「シワ取り治療」といえば、かつてはフェイスリフト手術が主流となっていました。
わたしもフェイスリフト手術を数多く手がけてきましたが、最近ではより安全かつ効果が期待できる美肌レーザーが中心となっています。
このように美容外科・美容皮膚科の世界では切る治療から切らずに治る!
治療への移行が急激に進んでいますが、最近では単に切らずに治る!
治療から、その後のケアやタルミの解消、シミ、ソバカス、クスミ、アザの改善まで含めた総合的な治療に注目が集まっています。
つまりシワを取るだけでなく、総合的な若返り治療としてレーザー機器の利用が広まっているのです。
まずは、もう知らない方が少なくなっている美肌レーザーについて説明しましょう。
美肌レーザーは他の医療レーザーと違って、非常に広い範囲の波長を持っています。
以下に、代表的な医療レーザーの固有波長を掲示します。
・ダイレーザー 585ナノメーター
・ルビーレーザー 694ナノメーター
・ダイオードレーザー 810ナノメーター・ヤグレーザー 1064ナノメーター
美肌レーザーは、これらの波長をすべてカバーできる515?1200ナノメーターの範囲の波長を持った光を照射することができます。
そのため、シワを取るだけでなく、タルミも解消し、シミやソバカス、クスミ、アザを改善し、開いた毛穴を引き締め、肌質やニキビの改善など、若返り治療で望まれるほとんどの効果を同時にもたらすことができるのです。
これ以外でも美肌レーザーには、いくつかのメリットがあります。
まず、治療中の痛みがほとんどありません。
しかも、治療時間も短く、一回当たりの照射面積がひろいので、顔全体の治療でも二十分ほどで終了します。
治療後の色素沈着やはん痕などの心配もなく、ガーゼを当てる必要もありませんので、翌日から日常生活に復帰できます。
美肌レーザーは、このように大変すぐれた若返り治療器ですが、シワやアザといった個別の症状については、専用の医療レーザーのほうが大きな効果を得ることができます。
そのため、シワ取り治療では最初に美肌レーザー治療を数回行って、さらに残ったシワについては、一人ひとりの肌質や希望に最適な医療レーザーを組み合わせて治療することもあるのです。
もちろん、最初からシワ取り専用の医療レーザーで治療することもあるのですが、シワができるということは皮膚の老化が進んでいることの証明でもあります。
老化が進んだ皮膚は、シワだけでなくシミや毛穴の開きといったトラブルを併発されていることが多いため、美肌レーザーをファースト・チョイス(最初に選択)するわけです。