エコバッグの代わりに、風呂敷を持ち歩くといいよという記事を読んで風呂敷を持ち歩いているんですが、なかなかうまく使えないので風呂敷マスターになりたいです。
こんにちは。ピカソプロジェクトの脇田真紀子です。
前回は、
「エデュケーターの役割は、こどもたちの中から考えていることとか表現を引き出すお手伝い・きっかけ作りをすること。それがエデュケーターの役割で、ピカソプロジェクトがやっている表現力を引き出す方法だ』というお話をさせていただきました。
この音声を撮っている日の数日前に、
本当に久しぶりに、私の担当している教室を開催しました。
「あー、これがエデュケーター(の役割)なんだなぁ」とおもったエピソードがあるので、
それをお話ししようかなと思います。
今回のテーマは「四天王寺立像」
みんなで、多聞天とか増長天とか、仏像の持っている武器・・・グッズ(?)を見たり、
表情を見たり、鎧を見たり、
四天王たちが鬼を踏んでいるんですけれども、その鬼の表情を見たり。
もうすでに表現されているものから何を感じるのかっていうのを一番最初にやるんですね。
そのあとに、じゃあ、君たちなら何の神様になる?っていう話をして、
今、それぞれが、自分の好きな神様になる絵を等身大で書いています。
「おしゃれの神様」だったりとか「お金の神様」だったりとか「音楽の神様」だったりとか
色んな神様が出てきているんですけれども、
3年生の男の子は「3時の神様」という神様に決めたんですよね。
その理由が「おやつの時間だから」っていうすごくかわいい時間なんです。
だから、ポーズも3時のポーズなんですよ。時計の3時。
で、周りにアイスクリームとか、いっぱいのお菓子を描きたかったんです。
もともと彼は、「上手に描きたい」「失敗したくない」という欲求が強い子なので、
お菓子をいっぱい描くとなって、自分が(上手に)描けるお菓子がアイスクリームだけだったんですよね。
あと、お菓子・・・何を書いていいかわからないと言って、止まってしまったんですね。
なので、「好きなお菓子なあに?」って聞いたんです。
答えが出てこなかったので、私は「先生はポテトチップスも好きだし、チョコチップクッキーも好きだし。でもやっぱりおせんべいかなー」みたいな話を横でしていて。
そしたら彼が「僕はドーナツとプリンが好きだよ」って答えてくれたんですね。
まずそこで、「彼の中から引っ張り出せたな、フフフ」と思いました。
次に彼が「ドーナツを描きたい」となったんですけれど、
それもかけなかったんですね。
なので
私 「ドーナツってどんな形してたっけ?」
男子 「丸い」
私 「じゃあ、丸を描いてみようか」
男子 描く
私 「描けたね。じゃあ、ドーナツって、ほかどんな形してる?」
男子 「中に穴が開いている」
私 「じゃあ、中に穴を描いてみようか」
そしたら、二重丸の形ができて。
男子 「ドーナツの形ができた。でもまだ足りない」
私 「何が足りないの?」
男子 「チョコがかかってない。」
私 「じゃあ、チョコかけよう」
(男子は、オールドファッションにチョコがかかったのを思いついたみたいです)
で、やっとクレヨンをもって、チョコの部分を塗って。
(私は知らないんですけれども「いちごのチョコ」がかかったドーナツもあるらしい)
本当は、普通のチョコのかかっているドーナツとイチゴのチョコのかかっているドーナツって別々のもので、一つのものの上に2つのチョコがかかっているっていうのはないそうなんですね。
そしたら彼は、「片方は普通のチョコ。もう片方はイチゴのチョコをかけることにする」といって
2つの味を楽しめるドーナツを描いてくれました。
なんかすごくうれしそうで、「本当にドーナツが好きなんだなぁ」とも思いました。
私は全然、手を出していないんですね、彼の作品には。
でも、ドーナツもかけたし、自分でね。
すごくそれで満足をしてくれました。
エデュケーターとして「中から引っ張り出すこと」っていうのを喋ったんですけれども、
自分で実際どうやってるのかなぁって思ってたんです。
「え?それってどういうこと?」とか「どんな形してる?」とか、そういうことをしながら
こどもとの会話をいっぱいすることで、こどもの中から引き出すスタイルなんだなぁと思いました。
「こどもの中から引き出すってどういうこと?」とか「全然イメージわかないよ」という方もいらっしゃるかなぁと思って、
このお話をさせていただこうかなと思いました。
もう、このエピソードの中で、エデュケーター講座の答えを全部言っているくらいの感じなんですけれども、またそのお話はゆっくりさせていただきますね。
この「引き出し方」は人それぞれいっぱいあると思うんですけれども、
私はピカソプロジェクトのベーシックなノウハウにのっとってやっています。
そのノウハウがどんなものかわかれば全然難しくないし、
多分、もう、すぐにできると思います。
ということで、今日もありがとうございました。