知りすぎた少女 | 毎日がメメント・モリ

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マリオ・バーヴァに戻りまーす。「血みどろの入江」にしようかと思ったんですが「知りすぎた少女」に行きますねー。これも凄く好きな作品です。何よりモノクロの映像が美しい、センスが良い!!ジャッロ映画の原点と言われる作品ですが、その後の多々のジャッロ映画から考えると衝撃的な絵面が無いからか評価の低い面もある様です、だけどそれは勿体無い話!!

 

 

ストーリーは、アメリカからローマに住む叔母に会いに来たノーラが空港で隣り合わせた男から貰ったタバコが実はマリファナで、おまけに殺人事件を目撃してしまい巻き込まれると言うのが大まかな内容です。しかし他に目撃者がいなく、事件が起きた証拠も何も残されていなかったので、夢でも見たんじゃ無いかとまともに受けてもらえません。ノーラは空港で知り合った医師マルチェロの助けを借りて事件を調べ始めます。

 

 

まあ、割と早い段階で「あ、この人が犯人かな」ってのは何となくわかっちゃうんですけども、それよりも経過を楽しむのがこのテの映画の醍醐味で、ノーラのちょっとばかりコメディエンヌ的なキャラクターもあり、ラストのどんでん返しなどやはりアルジェントへの影響は大きい感じを受けました。

 

 

どうです、この構図の切り取りのセンスの良さ!また先ほども書きましたけど、主人公のノーラも相手役のマルチェロもキャラクターが重く無いんですよ。この辺りも「サスペリア2」のマークとジャンナを思い出す感じです。結果全体的にシリアスに重くなり過ぎないこの絶妙なメランジェもまたジャッロの魅力ではないでしょうかね。もちろんサスペンスの緊張感、ホラーの怪奇と恐怖、幻想、不気味さ、衝撃、またこの映画には余りありませんが残酷もまたジャッロの魅力に間違い無いのは言うまでもありません。「呪いの館」「血塗られた墓標」「処刑男爵」などの怪奇映画はもちろん、この「知りすぎた少女」も必見のジャッロ映画に間違いありません。

 

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マリオ・バーヴァ監督作品

 

ノーラ・ディヴィス:レティシア・ロマン

マルチェロ・バッシ:ジョン・サクソン

ラウラ・トッラーニ:ヴァレンティナ・コルテーゼ

ランディーニ:ダンテ・ディ・パオロ


†††1963年 イタリア
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