酔っ払うと言語がアラビア語に切り替わるナミキです、こんばんは。
ちなみにスーダンの首都ハルツームではお酒は全く見かけませんでしたが、
「シャンピオーン」というノンアルコールビール(という名のジュース)がありました。
(本来は「チャンピオン」ですが、彼らの方言ではchが発音できず、shと発音しています)

なお、音声でお聞かせできないのが残念なのですが、
シャンピオーンの現地ラジオCMは「We will rock you」のリズムに合わせて
(ずんずんちゃっ♪ ずんずんちゃっ♪)「シャーンピオーン シャーンピオーン シャンピオン♪」
と繰り返す至極シンプルなものでした。
ちゃんと著作権問題を解消済なのかが少々気になります。



さて、1/9からとうとう始まりましたよ!
何って、スーダンの南北分離を賭けた住民投票です。

$キャペッズ事務局長なみちゃんのブログ-スーダンの街並み110110
(北部にある首都・ハルツームの街並み 2010年9月撮影)


資源をめぐって、長い間対立を続けてきた南北。
北はアラブ・ムスリム系、南は黒人・クリスチャン/土着宗教系の人々が中心で、
政府は北(ハルツーム)にあるためアラブ系が掌握しており、
一方で資源は南に多く埋まっている…という複雑な構造のこの国。


私の懸念、3つ。


1つめは、「独立で北部の南部人が追い出されないか」ということ。
私の専門はイスラエル/パレスチナ問題なのですが、
例えばイスラエルの独立によって、アラブ諸国のユダヤ系の人々が
「もうユダヤ教徒には国があるんだから」と住み慣れた場所を追い出されてしまう、
そんな事態が起こっていました。
あーぁ、ひとってしょうもないなぁ。
スーダンの場合も、そういう雰囲気にならなければ良いのですが。


2つめ。南部が独立しても、どうやら暫く行政キャパシティは低そうだということ。
現地(南部)は帰還してくる人々のおかげでやや再会祭ムードらしいですが、
インフラ整備は追いつかないし、資源はあっても技術が足りないし、
そしてせっかく人々が還ってきても、仕事がないそう。
「国際NGO職員になる」という選択肢が人気の職業らしいですぞ。
皆現状にがっかりして、また混乱が生じなければ良いのですが。

……海外NGOといえば良い働き口、雇ってくれるのが当たり前、
という雰囲気が蔓延していたら、
CAPEDSが南部ジュバの盲学校を支援するのは暫く難しいだろうな。
ひと、まだ雇えませんから。(苦笑)


3つめ。アフリカ全体への影響。そして周辺諸国の目線。
今回は石油が絡んでいるのでアメリカ政府が積極的に独立を推していますが、
じゃぁダルフールは? ソマリランドは? 西モロッコは?
という風に、独立の気運が伝播していくかもしれません。
パンドラの匣です。アフリカ諸国は快く思わないんだろうなぁ。


CAPEDSの代表理事であるスーダン人アブディンも、
色々と懸念をブログに綴っています。
オヤジギャグなようですが、中身はちょっと真面目です。↓

「名前が変わる。スーダンから数断へ。」
http://abdin.blog96.fc2.com/blog-entry-79.html


投票は15日まで続きます。独立は果たすでしょうが…その後や如何に。