アマプラに入って超話題の「来る」です。この映画と言えば、広島市内の某映画館でお正月映画になってたので、普通ホラー映画をなかなかお正月映画にしないじゃないですか、で、そこの部長さんに「よくお正月映画にしましたねー」と言ったら「いやー、人が入らなくてw」って。で、観て「確かにこれ正月から映画館で観んわ」w
いやしかし、映画としては非常に面白いです。B級エンターテイメントホラーとしては一級品です。原作と比べて云々はあるみたいですが、映画の尺で原作忠実は無理ですし、私は原作読んでないので何とも。考えてみたらよくわからない点もあるんですけど、映画としては全然OKです。
ゴリゴリのホラーというよりもその「来る」モノによって人間の裏側が炙り出されると言うえげつない映画でもありまして、登場人物みんなそれぞれ何かあるんですよ、そりゃまあ人間なんで当然なんですけども、例えば妻夫木君演ずる田原秀樹は、一見明るくて子煩悩で側から見たら物凄く良いパパに見えますが、実は自分本位で面倒な事は全部妻に押し付け、自分は良いカッコして矢鱈と子煩悩アピールしたブログ更新とパパ友会だけに熱心な外面が良いだけの人だったり、黒木華ちゃん演ずる田原の妻の香奈も一生懸命やってるんですが、田原が亡くなり一人で仕事に子育てにと振り回され疲れ果て、遂にネグレクトで毒親だった自分の母親に近づいて行ってしまったり、ここで香奈の葛藤があってシンドイ所です。こんな夫婦、リアルにいそうです。でもまあ、この２人は最終的には自分の子供である知紗を命がけで守ろうとして壮絶な死を遂げます。
この香奈の葛藤する姿は「ババドック」を思い出す感じですかね、その悪い「もの」が人間のネガティブな感情に引き寄せられて来ると言うのは古今東西変わらない認識ですね。
その友達とか周りも地味に何となく実は嫌なヤツが固まってるんですよ、職場の同僚とかも。その悪意がチョコチョコ透けて見える、リアルにありそうで嫌〜〜な感じです。で、ここへフリーライターの野崎（岡田准一）や、田原の友人の民俗学者の津田（青木崇高）、野崎の彼女の霊媒師比嘉真琴（小松菜奈）、その姉で最強霊媒師の比嘉琴子（松たか子）、実はかなりの実力者であるタレント霊媒師逢坂セツ子（柴田理恵）などか絡んで来ます。
子供好きなのに子供を持てない真琴、その真琴の知紗に対する想い、失うのが怖くて何も持ちたくない野崎、琴子も真琴に対しての複雑な想いがあったり、これまた良い人そうで実は最低なクズメンだった津田、色々交錯しながら話は進みます。原作では「ぼぎわん」と名前が着いていますが、映画では名無しの正体不明、「ぼぎわん」は「ブギーマン」から来てるとかで要するに「子取り鬼」みたいなもんですが、そもそも田原が何で狙われる様になったかがはっきり映画の中では示されてないんですね。それと「ちがつり」という謎の言葉、これも説明はありません、どうやら「Trick or Treat」から来てるらしいですが。でも映画観てる最中はあんまり気にならないんですよ、後でよく考えて見たら「あれ？何で？」となる。そこで気になる貴方は原作を買って読もう！（私も未読だけど）
一見子供好きそうに見えないけど実は物凄く子供好きの真琴ちゃん。
そして、満を持して政府や警察庁にも繋がりを持つ最強霊媒師比嘉琴子の登場。
「明後日には別件が入ってるので、明日中に一気に方を付ける」と曰い、ここから盛り上がる所です。マンションの住民を「ガス漏れ」と言って退去させ、大掛かりな一台除霊祭りの始まりです、何となく「シン・ゴジラ」的な高揚感があります。
「来るよ。」
あの巫女さんたちはJKだと思うけど、こんな場所に呼ばれると言う事はやはりスーパーJKみたいな子たちなんだろうか？だって生きるか死ぬかわかんないのに何も知らない普通のJK呼びませんわなあ。でもって誰が良いって柴田理恵が素晴らしいよ、カッコいいのよ、流石ですね。
除霊は成功するのか！？野崎、真琴、琴子、セツ子、そして知紗の運命や如何に！？
でも一番凄いのはどこまで行ってもオムライスでブレない知紗ちゃんかも知れない。
†††中島哲也監督作品
野崎和浩：岡田准一
田原秀樹：妻夫木聡
田原香奈：黒木華
比嘉真琴：小松菜奈
比嘉琴子：松たか子
津田大吾：青木大吾
逢坂セツ子：柴田理恵
スーパーの店長：伊集院光
香奈の母親：蜷川みほ
高梨重明：仲野太賀
†††2018年 日本
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