通り掛かった妻が、たった一人の聴衆として拍手をくれた。
さて何事も無かったかのように各々用件に向かうとして。
 
“それで如何したテュクス”
 
“そうだった。主がお呼びです、と、う、さ、ま”
 
早くそれを言えー…と、言い始めるが早いか走り去るフィロテレス。
呼び方の反応を確かめられなかったテュクスは少し残念そうであった。
 
ちなみに。呼びつけたフィロテレスが妙に平静を失っていたので、主が面白がったのは別の話である。
 
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(全員共通・強制イベント)
☆子供が勝手に成長する。
 子の一番高いパラメータによって上がるものが異なる。
・子の善性が一番高いなら子の善性+3、武力-1
# たまに間抜けと言われるけど、親が大好きな甘えん坊だ。
 
(全員共通・強制イベント)
☆子供が勝手に親孝行をする。
 子の一番高いパラメータによって孝行内容が異なる。
・子の善性が一番高いなら親の善性+1
# 子供の笑顔を見て自分も恥じぬようにしようと思った。
 
その日、主の部屋を辞したのは、ちょうど宵の明星がその輝きを強くする頃であった。
部屋の前で、テュクスが妻に顔を拭われている。
おやおやどうしたと問い掛けるが早いか、テュクスはとうさまーと煤だらけの顔で遠慮無く飛び付いて来た。
妻が困ったような表情を浮かべていたが、フィロテレスが投げ掛けた眼差しから柔らかく相好を崩した。
 
“それは、ともすれば不思議な光景であった。三者の間に結びつける血は無かったと言うのに。力ある詩文よりも雄弁な何かがそこにはあった”
 
“それは、偉大なる気紛れが紡いだ糸であったのかもしれぬ”
 
テュクスは煤に輝く笑顔で、今日は始めて邸内全ての煤取りを任された事、
以前父に教わった磨き方でとても綺麗になった事を嬉しそうに伝えるのであった。
 
…灯りを灯せば煤は溜まる。それは自明であり、故に誰もが望んでする事では無い。
しかし、その些細な行いがこの笑顔を磨いたのであれば、それをこそ失うまい…フィロテレスに去来した思いは、言葉にすればそんなものであった。
 
“善き事をした、邸を輝かせるは主に神の輝きを届ける事ぞ。たくさん励むのだぞ”
 
フィロテレスの穏やかな声を受け、テュクスの笑顔は輝きをいや増すのであった。
 
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(全員共通・強制イベント)
☆この風邪を流行らせたのは学者だってよ。という噂は嘘だったようだ。学者たちも大勢死んでいるので噂は直ぐに鎮静化した。
 特に何も起こらない。
 
風聞の類いは、人から人へ、誰もが同じ様になるという所は流感に似ている。
しかし、それがすぐに事実と異なると分かるならば、それはすぐに立ち消えるものだ。
噂を司る乙女の機嫌を損ねるまでもなく、あちこちで旅姿の死者が葬られた事実が告げられれば、それでお終いであった。
 
“ともすれば、それが我が身…今やそれのみならぬ…に訪れる事であったのを思えば、その旅路の安らかなるを願わずに居れない”
 
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(条件イベント)異民族でなく、ヤニアにも住んでおらず、宝石の島にも行ってない場合
☆異民族が攻め込んでくる。
 まず戦いの準備として親子ともに財産が4、減る。子の財産が足りないなら、親が払ってもよい。払えないなら勝利を祈願する神への生贄にされる。
!例外処理の為、投資結果スキップ。
ケース:身分=奴隷による死亡判定回避。
結果:T5投資に関するフェイズを破棄。T5教育フェイズより再開。
 
――戦に先んじる、先祭りを求める声が遠く聞こえる。
主が公に身を捧げんとする支度を始めている。
…惜しむらくは、幾らかでもその足しになればと思い、取った限りの報せが何一つ届かない事である。
 
“主…我が全てもまた公に捧げん事を、主の財貨の一部としてお役立て頂く事を…”
 
“それ以上の進言を許さん。慎め、奴隷”
 
その声は。その眼差しは。
あまりに威厳に満ち。あまりに荘厳で。
絶対の隔たりを感じさせるものであった。
…“アトランの車の、その果てよりも”。
 
“我は市民である。公を守り、公より賜りし、いずれ公に帰す財貨を守る責務こそ我が使命。掣肘する事、断じて許さじ”
 
――そして、主は門を出でた。
 
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戦は終わった。
家族を掻き抱き、瓦礫と化した町を見つめてフィロテレスは思う。
 
“勝利の神への賀詞を作ろう。主への凱歌と共に”
 
/T5教育フェイズ/
 
教育→武力+1、教養+1
テュクス:貴族の子(庶子)
・財産  ……1
・人脈  ……2
・教養 ……4+1
・武力 ……0+1
・善性 ……8
 
気性の優しい子に育ったテュクスだが、その優しさが故に己の身を壊してしまうような事では、折角の心根がより大きく育たぬ事もあろう。
今一度、身体の鍛え方なども教え直さなくては…。
人体に施す治療法等と併せて教えれば、きっと喜んで受け容れるであろう。

/T5投資フェイズ/
 
財産、人脈を選択
今は瓦礫と化したが、主を輩出した町である事には変わりが無い。
一日も早い再建の為、フィロテレスは財貨と人脈を動員する事に決めた。
 
/T5終了時点親パラメータ/
○親パラメータ
・名前:フィロテレス:男
*職業:奴隷・家庭教師(元学者)
*武勇伝:凄く有名な貴族を助けたことがある
*愛用品:何もない。強いて言うなら心だ
*ダリド:残念人間でした。
 
・財産  ……6
・人脈  ……5
・教養 ……10
・武力 ……1
・善性 ……8+1