静かな夜は…
そっと あたなを想う
 
昼間の 騒がしい話し声や 
機械を扱う音に紛れて
一日の ほとんどが
あなたの無い時間で
流れていく
毎日 毎日…
 
だから
静かな 夜が好き
 
夜中の…
耳が詰まるよな 静けさの中   
目を閉じて 
あなたを 想い出してみる
 
あなたの 香る髪が
わたしの頬を撫でた時の
くすぐったい感じや
 
あの唇に触れた時の
わたしの指先に伝わる
やさしい温もり
 
そのあとの
虚しい気持ち…
 
あくる日になれば
もう…
どこにも触れられない
 
ただ
残るのは… あなたの
しなやかな髪と
やわらかな唇の
その感触だけ
 
それは… いつまでも
指先や身体に染みつく
強い愛おしさ…
また あなたに会える
約束の日まで
わたしの感覚に…
触れ続ける
 
あなたが寝息をたてて
隣に居るような錯覚や…
その熱い息が
わたしの 耳に触れているような
甘い気配に…
時々 目を覚ます
 
そして
夢か 現実なのか…
わからないまま
また 眠り込む
 
今度 会う日まで
あなたの存在すら
証明する事はできない
 
本当は
何も わからない
 
また 二人が会えて
この指先と身体で
感じることができる
その日まで…
 
あなたの居る感覚を…
確かめられる
… その時まで