On (and off) The Road / King Crimson | おんがく・えとせとら

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 レコード・コレクターズ2月号の特集が「キング・クリムゾン80年代3部作」。CD/DVD/BD19枚組ボックスセット「On (and off) The Road」の発売に関連した内容だったのですが、2016年10月の発売から随分遅れて取り扱うのはなぜ? 販売が思わしくないのでテコ入れ策のプロモーションの一環だったんでしょうか? Amazonでも、4ヶ月余り経過した3月4日現在レビューが1件だけです。現役時代に評価が低かったことが尾を引いているのか? 

 KCファンの知人曰く「80年代は大嫌い。ダブルトリオの方がまだマシ」とのこと。私は大好きなんですがね。ちなみに彼はバンドのキーボーディスト。延々決まったパターンを繰り返すギターバンドにはのめり込みにくいのかもしれません。

 

 昨年後半以降、同セットの発売と前後していくつか関連本が発刊されています。

 

 

 右から「レコード・コレクターズ2月号」、「キング・クリムゾン ライブ・イヤーズ1969-1984」(シンコーミュージック)、「デビッド・ボウイとギタリスト」(RフリップとAブリューの記事あり/シンコーミュージック)、「プログレ・ギターの魔術師たち」(RフリップとAブリューの記事あり/リットーミュージック)。

 一番左は参考書籍、今回改め読み返してみたシド・スミス「クリムゾン・キングの宮殿」。80年代KCについて結成から解散まで30ページ余の記述があります。2007年に出たものの現在は絶版。中古品なら購入可能のようです。

 

 これらに刺激され「じゃあひとつ奮発してみよう」ということで今回買った中身がコチラ。

 

 

 ディスクは、ボックス本体の4つの仕切りにジャケット5部(右上の仕切りのみ二段重ねで2部入り)、各ジャケットに3枚ずつ収納で計15枚を収納。残るディスク16〜19はボーナス・ディスク扱いで別の台紙に一括収納されています。

 

 30cm角のブックレットは約40ページ、初めて見るステージ/リハ/レコーディング時の写真もたくさん掲載されています。年追うごとに変化していくAブリューのヘアスタイルもよく分かる。1983年5月のスタジオ写真では、ペイント前の改造ミュージックマスターを弾く姿も見られます。このギターはすでに「Three of〜」録音時から活躍してたんでしょう。

 

 その他のオマケ(チケット、ポスター等の複製品)は次のとおり。

・1984年来日公演パンフレット

・ポスター×2(1982/8/7公演、1982/9/6公演)

・バンド・ポートレイト×1

・ワーナープレスリリース?(1984/3/3版)

・EGプレスリリース?(1981-1982)

・Rフリップの日記?(1981/10/30)

・演目リスト

・バックステージパス×3

・チケット×4(1982/8/27フレジュス、1981/12/12大阪、1981/11/11イリノイ、1981/10/22トロント)

 

 

  ところで、本ボックスセットの広告は分かりづらく、上の雑誌広告にある<日本アセンブル・パッケージ・オリジナル特典>は公式サイトで購入しないと付いて来ないみたい。こちらは定価3万円、中古でも2万1千円〜と、ちょいとお高い。

 しかし、広告の「もう、猫またぎとは言わせない!」はなかなか自虐的、国内では背水の陣で臨むという宣言でしょうか。

 

 本作についての個人的な評価点は、映像はほとんどYouTubeに挙がってるものばかりですがより高画質・高音質で視聴できること、ライブ音源の経年変化をまとめて聴き比べられること、ブックレットが充実してること、あたりでしょうか。特に「Elephant Talk」でのA.ブリューのぶっ飛びギターソロをいろいろ楽しめるのが魅力で、ソロの最後をフニャフニャと締め括る仏フレジュスのバージョンが一番秀逸かな。(残念なことに映像がない。)