本日1月26日(木)22時~
インスタライブをやります。
南大東島 猫条例を読む。
先日もブログに書きましたが、
沖縄県の離島、南大東島では
村独自で猫の捕獲・殺処分を
していることがわかりました。
これは南大東島の
いわゆる「猫条例」に基づくものです。
猫条例の正式名称は
南大東村飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例です。
このような一見、
正しく見える名称の条例に基づいてなぜ?
どのような背景で作られた条例なのか?
またどのように運用されているのか?
沖縄の離島だけの問題なのか?
条例を見ながら
お話しさせていただこうと思います。
以下、本日のインスタライブのレジュメ(メモ書き)です。
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レジュメvol2 20230126
○南大東村飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例
平成 30 年 12 月 14 日 条例第 16 号
南大東村飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例
※ 外来ネコ問題研究会 諸坂佐利(神奈川大学准教授)長嶺隆(どうぶつたちの病院沖縄)作成に関与
※ 条例名のように、本当に飼い主の適正な飼養管理を目的とする条例か?
※ 公開された情報はこの条例と飼い猫登録などの申請書のみ。電話での問い合わせは一切答えない。メールでの問い合わせのみ対応すると。メールで問い合わせても実際は返信なしが多いよう。メールで問い合わせても情報公開請求をするようにと。情報公開請求しても、法律で定められた期日内には届かない。
→ なぜこのような対応なのか?電話の方が簡便では?の問いに対して、条例制定時にこのような対応に決まった。メールでの返信内容も委託業者(どうぶつたちの病院沖縄・長嶺隆獣医師)に見てもらう必要があると、福祉民生課具志堅課長補佐。
(目的)
第 1 条 この条例は、飼い猫の適正な飼養及び管理に関する事項を定めることにより、村民の動物愛護の意識を高めるとともに飼い猫の野生化及び放し飼いによるダイトウオオコウモリその他の野生生物(以下「野生生物」という。)への被害を防止し、もって地域生活環境の向上並びに自然環境及び生態系の保全を図ることを目的とする。
※ 「村民の動物愛護の意識を高めるとともに」
→ 捕獲して殺処分することを目的としている
(定義)
第 2 条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 飼い主 猫を所有し、又は飼養及び管理するものをいう。
(2) 飼い猫 飼い主が所有し、又は飼養及び管理する猫をいう。
(3) マイクロチップ マイクロチップは、国際標準化機構(ISO)に定めた規格のマイクロチッ
プ読取機に対応する体内埋込型のものをいう。
(4) 繁殖制限 飼い猫の避妊手術、去勢手術その他の繁殖をできなくするための措置をいう。
(村の責務)
第 3 条 村は、関係行政機関、各種団体等と連携して、第 1 条の目的を達成するための施策を実施するものとする。
※ 村と委託業者のみの連携 関係行政機関(沖縄県動物愛護センターや環境省)との連携はない。
→ 県からの問い合わせに関しては、答えをしない(県議会比嘉県議に対する答弁)
→ 環境省からの問い合わせに関しては、情報公開請求するように(このような酷い対応は聞いたことがない。環境省・国会議員・南大東村役場の他部署職員)
(飼い主の義務)
第 4 条 飼い主は、飼い猫の生態、習性及び生理を理解し、かつ、愛情をもって接するとともに、
終生にわたり飼養及び管理するようにしなければならない。
2 飼い主は、飼い猫を適正に飼養及び管理することにより、健康及び安全を保持するとともに、飼い猫が飼い主以外の者に迷惑を及ぼすことのないようにしなければならない。
3 飼い主は、人と飼い猫と野生生物との共生に配慮しつつ、飼い猫が野生生物に害を加えることのないようにしなければならない。
※ 人と飼い猫と野生動物の共生、飼い主のいない猫だけ「共生」から除外されている。
(登録及び飼い猫の明示)
第 5 条 飼い主は、飼い猫を取得した日(生後 90 日以内の飼い猫を取得した場合にあっては、生後90 日を経過した日)又は本村に転入した日から 30 日以内に、規則で定めるところにより村長に登録申請をしなければならない。
2 村長は、前項の申請があったときは、その旨を登録し、飼い主に飼い猫の飼育登録証及び鑑札を交付するものとする。
3 飼い主は、飼い猫の飼養及び管理に当たっては、登録を受けたことが判明できるように首輪等を用いて鑑札を明示しなければならない。
4 飼い主は、第 1 項の登録を行った場合においては、規則に定める期間内に、マイクロチップの埋込の処置及びその個体識別番号の届け出を行わなければならない。この場合において、マイクロチップの埋込費用は飼い主の負担とする。
※ 昨年の多頭飼育崩壊事案では、登録していない猫を島の外に持ち出すことはできない?と謎の理屈で、島外の愛護団体のレスキューを認めなかった。
