キャンベラ見学の続き。


国会議事堂の次の見学ツアーは午後1時から、ということでまだ時間があったので、その間にオーストラリア戦争記念館 Australian War Memorial に行くことにしました。


国会議事堂から、町の対角線上に見えてたやつです(遠くの山の麓)。




戦争記念館自体は正直ちょっと気が重い。特に第二次世界大戦は日本は敵国なので、それを記念した場所に果たして日本人がのこのこと行っていいものか・・・


でも、別の目的があったので勇気を絞っていくことにしました。


入ったところ。見学者がたくたん来ていましたね。Allieがキャンベラに行くけどオススメは?と聞いたら、何人もここを挙げたので、それだけオーストラリア人にとっては重要かつ有名なところなのでしょう。




建物の中は第一次大戦、第二次大戦、そしてベトナムやアフガニスタンなどの最近の戦争の3部構成になっていますが、第一次大戦ゾーンは100周年記念に備え改修中でクローズ中。


従ってメインは第二次大戦ゾーン。うぅぅ、さらにアゲインストな。第一次大戦は味方だったので、日本がいろいろ助けたこととの展示があるって聞いてたんですよね・・・


ちょっと雰囲気にのまれていたら、案内のおばさんが親切に声をかけてくれてました。ほっとして、Allieの本題を切り出してみました。


「エニグマを見に来たんですが・・・ありますか?」


と、Allieが言うと、おばさんがぱっと笑顔になって、「暗号機のこと?あるある、地図だとここね・・・というより行ったほうが早いわ!」となんと館内をエスコートしてくれました。


そしてたどり着いたのがこれ!




真ん中のタイプライターみたいなやつ。ドイツ軍が第二次大戦で使って、ヒトラーの進撃を支えた、当初は無敵を誇っていたエニグマ暗号機です。


Allieの愛読書、『暗号解読 (サイモン・シン著)』という本の中で、これをめぐるスリリングな攻防が描かれていて、機械の仕組みも詳しく説明されています。


久しぶりに読み返していたら、戦後イギリス政府が旧植民地の国々に使わせていた、という記述があって、もしや、と思ってググったら、キャンベラにあるじゃん!見たい!ってのが、そもそもAllieがキャンベラに行こう、と思った理由なのでした。


マニアックでごめんなさい。パッと見はたいして面白くもないけど、本を読んだ後なので、Allieはかなり興奮。写真撮りまくり。変態。


でも、なんか、こういう馬鹿げた旅行の目的ってのもいいね、と思ったり。


目標達成のあとは、一応館内を見学しました。ハッキリ言って日本人には不向きな場所です。


ホール中央に展示された、1942年にシドニー湾を襲撃した2人乗りの特殊潜航艇。捕まりそうになって自爆しました。したがって真ん中は破裂して壊れています。



前・・・って書いてあるね。




説明書きには、日本兵は帰れる望みのかなり薄い任務なのにもかかわらず、勇敢に国のために命を投げ打ったとあり、親に宛てた別れの手紙の英訳もありました。


日本に対して特に非難めいたことが書いてあるわけではなく、事実を淡々と述べてあるのですが、日本人としてはより時代背景もわかるがゆえに、正直心が痛い。超複雑。


旭日旗。




日本刀と鉄兜。




ゼロ戦(実物初めて見たかも)。




館内各所でこだまする、「ジャーパニーズ」というガイドの声と、「武運長久」と大きく書かれた日の丸が上下さかさまにされて、そこへ英語の寄せ書きがされている展示を見たあたりから、なんだかいたたまれなくなって、早送りで出てきちゃいました。


史実を学ぶ必要はあるとは思うけど、ちょっとこれは刺激が強いな。実際まわりも結構Allieと友達(日本人)のこと見てきてたしね。


ただ、Allieにとっての一つの収穫は、日本では第二次世界大戦は、特に後半はアメリカとの戦いという認識が強いと思うけど、オーストラリア人にとってはまさに日本とのガチンコの戦争だったんだと、あらためてわかったこと。


あと、戦争について、積極的に語るカルチャーもまた勉強になりましたね。


たぶん、今まででいちばん真面目モードの今日のAllieでした。



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