ミントタイムス -5ページ目

バービーさんが気づかせてくれたこと


我が家にある、しっかりとした骨格と太ももを持ったバービーさん。自らもしっかりとした骨とふとましい太ももを持ち""華奢"でないことにコンプレックスを持ち続けてきた私は彼女に親近感を抱き一目惚れ。

子供の頃から、リカちゃんジェニーちゃん(超ロングヘアのティモテもいた!)バービーちゃん等、着せ替えお人形遊びが大好きで、いつかは興味を失うだろうと思っていたのに、どっこい大人になった今、興味は失せるどころか放っておいたら増すばかりで…一度足を踏み入れたらきりがなくなってしまう予感しかしないためそっと封印したままにしようと思いながらも、数年前とうとう再び手を出してしまい。

買い集めることは出来るだけ控え、手元にあるお人形さんを「可愛いなぁ・・・」と、時折取り出してはとてもひとりむふふと愛で楽しんでいたのですが、その手のお人形さんに親近感を持つなんて、よくよく考えると初めての経験で。


田舎の素朴な町の片隅にある平屋の散らかった子供部屋でそのお人形さんたちは私の手の中にありながら、同時に<私には手が届かない>世界に存在していて。

そのお人形さんたちは

”女の子の憧れ”

を体現すべく現実離れした設定をまとわせ生み出されたものなのだからそれは当然のことであり、憧れは憧れとして自分とは全くの別世界に存在する彼女たちのきらめきにため息をつきうっとりするのもまた楽しいことでもあったのですが、そこには「自分はそうではない」というはっきりとした線引きがあって。

成長していく過程で度々発作のように自分を醜く感じてしまい自分を受け入れきれず「恵まれている筈なのに、なんで、なににこんなに苦しんでるんだろ?」ともがき、訳を知りたくて色んな本や考えに触れ自分自身を振り返ったときに、お人形さんの存在だけには留まらない、もっと、世の中全体にぼやぁっと、でも確かにに引かれていた”美しいとされるもの”の線引きを自分の裡に取り込みそれにじっとり侵されながら、その基準を全う出来ていない自分を無意識にずっと責め続けそれに縛られ徐々に締め上げられてきたのだということに気がつき。
そして、もうキチキチに喉元しめられ息も浅くなり苦しんでいるはずなのに、その苦しさが当たり前のことになりすぎていて自覚することが出来ていなかったということも。

たかだかお人形のことで飛躍しすぎだろうと思われるかもしれませんが。

自分でも、びっくりでしたもの。

大人になった今、まさかバービーさんから、癒やしや楽しみとはまた違った
<肯定感>
をもらえる日が来るなんて。


【この体型の人形が作られ販売されている】


【無理難題な課題をクリアしたファンタジーな体型でなくとも、この形で社会に存在していい】


【この社会に受け入れられている!!】


「社会に受け入れられてるって…そんな疎外されてきたわけでもなかろうに大袈裟な」なんて思われるかもしれませんが、それはもうストンと、自然にそんな気持ちになれたのです。
自分でも上手く説明の出来なかった居心地の悪さが、サッ、と一つ払われたような。

端から見たら取るに足りないことのように思えるかもしれないけれど、取るに足らないとして蔑ろにされることこそ重要なパーツの一つだったりしますし、進路が一ミリ変わるとたどり着く先が大きく変わっていくように、心の向きを一ミリ明るい方へ変えていけるきっかけがあればどんな些細なことでも決して馬鹿にしてはいけないと信じているしで。

私の人生を生きるのは私自身なのだから、誰かが決めたガチガチの人工的な美の基準に自分の心身の骨格を歪めてまで無理に合わせるのではなく、持って生まれた性質や特質を慈しんで美しく心地よく感じられるようにありたいと思ったバービーさんとの出会いなのでした。
ちなみに、写真右隣のバービーさんは義足バービーさんです。
かっこよくてこちらもひとめぼれ!!

文字サイズ調整出来なくてでか文字になってしまいましたが、、、今日も長々なひとりごとにお付き合いありがとうございましたm(_ _)m

新緑の季節、みずみずしい香りを深く吸って心身の隅々まで酸素が行き渡るような深い呼吸ができますように。


出演/登壇いたします

3月最後の土曜日、みなさまいかがお過ごしでしょうか。東京は花冷えの雨となっております。久々にパンチの効いた寒さに着る服の選択を間違えた…!と家を出てすぐに後悔しましたが、それでも、この寒さで桜花の寿命が少しでも延びればなぁ…なんて思っております。

開花があまりにも早すぎたから…

少しでも永く、楽しませて頂きたい…!!


