セーアン・スヴァイストロプ◇チェスナットマン◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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凄惨な殺人現場、殺人者を知るのは素朴な栗人形だけ……






◇チェスナットマン◇ -Kastanjemanden-

セーアン・スヴァイストロプ 高橋恭美子 訳



コペンハーゲンで若い母親を狙った凄惨な連続殺人事件が発生。被害者は身体の一部を生きたまま切断され、現場には栗で作った小さな人形“チェスナットマン"が残されていた。人形に付着していた指紋が1年前に誘拐、殺害された少女のものと知った重大犯罪課の刑事トゥリーンとヘスは、服役中の犯人と少女の母親である政治家の周辺を調べ始めるが、捜査が混迷を極めるなか新たな殺人が起き――。



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10月、コペンハーゲン警察、重大犯罪課に勤めるナヤ・トゥリーンはゆくゆくはヨーロッパ随一のサイバー犯罪部門になるNC3に移ることを希望するがその前にユーロポールから出向した捜査官とバディを組む羽目になる。名前はマーク・ヘス。ハーグで活躍した彼にとってデンマーク警察は古巣なのだ。……とはいえ、トゥリーンには大抵の捜査官はボンクラだ。ヘスもそうだろう、という予想はとある事件を追ううちに外れることになる。



トゥリーンがそのヘスと初めて顔を合わせたのは殺人現場だった。幼い子どもを育てる若いシングルマザーが殺害された。その現場は凄惨そのもので彼女は生きながら右手を切られていた。しかし場違いなものがあった。栗人形(チェスナットマン)。最初はなんの意味か分からなかったが科学捜査の結果、その人形から1年前に変質者に誘拐、殺害されたクリスティーネ・ハートンの指紋が検出される。クリスティーネの遺体は自供した場所から未だ見つかっていない。だが? 



クリスティーネの母親ローサは社会問題大臣だ。先の事件のショックからやっと立ち直り、政治の場に復帰した。しかしその直後から不審な出来事が相次ぐ。警察は警察でセンセーショナルな事件になったクリスティーネ・ハートン殺害事件を蒸し返したく無い。ヘスは相次ぐシングルマザー殺害事件の鍵はローサにある、と訴えるが。とうとう行き詰まったその時、ヘスとトゥリーンが突破口を見出したのはその栗人形からだったーーー



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「チェスナットマン」です(・∀・)



久しぶりに人がドカドカッと死ぬタイプの北欧ミステリーです。1人の死をとことん追求するタイプが最近続いた為、3人辺りでぐはっ、とダメージが← しかもその中には警察官も居るので余計にえぐい。

さらに国際色がないので余計に人間の闇と罪の部分が重い。日本だって他人事じゃ無い。あの栗人形に拘った理由が明かされるところは胸糞が悪くなる。しかし人形っていうのはミステリーが絡むとどうして不気味なものに変貌するんでしょうか。いや、これはミステリーじゃ無くても怖いか。



とはいえ、主人公のクセの強さは北欧ミステリーあるあるー⭐︎← 良くも悪くも我が道を行くトゥリーンとヘスのコンビは相性最悪です。故に却って離れた方が違う角度からものが見えて事件解決の糸口を見つけられる、が説得力があります。こんな2人なので離れた場所で捜査し合う方が良いような気がします←



人がドカドカと死ぬだけで胸糞悪いのにその共通点がなんとも言えない気分の悪さが……しかもその犯人がほんとに……その異常さは後天的なものだと思いたい。というか最後のあいつの方は釈放して良かったのか。



「チェスナットマン」でした(・∀・)/ 

読破達成までもう少し!ーーー(*^o^*)/