マイ母からの写メ。
北陸新幹線開業前、もう乗る事が無くなるであろう「ほくほく線」の乗り納めで石川県に帰って来たそうです。
実家の高崎から祖父母宅のある石川県、今までは乗り換え駅の越後湯沢まで上越新幹線でしたが、越後湯沢のホームから眺める雪景色ももう見納め(新潟の駅弁や笹団子も縁遠くなりそう)、長らくお世話になったほくほく線のガッタンゴットンの揺れともサヨナラ。

北陸の冬の味覚、香箱ガニを、亡き祖父の行き付けだったお寿司屋さんで頂いたそうです。これは子持ちだからメスですね。香箱ガニは身の繊細さと上品な甘さが魅力。
ここには写っていませんが、味噌がまた格別なんですよね!















こちらは赤貝の握り。祖父が最も好きだったネタです。祖父の場合、カウンターで大将と談笑しながらシャリ抜きでネタのみのオーダーをし、熱燗と共に味わっていたのがひどく通に見えたのを思い出します。













最後はトロの握り。
香箱ガニやら握りやら3枚も、嫌がらせ写メですよね~!

ネタがシャリに対してやたらに大きくベロロ~~~ンとしていないところが正統派。














こちらは能登の海産物専門店「しら井」の七尾本店。私は七尾本店しか行った事がありませんが、金沢支店も出来たそうです。創業80年の昆布問屋のしら井、我が家は昔から海産物はココと決めています。昆布巻をはじめ、佃煮や干物、珍味まで揃っており、どれも美味しいのです。
今時期ならば春摘みの岩海苔が特に絶品。能登の荒波の中、海女さん達が集めたと思うと噛み締めて味わいたくなります。


しかし、実に北陸らしいこの瓦の色!空の色もTHE 北陸。
新潟から富山に入った途端、車窓から見える屋根瓦が一斉にこのダークグレーになります。日本海も空も暗いのに、どうして屋根瓦までこんな暗い色にしたのだろう、といつも母が溜め息まじりに言っています。私から見ると、これこそが雪国北陸らしい情緒だと感じるのですが。


北陸新幹線開業で、生まれ故郷が賑わうのはやっぱり嬉しいなぁ。
これでまた新幹線の停まらない県は減り、宮崎のレア度UP(笑)

















さて、月末恒例お薦めクラシックコーナーです。
今月のテーマは、ストラヴィンスキー。

↑↑写真は、テアトル・シャトレでのストラヴィンスキーの春の祭典のコンサート案内の絵葉書です。
私の通っていたエコール・ノルマルの入り口には「アノンスコーナー(お知らせコーナー)」と言って、様々なコンサートの宣伝、国際コンクールやスタージュ(講習会)のポスターと要項、楽器の個人売買情報、楽器可物件情報などが見られるコーナーがあります(ネット時代になった今、こんなアナログな紙ベース情報のコーナーはもう無いかもしれませんが)。

そこには、こうした素敵な絵葉書状のコンサートやエキスポ案内があり、可愛いのでたくさん集めていたものです。















これは裏側。10年以上前のものなのでうすら汚れていますが。
2003年3月19日&22日と書かれていますから、ちょうど今時期ですね。
チョン・ミュンフン指揮、ラジオフランスオーケストラがテアトル・シャトレで行うストラヴィンスキーの春の祭典のコンサートがなんと4.5ユーロです。当時のレートだと500円ほど。110人と言う大人数のオーケストラのコンサートなのに安い!日本では考えられない料金ですよね。
このコンサート、パリ市やラジオフランスが主催ですが、フランスではコンサートだけだなく、クラシック音楽の学校や寮、コンクールに行政や大手企業が多額の助成を出しています。我がエコール・ノルマルにもそうした助成があり、その為「なんでそんな一流企業のお偉いさんが!?」と言う人が、突然レッスン中に入って来られて抜き打ちチェック的な視察をなさっていたものです。偶然なのか、何故かこの手の視察団と私のレッスンはバッティングする事が多かった!セキニンジュウダイ(笑)

