日本からエルサレムに移ったことで、時間をたっぷり貰っています。
朝は早起きした分だけ、そっくりそのまま自分の時間ができて、
通勤電車でもまれることもなく、広告やネットに目を奪われすぎることもなく、
ゆっくり座って本を読めて、人と話して、日記もたくさん書けます。

あぁ、そういえばそうだったなぁ。
ここでの暮らしは、こうだった。
懐かしい、贅沢な感覚です。
日本に少し、持って帰れたらいいな。

* * *

到着して一週間が過ぎる中、色々なことを感じ、考えました。
その一つは、月並みですが、
「まだまだ、まなべることは多かったんだ」ということです。

とくに好きなのは、ひとからまなぶことです。
子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまでが「活きた言語」の先生になり、
私は日々たくさんの「知らなかった言葉」に晒されています。
それを、ノートに書き留め、まねて、返す……それだけで、私が一歩前進します。

地元のひとだけでなく、所属や年齢に関わらず、
日本のひとからまなぶことも多くあります。年下の後輩からも。

立ち振る舞い、纏う雰囲気、声の掛け方、情勢への知見、
地元のひとたちとの向き合い方、仕事への姿勢……。
彼らが時間をかけて養い育ててきた果実から
私自身の可能性を開く材料をつまみ食いさせてもらえることが、
ほんとうに幸せだと思いました。

ホントは多分、日本でだって、できることなのです。
それなのに出来なかったのは、心の余裕の問題でもあるんでしょうね。



(考えごとコーナー。)