さてさて明日26日(日曜日)、下北沢に新しくできたK2シネマにて出演作の「海辺の途中/海辺のあしあと」の海辺シリーズが上演されるのですが、終了後に登壇させて頂くことになりました!


夫側から・妻側から描かれるある夫婦のお話。

それぞれ別の時期に制作撮影されたのですが、連作として続けて観ると単独で観た時とまた感じるものが違ってくるのがとても興味深いなぁ…と前回のイベント上映時に感動しました。

同時に上映される芳根京子さん主演の「わさび」も、この季節にぴったりの吉行和子さん/村上虹郎さん主演の「春なれや」も短編作品ならではの詩を味わうかのような豊かさが感じられるとても素敵な作品達ですので、お時間ご興味ありましたら、アンニュイになり勝ちな日曜日の夕方、普段とは違う空気を吸いにふらり劇場まで遊びにいらして下さると嬉しいです!


こちらからもチケットをお求め頂けます

https://reel.lumiere.theater/bo_seats?schedule_id=2612&theater_id=1&link=https://k2-cinema.com/event/title/230


※K2シネマさんのお支払いは電子マネー(QUICPay・iD・交通系ICカード)もしくはクレジットカードのみとなっており、現金不可となっているそうですのでご注意ください。

すごい、イマドキっ!





空白

今年も若干季節が早回りしているように感じているのは私だけでしょうか。


三月半ば、みなさま元気にお過ごしですか?今年も早々に強烈な暑さに包まれる日々がやってくるのではないかと恐々としている者でございます。



さてさて。

先日、本棚の整理をと思い突っ張り式DIY本棚の前に立ったときにふと、2019年スタートの三年日記が目に入り。三年日記の一年目で何故か飽きてしまい、二年分を残したまま翌年から10年日記に切り替えたために一年でその役目を終えることとなった三年日記。

上品な小花柄が愛らしいローラアシュレイのイラストが表紙の、三年日記。

奇しくもビフォアコロナ最後の年となった2019年、私は一体何を感じ暮らしていたのだろう、と、ずっしりとした日記帳を手に取りパラパラとめくってみる




ええ、


なに、この空白に次ぐ空白は・・・!!!


私、自慢じゃないですが、ずぼらな几帳面ゆえにたとえその日に日記を書かずに寝てしまったとしても翌日や翌々日にまとめて書くことにしているため(最高記録五日分。昨晩も先週木曜日から今週月曜日の分を記憶をたどりたどり記入しました。えっへん!)、自身の日記帳に《空白》は存在するなどと疑ったことすらなかったのです


が。


まさかの。


十月にいたってはほとんど未記入ではないですか・・・!


2019年の十月に一体私の身に何が起きていたのか最早思い出せもしませんが、それでも、一ミリの疑念も持っていなかった己の過去がこんな形で覆されたことが驚きで。


人の記憶は当てにならないなんてよく聞いてきましたが、まさかまさかこれほどまでとは。

知識として言葉で知ってることと、己の身をもって知るという衝撃の、この経験の大きな差よ・・・!!!


記憶も、ともすれば信念なんてものも案外あやふやなものなのでしょうね。

でも、自分でそれが真実だと思い込み続けていたら、いつのまにか自覚のない肩こりのようにゴリゴリに凝り固まってしまう。


自分を信じて生きていくのは大前提ですが、自分の思いだけが正しいと思い込んでその土壌にこれからの自分を育てていこうとするのも中々に危ういものだなぁ…


過去も未来も縋るには頼りない。

過ぎたことにぐじぐじ心湿らせないで、まだ来てもいない明日を憂えないで、今を歩く自分を励ましてくれる記憶は大切にしながらも後ろにも前にも囚われず、今を呼吸していくしかないのだな・・・と気づかされた出来事でした。


よしっ、まだ来ぬ夏の猛々しい暑さにうんざりするのではなく、お目目かゆかゆになりながらも、花粉舞うこの春の甘い風を味わっていこっと。


恐怖…!
今この記事用の写真を撮るのに改めて件の日記帳を引っ張り出したら、8月9月もほぼ空白であることが判明しました。
どうしたどうした…
2019年の私、お疲れさまでした。。。