ボヘミアン・ラプソディの謎 | ちんちくりん的視点 “warped view”

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クイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」がいよいよ公開になります

僕にとってクイーンは大好きなバンドだったと同時に、もうひとつ相反する別の思いもあります

ヨーロッパ的な格式や伝統に基づく美意識、クラシック音楽や演劇、古典、美術、伝説、宗教的な価値観をリアルに感じた最初の体験がクイーンでした

そうした美意識は僕の中で長年培われていき、実際のクラシック音楽やオペラ、バレエなどに親しむようになった下地には、やはりクイーンとの出会いが大きかったと感じています

それほどクイーンの存在は鮮烈でした

だけど、それが「裏切られた」と感じる瞬間があり、それ以来僕はクイーンから離れてしまいました

おそらく多くの人がイメージするクイーン像というのは、でっかいスタジアムのステージでひげ面のマッチョなおじさんがタンクトップもしくは上半身裸でスタンドマイクを振り回しながらのけぞったり拳を突き上げたりしている姿でしょう


アメリカ的商業ロック、あるいはスタジアム・ロックといわれる、僕が最も軽蔑するジャンルの象徴的なイメージ

あの大好きだった、欧州的美意識の塊だったはずのクイーンが、まさかそこに成り下がってしまうとは思いもしなかった、、、

なんたる裏切り行為!

長髪をバッサリ切って、リーゼントに革パン姿でハーレーにまたがって登場した時には、「クイーンは終わった」と思いました


(PVを確認したら、バイクはホンダだったようです、、、ゴメン💦フレディ🙏)

それ以降の曲は、大人になるまで自分から聴こうと思ったことは一度もありませんでした

フレディ・マーキュリーがエイズで亡くなった時も、「本当にクイーンが終わってしまった!」という強い喪失感はあったけれど、「悲しい」とはそれほど思わなかった

自分も子どもだったなと思うけれど、今でもやっぱり僕は初期のタイツ姿やレースヒラヒラの妖艶なフレディが大好きで、その好きだった方のフレディは、その時点でもうとっくの昔に死んでしまっていたからです

それは比喩でもなんでもなく、実際にフレディ本人が過去の自分を完全に抹殺したかったのは事実でしょう

過去の彼を殺したのは、フレディ本人です

初期のライブ音源や映像はたくさん残っているはずなのに、公式にはほとんど表に出ていません

おそらく、フレディがそれを望まず、強く拒んでいたからだろうと思われます

それはなぜか、、、?

その秘密が、あの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」に隠されていると言われています

あの謎めいた歌詞、「ママ、僕は人を殺してしまった、、、」というショッキングなモノローグで始まる怒涛のストーリーの中に、フレディの強い意志が込められているという説があるのです

曲の中で主人公が「殺してしまった」男というのは、過去のフレディ自身のことではないのか、、、?

そう思って聴くと「なるほど」とすべて腑に落ちるような気がするのです

商業主義に魂を売った「裏切り者」という烙印を押してしまったことに、今では短絡的で理解が足りなかったと思うし、フレディに対して心から申し訳ない気持ちになります

ただ、今となっては仮説の域を出ないことだし、詳しい解釈はここでは触れないことにします

映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、その謎の深層に切り込む内容であって欲しいという期待感もあります

だとしたら、今そのことについて語るのは無粋というものです

もしも映画が期待通りの満足のいく内容だったら、またこのことについてじっくりと語りたいと思います

とりあえず、「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞に僕なりの意訳(合ってるかどうかはわからないけど)を添えて載せておくことにします

この解釈がどう変わるのか、あるいは変わらないのか、、、?

それではまた、映画の後に✋



〓ちん〓



Bohemian Rhapsody


Is this the real life?

Is this just fantasy?