こうした強力な下支えが歴史的に行われていたからこそ、あちらでは素晴らしい文化が育ち続けるのでしょう。

少々、話が横道に逸れましたが、このストラヴィンスキーの春の祭典だって、まさにパリの文化が生み出したもの。
テアトル・シャトレで旗揚げされた、かの有名なロシアバレエ団のディアギレフの依頼により作曲されたバレエ音楽「春の祭典」。初演はシャンゼリゼ劇場の柿落とし。あまりに新し過ぎるその音楽とバレエに、怒号と歓声が飛び交う大騒動となったエピソードはあまりにも有名ですね。
でも、そうやって非難された新しい芸術を
受け入れ愛し、文化の地層にする事をパリは繰り返して来たワケです。エッフェル塔やポンピドゥーセンターもそう。
真の煌めきを放つ芸術家を常に求め、擁護して来た歴史の賜物です。


春の祭典はストラヴィンスキーの代表作中の代表作。物議を醸した問題作が、今では20世紀の最高傑作とまで言われます。
大騒動を巻き起こしたシャンゼリゼ劇場で、その初演と同じニジンスキーの振り付けの動画がありましたので、舞台芸術に興味のある方は是非どうぞ!

    ↓   ↓   ↓

ストラヴィンスキー:春の祭典~ニジンスキーバージョン~(ゲルギエフ指揮 マリンスキー劇場オーケストラ&バレエ団)

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ニジンスキーバージョンではありませんが、聴き比べ、見比べも面白いので、これまた舞台芸術好きな方は是非!
    ↓   ↓   ↓
ブーレーズ指揮のパリ管はやっぱり素晴らしい!上のゲルギエフよりも更に凄い☆音楽が生き物みたい。
馬を多用した舞台、激しい躍動感があって飽きません。ニジンスキーバージョンは衣装が民話や童話風ですが、こちらは色の無い世界。それぞれ面白いですよね(ニジンスキー版の後半、熊の着ぐるみ風なのが出て来たところでは軽く吹いてしまった私(笑))。



ストラヴィンスキー:春の祭典(ピエール・ブーレーズ指揮 パリ管弦楽団)


どちらにしても、バレエと言う概念を覆すパワーみなぎる舞台ですよね!


※追記 誰の版だか気になっていたのですが、ブーレーズ研究者の東川愛さんに教えて頂きました。これは騎馬オペラのジンガロのバルタバス版だそうです。会場はヴェルサイユ騎馬場。
愛ちゃん、ありがとう!











◆ストラヴィンスキー/G・アゴスティ編曲:火の鳥(P:フランチェスコ・ピエモンテージ)



https://www.youtube.com/watch?v=3JWDFXlec3w





実は、先月の「火の音楽」の時にこの曲を載せようか迷い、今月こう言う形でご紹介しています。
火の鳥もロシアバレエ団の依頼により作られました。ロシアバレエ団と所縁のある作曲家やアーティストは信じられないほど錚々たる顔ぶれが並びます。ニジンスキー、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク、サティ、ファリャ、プロコフィエフ、ピカソ、マティス、シャネル、ジャン・コクトー等など……枚挙に暇がありませんが、中でもストラヴィンスキーは深い繋がりを持ち、ロシアバレエ団の中核を成したと言っても良いほどの大きな仕事をしました。


この曲は、バレエ音楽「火の鳥」を、イタリアのピアニストのグイド・アゴスティ(ブゾーニの弟子)がピアノ用に編曲したもの。
舞台芸術の作品なだけあって陰影に富み、演劇性が高く、ダイナミックな曲ですよね。有名な曲なので、オーケストラ版で聴いた事がある方もいらっしゃるかもしれません。
ピアノ版は、弾いたらご飯茶碗3杯分はカロリーを消費しそう(笑)
↑春の祭典のバレエダンサーの体力消耗の激しさから見たら笑われそうですが。
なので(!?)、あまり多くは弾かれません。

