ナイト・トーキョー・デイ | 毎日がメメント・モリ

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はーいっ!本当はバーヴァの「血みどろの入江」でもやろうかと思ったんですがあんまりバーヴァばっかり続いてもと思って間にちょっと入れて見ました。(結局やる)私は大概の一般に評価の低い映画でも割と楽しく観てしまう方なんですが、流石にこれは頂けなかったと言う珍しい一本。多分スペインの名前が出てたんで入れたんだと思うんだけど、監督はコイシェさんですよ?そんなどこの誰かわかんない様な監督では無いのに、やはり外国人監督による日本が舞台の映画は地雷なのか、そう考えたら地雷を踏まなかったリドリー・スコットは凄い。

 

いきなり企業接待で女体盛りとか出て来て面食らうんですが、こんなのやらねえだろ、いくら外国人相手でも。大体、寿司が温もっちゃうよ、アカンですやろ、コメディじゃないんだから。

 

 

と、まあいきなり不安になる様なシーンですが、ご安心下さい、その不安は的中です。多分、私が思うに最大の失敗は菊池凛子の相手役のセルジ・ロペスがどうみてもただの弛んだ剛毛のおっさんで、うら若き日本人女性が2人も命賭ける程の魅力が微塵も無いってとこなんじゃ無いでしょうかね。この人も「パンズ・ラビリンス」のビダル大尉は非常に良かったと思います。いや、たとえただのおっさんでもストーリー内で魅力的に見えてくると言う映画マジックもあるんですけど、この場合はそれが全く機能していません。

 

 

 それによって、菊池凛子の「昼間は築地の魚市場で働きながら裏では殺し屋をやっている」と言う結構なトンデモ設定に全く説得力が無くなってしまってるんですね〜。トンデモ設定でも良いんですよ、それが持ち堪えるだけのファンタジーが映画にあれば。しかしそれが全く無い、辛い。結果妙にマニアックなエロシーンだけが強調されてしまって「なんじゃこりゃ勘違い映画」に成り下がってしまいました。調子こいて自分だけ温々スペインに帰って結婚して子供作ってんじゃねーぞ、コラ。

 

 

 

しかも何で最初にダビ(セルジ・ロペス)を殺してくれとリュウ(菊池凛子)に頼んだクセに石田はリュウしか殺さないんですか?ダビを殺したかったんじゃないの?リュウとダビは抱き合ってたのにね、意味わかんないね。一時期流行った雰囲気だけの携帯小説みたいですね、ないわ〜チーン

 

映画としてのファンタジーが全く成立してなくて現実の部分まで中途半端になってしまった相当残念な映画でした。これでフランス映画高等技術委員会賞受賞ってどう言う賞なんだと思うけどカンヌもどうなんですか。

 

田中泯の無駄遣いよ。

 

 

 

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イザベル・コイシェ監督作品

 

リュウ:菊池凛子

ダビ:セルジ・ロペス

録音技師:田中泯

長良:中原丈雄

石田:榊秀雄

ミドリ:あびる優

 

†††2009年 スペイン
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