先日、生後2ヶ月の乳児がいる我が家に保健師さんがやってきた。
日本には生後1ヶ月を目処に役所から保健師を派遣する制度があって、
子どもの生活環境や発育状態の調査、そして両親の悩み相談をしてくれる。


我が家の悩みで一番大きかったのは、多分コレだ。

「父親がうつ病を患っていることで、子どもに悪影響は及ばないのか?」



子どもの健全な発育に影響を及ぼすもの第一位は「両親の不仲」で、
「親の病気」はその次にくるらしい。

私もだんなくんのうつ病に関しては気になっていたものの
(しかし最近は「朝7時に起こす以外は世話をやかない、気にしない」と決めている)
やっぱり当人は本当に深刻に悩んでいたようだった。
しかも彼の周りには、母親がうつ病を患ったため不登校になった女の子の実例があった。

先日私が相談を受けた時は
「子どもが『君を』求める時だけ応えられればそれでいいんじゃないかな」
と答えてみたものの、彼がプロの意見も訊きたい気持ちは当然だと思う。



保健師さんの回答は、こんな感じだった。



近年は家庭の形が、家族構成から経済状況、年齢まで本当に多岐に渡って異なるから、
それぞれが異なる悩みを抱えていて当然。
マイナス要素がない家庭なんて、存在しないかもしれない。

だから、例えマイナス要素があったとしても、他で補えばいい。
他の人が補っていけばいい。
この家庭は家族も多いし、経済的な面では奥さんが働いているから、
だんなさんはのんびり、見られる時にお子さんのことを見てあげればいいと思う。
子どもにとって一番大事なことは、
大人に笑いかけてもらって、お話ししてもらって、抱っこしてもらうことだから、
無理はしなくていい。



* * *


「構える時に、笑顔であかりさんに接してあげられればそれでいいんだね」
訪問が終わった後のだんなくんは、おかげさまでさっぱりした顔をしていた。

文化も習慣も違う、結局はやっぱり「他人の家」と感じられてしまう義実家で子育てすることを
私は本当に悩んだ末に決めた(そして一度決めたら動かさないよう努力した)けれど、
彼や子どもに手を差し伸べられる人間が多い環境を選んだことは
正解だったんだな、と私も思えた。
保健師さん、一つのコンパスを見せてくれてありがとう。



世の中の、うつ病を患う家族がいるお家に、
それぞれ心強いサポーターがついていますように。