ピエモンテージの演奏、凄いですね。超絶技巧で難曲を冷静に弾きこなす姿、容貌もそうですがマルク=アンドレ・アムランと重なるところがありますよね。若き日のアムランだと言われたら信じてしまうぐらい!アムランよりも音楽的ですが。
基本的にクールな技巧派ってあまり好きにはなれないのですが(アムランも好きにはなれない)、このピエモンテージの火の鳥は見事。

フランチェスコ・ピエモンテージは1983年スイス生まれ。まだ32歳の若手です。
エリザベートコンクールをはじめ、数々の国際コンクールに優勝・入賞。

去年末のお薦めクラシックの記事でご紹介したナターシャ・クドリツカヤのようにまたまた新鋭発掘か?と思いましたが、火の鳥以外の演奏を幾つか聴いてみたところ、まあ普通の若者の演奏でした。パッと見のテクニックは外向的なのに、表現は内向的で広がりに欠けるように感じました。
そうしょっちゅう、柳の下にドジョウはいませんね(笑)














私も火の鳥に会ってみたいわ!

ホウキで体を撫でられるのがブームのへんこ。
私たち、もうすっかり仲良しです♪







ストラヴィンスキー3大バレエ音楽は、春の祭典、火の鳥、そして最後にご紹介するペトルーシュカ。


◆ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章(P:キーシン)

①ロシアの踊り

https://www.youtube.com/watch?v=9v4vonP1XAQ





②ペトルーシュカの部屋

https://www.youtube.com/watch?v=y5SYq8yn0zs





③謝肉祭

https://www.youtube.com/watch?v=ePFBZjVwfQI





ペトルーシュカもまた、ロシアバレエ団の為に書かれました。
私は観た事がないのでわかりませんが、のだめの映画でこの曲が使われた事で日本では知名度がUPしたようです。激しいリズムでノリが良く、特徴のある曲なので聴いた方は覚えていらっしゃるでしょう。
元気が良く、溌剌とした楽しい曲のように聴こえますが、実際には人間の心を持ってしまった憐れな藁人形の魂の叫びで、怒りや悲しみをぶつけて踊り狂っている様なのです。

ペトルーシュカもオーケストラ用に作曲されたものを、ストラヴィンスキー自身がピアノ用に編曲しています。
これまた難曲中の難曲ですが、キーシンの演奏、完璧です!キーシンならではの音の硬さはありますが、これ以上の演奏は無いと言い切ってしまいたくなるほど。


火の鳥のピアノ版もそうですが、オーケストラ用に作曲された曲をピアノ用に編曲した曲ってメチャクチャ欲張った忙しい感じになります。本来100人前後もの人が演奏する曲を、たった1人でピアノ1台で弾こうとするのですからそりゃ忙しいワケです。テクニック的にも音楽的にも難しく、無理が出るのは当然。
なので、私はオーケストラ曲をピアノ用に編曲した曲には懐疑的なのですが、キーシンほど完璧に弾かれると、聴いている分には違和感なく楽しめます。





ストラヴィンスキー、お楽しみ頂けたでしょうか?
何を隠そ、私は中学時代にストラヴィンスキーのバレエ音楽に激ハマりし、春の祭典や火の鳥のような前衛的な作品から、新古典主義へと転じたプルチネルラまで愛聴していたので、同じようにハマる方がいらしたら嬉しいです。














小学校を卒業し、来月からは中学生のノアゴン。
「ノア君、もうすぐ春休みだね。6年生の復習をしよう!」
とか言う、学習ドリルのDMを送って来ていた会社「B社」は、個人情報漏洩問題で一切DMを送って来なくなりました。
私とノアゴンの個人情報も漏洩していたそうで、2人分の図書カードがお詫びに送られて来ました。

ノアゴン、この図書カードで中学校の教材を買おうか?
と聞いたら、憤慨したように走り去りました!











バージュは小学3年生になります。

3年生になったら、掃除機みたいに床に落ちている糸屑や埃などのゴミを嬉々として食べるのは止めようね。
ルンバージュって名前にしちゃうよ!


来週から4月中旬まで、popさんのバレエのおばちゃんが逗留するので、更にゆるゆるブ活になります。