犯罪はどこかしこに有る。例えば子どもの作文にも……
◇マネキンさん今晩は◇ -The Best Stories Cornell Woolrich-
コーネル・ウールリッチ 門野集 訳
大都会に憧れて家出した娘が事件を目撃し、危険にさらされる表題作ほか、「爪」「裏窓」「睡眠口座」など40年代前半の名作6篇に、本邦初訳の2篇を収録。ウールリッチの名作勢揃い。
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1.マネキンさん今晩は
(Meet Me by the Mannequin)
……「睡眠口座」参照。
2.毒食わば皿まで
(Murder Always Gathers Momentum)
……「シルエット」参照。
3.霧の中の家
(Crazy House)
……極東の友人からの伝言を携えてダイアナ・ミラーという女性を尋ねにやって来たビル。しかし道を聞くとその家はずっと昔に閉鎖されたというではないか。そんな馬鹿な、と霧の中を歩くとやはり家には明かりが。しかし応対してくれたダイアナは友人が見せてくれた写真とは似ても似つかず……
4.爪
(The Customer's Always Right)
……「妄執の影」参照。
5.我が家の出来事
(Murder at Mother's Knee)
……プリンス先生は小学校の国語の先生。生徒は可愛いが宿題忘れは許さない。何も書くことがない、というジョニーもなんとか作文を書いてくれた。題名は「うちであったこと」。彼女はそこに犯罪を感じるが警察のケンドールは取り合わない。そこで彼女自らジョニーの家に飛び込むことにした!
7.裏窓
(lt Had to be Murder)
……「クイーンの定員」参照。
8.睡眠口座
(Dormant Account)
……「睡眠口座」参照。
9.死者が語れば
(If the Dead Could Talk)
……ジョゼフ・クロズビィは死んだ。空中ブランコ乗りだった。どうして死んだのか? 単純で複雑だ。2人の少年と1人の少女。仲良しだった3人は大人になるにつれて考えの違いが顕になったのだーーー
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「マネキンさん今晩は」です(・∀・)
残すところウールリッチ=アイリッシュも本書を含めてあと3冊です。「クイーンの定員」で初めて読んだのでそこそこ長い付き合い
です。感慨深い……
本書は未読作品は3作。怪奇アクションものと飛び込み型ミステリー、そして「これぞ悲劇ロマンス」。
「誰も居ない家のはずなのに」と「さっきまで人が居たって言ったよな、ええん?」が入り混じる感じは長編になったらもっとじわじわと痒くなるぐらいに焦ったくなりますね。
5は「犯罪はどこにでもある」を地で行ってますねー。ほんとにプリンス先生の勘がなければ警察すら気がつかなかったのだからこれぞ飛び込み型。
初期ロマンスがハピハピエンドアだったので油断しましたorz 誰かの死には必ず理由がある。しかしこれ、1番可哀想なのは何も知らない何も悪くないトミーだよな……女の方は薄々気がつくかも知れないけどそしたら一生罪悪感を抱えて生きていくんだろうな……
「マネキンさん今晩は」でした(・∀・)/
文字通り「悪い男」を殺したのは?(*^o^*)/