※ 鑑札明示の義務
→ 首輪等の鑑札明示義務は猫の生態を無視
(登録手数料)
第 6 条 飼い主は、前条の申請の際に、飼い猫 1 匹につき規則に定める登録手数料を納付しなければならない。
(鑑札の再交付)
第 7 条 飼い主は、鑑札を亡失し、若しくは損傷したときはその事由を記載し、又は損傷した場合
にはその鑑札を添え、30 日以内に村長に鑑札の再交付を申請しなければならない。この場合において、飼い主は、規則に定める再交付登録手数料を納付しなければならない。
※5条3項が問題。
(登録の変更及び抹消)
第 8 条 飼い主は、飼い猫に死亡、譲渡又は村外移転等の事由が生じた場合には、当該事由が生じた日から起算して 30 日以内に、規則の定めるところにより村長にその旨を届け出ることにより、登録の変更又は抹消の手続をしなければならない。
(適正飼養及び管理並びに生活環境の向上)
第 9 条 飼い主は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。もって飼い猫の適正な飼養及び管理並びに地域の生活環境の向上に努めなければならない。
(1)飼い猫に餌及び水を適正に与えること。
(2)飼い猫の疾病の予防や健康の保持に必要な措置を講ずること。
(3)飼い猫のふん便等を適正に処理し、悪臭又はノミ、ハエその他の衛生害虫の発生を防止する
こと。
※ こういう適正飼育の条項に騙されてはいけない。
(放し飼いの制限)
第 10 条 飼い主は、飼い猫を室内で飼養及び管理し、屋外で飼い猫を放し飼いしてはならない。
2 飼い主は、やむを得ず飼い猫を屋外で放し飼いにする場合には、繁殖制限の措置を講じなければならない。
(餌やりの禁止)
第 11 条 村内では、飼い猫以外の猫に対し、みだりに餌や水などを与えてはならない。
※ 餌やり禁止条項
→ これが認められるか?議論が必要。
→ 21条の5万円以下の過料の対象
猫は野生動物ではない。狩りでは生きていけない。
空腹で苦しんでいる生き物にご飯をあげることは人として当然の倫理的行動。
地域猫やTNRは餌やりを認めることが大前提。
ご飯をあげるなら、不妊去勢手術をしようね!
(遺棄の禁止)
第 12 条 飼い主は、飼い猫を責任を持って終生飼養及び管理し、遺棄してはならない。
※ 当然、動物愛護法で禁止されている。
→ 動物愛護的思想ではなく、野生動物に邪魔だとの思想から設けられている。
(飼い猫の譲渡)
第 13 条 飼い主は、やむを得ず適正に飼い猫を継続して飼養及び管理することができなくなった場合においては、適正に飼養及び管理できる者に飼い猫を譲渡するよう努めなければならない。
※ これも背景は動物愛護的思想ではなく、野生動物に邪魔だとの思想から設けられている。ただ、思想的背景を抜きにすれば歓迎すべき条項。
(譲渡のあっせん)
第 14 条 南大東島に居住する飼い主は、前条において、自ら飼い猫の譲渡先を見つけることができないときは、規則で定めるところにより、村長に新たな飼い主のあっせんを求めることができる。
2 村長は、前項の規定によるあっせんを求められたときは、当該飼い猫の譲渡を、その飼養を希望する者で、適正に飼養することができると認められる者にあっせんするものとする。
※ 譲渡のあっせん条項
→ 珍しい条文。村がここまでやってくれる手厚い条例!と歓迎して読むべきか?いや、次に見るように15条に基づいて収容された猫のほとんどが殺処分されていることからすれば、あっせん先が見つからなかったとして「殺処分」することを予定している条文と読むべき。
(保護収容及び譲渡)
第 15 条 村長は飼い主の判明しない猫当等を保護収容することができる。
2 村長は、前項の規定により猫を保護収容したときは、規則で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
3 村長は、前項の公示期間の満了後も飼い主が判明しないときは、当該猫を、その飼養を希望する者で、適正に飼養することができると認められる者に譲渡することができる。
※ 1項「当等」は「等」の誤植?
※ 1項 「保護収容」としか記載されていないが、実際は「捕獲・殺処分」
→ こういう文言に騙されてはいけない。
→ 「保護収容は捕獲について」(委員会議事録)捕獲が前提として記載されている。
→ 「保護収容された所有者不明ネコは…動物愛護上、十分な配慮のもと約1週間飼育し、島内における引き取り手を募集する。引き取り手のいない個体については村との協議の上、最終処置として安楽殺を実施する」(委員会議事録)
→ 「動物愛護上、十分な配慮のもと」とあるが、本当にそうなっているのか?村には常駐の獣医師がいない。実際多頭飼育崩壊事例では、村の施設に収容された猫は体調を崩したものも多く、県のセンターに送られた。通常は県のセンターへの装置は予定されていない。
→ 村と委託業者である「どうぶつたちの病院沖縄(長嶺隆獣医師)」の協議の上、殺処分。
→ 令和2年(捕獲40、譲渡6、返還1、殺処分29 残り4は?)令和2年はコロナの行動規制により捕獲作業が見合わされ、捕獲作業が進まなかった。
→ 令和3年(4月~12月の9か月間)(保護収容196、譲渡数39、返還数9、残り142頭が殺処分された?)
