あるセミの話。 | 劇団カラフル 公式ブログ

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下関市立大学・梅光学院大学合同演劇部「劇団カラフル」公式ブログ

深夜にこんばんは。つぼッチです。

間違えました、坪根氏です。

 

最近暑い日が続いていますね。

でも、僕は夏が好きです。

夏って、冬と違って

動植物が生き生きしてるんです。

だから、僕は夏が好きです。

 

夏と言えばセミ。

毎日元気よく鳴いてます。

先日、私が歩いているとすぐそばで

ジジジ、ジジジ、と聞こえました。

 

いつものセミの声。

だけどどこか違う、

とぎれとぎれの声。

音の方向を見ると、

セミが道にひっくり返ってました。

 

たまに道でひっくり返ってて、

近づくと一気に飛んでいくセミがいますよね。

僕もよく驚かされます。

今回もそのパターンか、

君には騙されないぞ、

 

、、、、と思ったけどどこか違う。

 

そのセミは明らかに弱ってました。

羽根をたまに、

パタパタとばたつかせるのですが、

それは弱々しくて

とても自分でひっくり返ったり

起き上がったりできない。

 

見てて悲しくなった僕は、

さっとつかんでひっくり返してあげました。

 

でも、今度は飛び立てない。

 

最後の力を振り絞ったのか、

ジジッっというと、

5センチくらい飛んで、

まるで重力に負けたように地面に落下。

 

頑張れ、頑張れ、

心の底から願ってみてました。

 

でも、そこで力尽きたのか、

そのあとはもう、

足を動かすくらい。

僕は、用事もあって、

名残惜しそうにその場を後にしました。

 

用事を済ませて

一時間後にその場所を通ると、

そのセミは静かに息を引き取っていました。

もう、どんなに近づいても、

応答はありません。

 

少し経つと、一匹のアリが。

セミのもとへ。

やがて、複数のアリが。

次から次へ。そのセミに集まってくる。

 

おそらく、このセミの最期の仕事は、

このアリたちのご飯になること。

 

僕はその時、

住宅街の片隅で、

一つの命が終わり、

次の命へとつなぐ自然の刹那を学びました。

なんだか、はかないような。

 

そんな僕が、演出を務める舞台、熱海殺人事件。

ぜひ、ご覧ください。

 

2019年8月28日(水)

劇団カラフル特別公演

「熱海殺人事件」

山口県下関市

生涯学習プラザ 風のホール

開場 18:00 開演 18:30

入場無料、前売り券なし