夜が明けて まだ少し
夏の空気もまだ届かない ほんの少し
気怠い体を起こし 柱に背中を預けて
庭を眺めている いつもの時間
まだこの時間は涼しい風が
貴方の微熱をはらんだ頬を撫でていく
私の視線に気づいて そっと右手を差し出すと
「・・・・おいで。」
深く息を吸って ゆっくり吐き出される言葉
緩く上がる口角と 細められた潤んだ瞳
後ろに見える 青々とした木々の生命力と裏腹に
今にも消えそうな危うい輪郭
そのすべてを掴み取っていたくて
差し出された手を強く握り返す
一瞬差し込んだ眩しい光に 目眩がする
ああ このまま
二人で一緒に
光の中に真っ白く 溶けてしまえたらいいのに
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今日、5月30日は、沖田さんの旧暦のご命日。
慶応4年5月30日(1868年7月19日)。
高い夏の太陽からの刺すような光
耳に痛いほどの蝉時雨
かすかに感じる青葉の匂い
乾いた口内に広がる血の味
じっとりと湿気を含んだ褥
きっと
そんなものを感じながら
一人逝ってしまった沖田さんを思う…
真っ直ぐに生きた人だから、
今はきっと苦しみの中にはいないはず。
安らかな眠りを
輪廻の穏やかな生を
祈ります。
。゚・(。ノД`)。:゚・。