※ 2項の「公示」は村役場の公示のみで、ネット上の公示はしていない。今後も考えていない(福祉民生課具志堅課長補佐回答。いまどき、どこのセンターもネット上の公示をして、広く情報を公開している。約1000名の住民しかいない村内のみ(しかも村役場のみ)の公示で、里親募集をする意図はもとからない。
(事務の委託)
第 16 条 村長は、前条の規定による保護収容及び譲渡について、動物の愛護を目的とする団体その他の者にこれらに係る事務を委託することができる。
→ 「動物の愛護を目的とする団体」?委託業者が?
(費用の分担)
第 17 条 第 14 条第 1 項の規定により保護収容された猫の返還を求める者は、収容中の保管の費用
および返還に要する費用を負担しなければならない。
2 第 14 条第 3 項の規定により、猫の譲渡を受けようとする者は、その譲渡に要する費用を負担しなければならない。
※ 「14条3項」 14条に3項はない。2項の誤植。
(多頭飼養の禁止)
第 18 条 飼い主は、飼い猫(生後 90 日以内のものを除く。)を 5 匹を超えて飼養し、または保管し
てはならない。但し、村長が許可した場合は、この限りではない。
2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、村長に許可の申請をしなければならない。
3 村長は、前項の申請に係る飼養等について、第 4 条、第 5 条、第 9 条、第 10 条及び第 11 条に規定する事項が遵守されているほか、飼い猫の健康及び安全の保持並びに周辺の生活環境及び生態系の保全に支障がないと認められる場合でなければ、第 1 項の許可をしてはならない。
4 村長は、第 1 項の許可を受けた者がこの条例若しくはこの条例に基づく命令の規定又はこの条例に基づく処分に違反した場合は、その許可を取り消すことができる。
※ 表題にあるように「多頭飼育の禁止条項」。他の自治体ではあったも届け出制度。6頭以上の飼育・保管の原則禁止。村長の許可がある場合のみ個別例外的に許可。届け出制度は原則可。ただ。一定の様式を備えた事前の届け出を必要とするのみ。
→ 猫の飼育にこのような強い規制が許されるか?違憲ではないか?
(報告及び調査)
第 19 条 村長は、この条例の施行に必要な範囲内において、飼い主その他の関係者に対し、飼い猫の飼養及び管理の状況について報告を求めることができる。
2 村長は、この条例の実施について必要があると認めたときは、調査のため必要な範囲内において、職員に関係のある場所に立入調査させ、又は関係者に質問させることができる。
3 前項の場合において、立入調査をする職員は、身分を証明する証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
※ 2項の立入調査権。村によると、これは無令状での強制的な立入調査権(捜査権?)を認めたもの。実際、多頭飼育、動物虐待で逮捕された女性の家には、昨年女性の留守中に、村役人と獣医師(どうぶつたちの病院沖縄・長嶺隆獣医師)が無令状で強制的に立入調査を行った。
→ これは無令状捜索差押えを禁じた憲法35条に反するのではないか?
憲法35条1項 何人も、その住居。書類及び所持品について。侵入、捜索及び、押収を受けることのない権利は、憲法33条の場合を除いては、正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
→ 3項は身分証明書の提示を要求している。これはそもそも2項の立入調査権は、無令状の立入調査など認めていないことの現れと捉えることができる。いない人に提示などできない。
(指導、勧告及び命令)
第 20 条 村長は、第 4 条第 1 項、第 2 項、第 5 条第 3 項、第 10 条第 1 項の規定に違反していると認められる者に対し、当該規定に従い、必要な措置をとるべきことを指導することができる。
2 村長は、第 4 条第 3 項、第 5 条第 1 項及び第4項、第8条、第9条各号又は第 10 条第2項又は第11条に規定する事項を遵守しない者に対し、必要な措置をとるべきことを指導し、又は文書により勧告をすることができる。
3 村長は、前 2 項の規定による勧告を受けた者がその勧告に係る措置をとらなかった場合において、その者に対し、勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
(過料)
第 21 条 前条第 3 項の規定による命令に従わなかった者又は第 12 条若しくは第 18 条の規定に違
反した者は、5 万円以下の過料に処する。
2 第 19 条第 1 項に規定する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同条第 2 項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して回答をせず、若しくは虚偽の回答をした者は、2 万円以下の過料に処する。
(委任)
第 22 条 この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
この条例は、平成31年 4月 1日から施行する。
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28日(土)は
島忠ホームズ昭島店さまにて
保護犬・保護猫譲渡会があります。
川越スカラ座さんで
「猫たちのアパートメント」の上映があります。
28日までと29日以降では
上映時間が変わりますので
お間違えのないようにm(__)m
28日(土)は
15時40分の回の上映後に
お話をさせていただきます。
※ 映画を観ていただいた方のみになります。
29日(日)
10時30分の回の上映後には
映画館客席で保護猫譲渡会を
開催させていただきます。
※ 保護猫譲渡会は
譲渡会のみでのご参加でも大丈夫です。
よかったらご参加くださいm(__)m
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