「何があったとしても、
たとえ身近な人が殺されようと、希望を失おうと、
無辜の一般市民を殺してはいけないのに」

そういう暗黙の考えがあるから、
先進国の茶の間で世界のニュースを見る人たちは
「中東って怖いわね」
「どうしてこんなことをするのかしら」
と言うのだと思う。


パリの事件はほんとうに悲しい。
祈ったって祈ったって、遺族の心の闇を照らす光にはなれない。


一方で、報復のため空爆を繰り返す
フランス政府を、フランス国民を、
そして指をくわえて眺めている先進国の人たちの様子を見て思う。


これで、分かってもらえただろうか?
無辜の市民を巻き添えにしてまで、何かを晴らしたい真っ黒な衝動。

誰がその下にいるのか分からない場所で
武器を落とす先進国政府を眺める私たちは、
胸を張って自分たちに言えるだろうか?
「たとえ身近な人が殺されようと、希望を失おうと、
無辜の一般市民を殺してはいけない」と。