本書、"ミステリーの女王"の出発点につき。
◇スタイルズ荘の怪事件◇ -The Mysterious Affair at Styles-
アガサ・クリスティー 矢沢聖子訳
旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは、到着早々事件に巻き込まれた。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。不朽の名探偵の出発点となった著者の記念すべきデビュー作が新訳で登場!
解説:数藤康雄
(ハヤカワ文庫より抜粋)
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というわけで8月のレビューは「スタイルズ荘の怪事件」からスタートします。
ドラマ「名探偵ポワロ」で感激していざ、読み始めよう! と手にとったのがこの作品です。
「スタイルズ荘の怪事件」といえば名探偵ポアロの初登場作品にしてアガサ・クリスティーデビュー作でもあります。
ーーもしアガサ・クリスティがこの「スタイルズ荘の怪事件」を執筆しなかったらどうなっていたでしょう?
そうなったら「アクロイド殺し」も「オリエント急行の殺人」も「そして誰もいなくなった」も執筆も出版されることもなく、推理小説界は大きく変わっていたでしょう。
あまり「もし」を仮定することは好きではないのですが、時々無性に思ってしまうのです。
さて、本書。
この話はアーサー・ヘイスティングズ大尉(本書の時は中尉)の語りで始まり、第一次世界大戦の傷の療養に僕の屋敷に来いよと年上の旧友、ジョン・カヴェンディッシュに誘われるところから始まります。
僕の屋敷ことスタイルズ荘の住人は女主人、その夫、ジョン・カヴェンディッシュ夫妻、ジョンの弟、女主人の世話役、女主人の相談役。
はい、この住人たち、非常に個性的で、なかには一癖も二癖もありそうな人たちもいます。特に女主人エミリーの再婚相手がなんと一回り以上も若い男。この男を中心に屋敷は不穏な空気に満ちているのをヘイスティングズ中尉は嫌でも感じます。
そしてある夜、恐るべき殺人事件が起きました。ヘイスティングズ中尉は旧友で、ベルギーから亡命する際にエミリーから恩恵を受けたエルキュール・ポアロに助力を乞う……
はたして探偵エルキュール・ポアロは恩人を殺害した犯人を突き止めることができるのか!?
感想?
「え、ええーーーっ!?」
はい、驚きました。見事アガサにやられました。引っかかっちゃいました。というか、
これが本当に処女作か!?
レベル高すぎる! というかこれが出版社にたらい回しにされていたなんて信じられない!
きっと当時はまだ推理小説が珍しかったか、
出版社に見る目がなかったかのどっちかだ! うん!←暴言。
毒殺に使った薬物を熟知しているからこその殺害方法、法律の熟知、さらに騙しも巧妙で推理小説として読み応え十分ですo(^_^)o
ああ、アガサ、あなた、すごい……こんな面白いのを処女作にして書いてみせるなんて……(((( ;°Д°))))というわけで「スタイルズ荘の怪事件」でした(^ ^)
一日四つずつ駆け足でアップしていきます。お楽しみに(^O^)/