『裏を打つ』



小学生のとき

教室の後ろの壁に

書道の時間に書いたものを

貼り出されたこと

一度はあったはず。


あれって

書いて

墨が乾き

紙がくしゃって

よれたままでしたよね。


硬い紙なら

そうはならないけれども

書道用の半紙であれば

ほぼそうなりましたよね。



では

作品として

お軸(掛け軸)や

フレームなどに仕上げるとき

なんで

あんなにも

ぴんって

なっているのかというと

「裏打ち」っていう

作業が

なされているのです。






水で本紙(書いた作品)に

霧吹きで霧を吹いて

しっかり濡らして

皺をとります。


墨は乾くと水に浸しても

流れることはまずありません。


乾きかけてきたところに

糊を付けながら

裏側に少し厚い目の紙に

貼りつけながら

本紙を伸ばして

作品として仕上げます。



裏打ち完成後

フレームインしたもの!




ちいさな作品は

わたしも

その作業までしますが


半紙より大きなものや

大事なものは

やはり専門の職人さんに

お任せします。


例えば

ケント紙などの腰のある

洋紙や

色紙や

画仙紙を貼りつけた

葉書などは

この作業には及ばず

そのまま墨が乾くのを待つのみ。





ちなみに↑この作品は

本紙のみならず

布にも

(バックにつかった緑のステッチのもの)

施されています。




意外と

手は掛かっているのですよ。



書いた紙に

裏を打つことで

急に

表情が一転する

大事な作業を経て

作品として

仕上がってゆくのです。


「感じる書」アーティスト 石川呼穹



これは裏打つ前のもの。