もう既に何度か書き散らしましたが、

パレスチナ刺繍にハマっています。

 

 

昨日、我が家に泊まりにきた気の置けない友人と

うだうだ〜っと喋りながら刺繍していたコレは、上下が「石臼」の模様。

先日、日本人の女子大生ちゃんが「これが可愛い!」と言っていたので

縫ってみました。(色は私の好みに変えてしまった。えぇ、地味子です。)

 

茶色い線は「おじいちゃんの歯」や「のこぎり」と呼ばれるデザインで、

真ん中はたくさんの呼び名があります。星とか、月とか。

白い余白が目立つかなぁ…うーん。改善案を募集中です。


 

縫う時は大体、まずはパレスチナ刺繍の本を開いて柄を選び、

いくつかを組み合わせて、一回エクセルに落とします。

 

(これ)

 

地道な作業ですが、これ大事。地図みたいなものだからです。

 

柄自体は本から取っていますが、

色や柄の組み合わせは思いっきり変えています。

 

例えばこの、私が一目惚れした「月」の模様。

 

こうなりました。

 

 

それから、スイカの柄があります。

 

「ひよこ豆とレーズン」「とうもろこしのヒゲ」という柄と組み合わせました。

必殺・台所の食材シリーズです。

 

(赤いのがスイカ、オレンジがとうもろこしのヒゲ、

その下の四角がひよこ豆とレーズン。

結局、製品化の時にはとうもろこしは却下されました。笑)

 

 

でも、こういうアレンジは、最初はおっかなびっくりで。

本に書いてあるままを縫わないと

「パレスチナ刺繍」だなんて言えないんじゃないか、

と何故か思っていました。

 

 

そんな私が、頭の中のそういう制限を取っ払って

刺繍にハマるキッカケになったのは、

中央アジアの文化・歴史漫画「乙嫁語り」第一巻。

 

 

そこに描かれる、日々刺繍する女性たちの営みには

何だか懐かしい家族の温かさがあります。

 

 

そして何より、彼らは自由です。

彼らは基本を押さえながら、自分の柄を創ったり、

個性がにじみ出るような色合わせを縫い取ったりしていたらしいのでした。

 

それを、皆が覚えていて、誇りに思いながら、子孫が受け継いでいくのです。

あぁ、きっと、いま沢山あるパレスチナの刺繍も、

こうやって出来上がっていったんだろうなぁ。

そう、思いました。

 

だから、刺繍は楽しくて、自分らしくて、誇らしいものなのです。

そしてまた誰か、パレスチナの人が、その生活からモチーフを得て

新しい柄を発明するのでしょう。

 

私はパレスチナ人ではないので、柄を創ることはしませんが、

「いいなぁ」と思うものを、私の色や組み合わせで

縫うことはできる。そう思います。

あとのひとたちが誰かしら、「あの色も良かったわぁ」と思ってくれる…

と、いいですね。笑