2年通い続けてくれた決して買わないお客さん | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        

もう2年くらい経つだろうか?


1人の男性がうちに通うようになって
なにしろ
一度も購入していただい事が無い

週末になると入店して

店内を巡り

商品を手に取り

1人で「なるほどな」と満足されて

最後は「ありがとう」と言って帰って行かれる

最初の頃は

「??」となっていたが

いつか絶対買ってもらおうと

なんだかわからないが私の

「ナニカ」に火が着いた


話はちと脱線しますが


「よろしければご試着してみてください」

そんな言葉言い飽きた


おそらく言い飽きた現場人が居るという事は

お客さんは「聞き飽きている」だろふ

服っちゅうのはおもろいもんで

これ着て何処いこ?

と考えるだけで

モチベーション上がりません?

わたしゃ「思い入れ」という

得体の知れない物体も

一緒に購入してもらう



そう
その方の
ライフスタイルを探り

それなら

「こんなん着て行ってはどうですか?」

これ魔法の言霊で
消費者の方の

想像が一気に膨らむ

これ着てあそこも行きたい

結婚式近々あったなあ そこで着よか

etc・・・・・・




そこで「一回羽織ってみてください」が

初めて成立する



ファーストアプローチで

「お手に取ってごらんください」

言われんでも興味あったら手に取るわい
これ消費者側の気持ちになって考えたら

私の結論こうなった。



①ご試着してみてください
②いかがですか?
③このサイズでバッチグーです
④ありがとうございました

はいこれじゃリピート率

ガクンと下がりますわな


これが私がよく使う
目先の売り上げなのです

こいつが厄介で
その日は売り手はハッピーだが

一か月後買ってくれた方が

また店に戻ってくるか?



そりゃよっぽど欲しいものがあれば

来てくれるでしょう


でも同じものが

ネットで安く売っていたら?


私ら現場人の事などそっちのけで

マウスの左ボタンをクリックするでしょう

数日後手元に商品が

郵送されてくるでしょう・・・・・・


だって互いに信頼関係ゼロな接客でしたもんね

「かとちゃ~~んこの前の服良かったわ」
「でしょ?イキッテきました?」
これこそ信頼関係ある証拠ですよね

それが我々現場人の強みなのですから
それをフルにいかさなあかんと思うのです

話は戻り

その男性とはほぼ

服の事についての会話はしなかった

ただ 日常会話はずっとしていた

「どうせ買わんやろ」
これアマチュアが陥りやすい魔のループ

買ってくれなくても

こんな入りにくい店に来てくれる

理由はなんなのさ?と

考えるのさ

でも答えなんて有馬温泉(ありません)
来たいから来る
着たいから着る
期待から来る
理屈じゃねえんですな!
image


そしたら

先日

「今日おにいさんから

スーツ作りたいんです

ハインリッヒも買います」


「え~~~~~~~~っ??」

「ずっとヒヤカシなのに一回も

嫌な顔もされず

気さくに話してくださって

本当にありがとう

僕は裕福ではないので
ずっとお兄さんから買いたいと思って
たんですがキッカケがなかなか無くて
4月に結婚式あるんで
そのタイミングに・・・・・・」
「そうだったんですか・・・・・」
「ここの店なんか落ち着くんですよ」
・・・・・・・・
感無量である

この仕事してて良かったと

一億%思える瞬間である

2年も通ってくださって本当に感謝です!


人には見えない触覚がある
態度にだしてなくても

「うわ、こいつ怒ってる」と

勘が働く事ありますよね?


現場もそう「どうせ買わんやろ」
これ
必ずお客さんに伝わってますよ

気つけるんやでい

「これ着てドコイコ」

そう思ってもらわねば

ネットに負けるぞ!