Caught in a landslide

No escape from reality


Open your eyes

Look up to the skies and see

I'm just a poor boy, I need no sympathy

Because I'm easy come, easy go

A little high, little low

Anyway the wind blows, doesn't really matter to me, to me



Mama, just killed a man

Put a gun against his head

Pulled my trigger, now he's dead


Mama, life had just begun

But now I've gone and thrown it all away


Mama, ooo

Didn't mean to make you cry

If I'm not back again this time tomorrow

Carry on, carry on, as if nothing really matters


Too late, my time has come

Sends shivers down my spine

Body's aching all the time


Goodbye everybody - I've got to go

Gotta leave you all behind and face the truth


Mama, ooo -

I don't want to die

I sometimes wish I'd never been born at all


I see a little silhouetto of a man

Scaramouch, scaramouch will you do the fandango



Thunderbolt and lightning - very very frightening me

Gallileo, Gallileo,

Gallileo, Gallileo,

Gallileo Figaro - magnifico


But I'm just a poor boy and nobody loves me

He's just a poor boy from a poor family

Spare him his life from this monstrosity


Easy come easy go - will you let me go

Bismillah! No - we will not let you go - let him go

Bismillah! We will not let you go - let him go

Bismillah! We will not let you go - let me go

Will not let you go - let me go (never)

Never let you go - let me go

Never let me go - ooo

No, no, no, no, no, no, no -


Oh mama mia, mama mia, mama mia let me go

Beelzebub has a devil put aside for me

for me

for me



So you think you can stone me and spit in my eye

So you think you can love me and leave me to die

Oh baby - can't do this to me baby

Just gotta get out - just gotta get right outta here



Ooh yeah, ooh yeah

Nothing really matters

Anyone can see

Nothing really matters - nothing really matters to me


Anyway the wind blows...



これは本当の出来事か?

それともただの幻なのか?

まるで地面を滑り落ちていくようだ

このリアリティからは逃れようがない


目を開けて

空を見上げればわかる

哀れな僕がいる

同情なんかいらない

自由気ままに生きてきたんだから

いいこともあれば悪いこともある

それでも風は吹くのだから

たいしたことじゃないさ

僕は気にしない



母さん

僕、人を殺してしまった

あいつの頭に銃を突きつけて

引き金を引いたら

死んでしまったんだ


母さん

人生はまだ始まったばかりなのに

僕はもうすべてをダメにしてしまった


ああ母さん

母さんを悲しませるつもりなんか

なかったんだ

もし明日の今頃になって

僕が戻ってこなかったとしても

今のままでいてほしい

何事もなかったかのように


もう遅すぎるんだ

僕の番がきてしまった

体中に震えが走り

痛みに苛まれ続けている


さようならみなさん

僕はもう行かなくては

みんなの元を離れて

真実と向かい合わなければ


ああ母さん

僕は死にたくないよ

こんなことなら

いっそ生まれてこなければよかったと

思うことさえあるんだ



男の影が小さく映る

まるで道化者のスカラムーシュだ

おどけたダンスを踊るがいい


雷鳴と稲妻

僕は恐れおののく

ガリレオ

ガリレオ

ガリレオ フィガロ

高貴なる人よ


なのに僕はなんて哀れでちっぽけだ

誰からも愛されやしない


〜彼は貧しい生まれの哀れな少年

この怪異から救ってやろう


のらりくらりと生きてきただけ

だからこのまま見逃して


「神かけてダメだ お前を逃がさない」

〜彼を逃がしてやれ

「神かけて逃がしはしない」

〜彼を逃がしてやれ

「神かけて逃がすものか」

〜彼を逃がしてやれ

「いや、逃がさない」

僕を助けて

「絶対にダメだ」

助けて

ダメだダメだダメだ、、、


ああ母さん、僕を助けて

魔王ベルゼブブが悪魔を僕に使わせた

この僕に

悪魔を



それじゃ君は

僕に石を投げつけ

顔につばを吐きかけようというのか


それじゃ君は

僕を愛することも

見殺しにすることもできるというの


ああ 君がそんな仕打ちをするなんて

すぐに逃げ出さなくては

今すぐここから逃げ出さなくては



ああ…

たいした意味なんてないんだ

誰にでもわかることだ

たいしたことじゃない

僕はなんとも思っていない


それでも風は吹くのだから…