世界のお母ちゃん | 猫羊舎の日々ブログ

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お気に入りのある暮らしを大切にしたい50代。可愛いカフェや雑貨が好き。
猫羊舎主宰
セラピスト/キャリアコンサルタント。

星のことば月のこども冬至号の"星とお話の窓"では、宮沢賢治さんを紹介しました。

"猫の事務所"というお話があります。
かまどの中で寝るかま猫は、いつもススで薄汚れているので、同じ事務所の同僚である3匹の猫から嫌われいじめられていました。
しかし、事務長はかま猫の仕事ぶりに一目置いており、支えになってくれていました。
ところが、かま猫が体調を崩して休んでいる間に、他の猫たちからデマを吹き込まれ、それを信じた事務長は、かま猫に仕事を与えなくなります。
そして、かま猫はシクシク泣くのです。
この様子をみていた獅子は言いました。
『お前たちは何をしているか。
やめてしまえ。解散を命じる』
そしてお話の最後は語り手のこんな言葉で結ばれるのです。
『ぼくは半分獅子に同感です』

このお話に出てくる獅子、兄弟ゲンカにカツを入れるお母ちゃんのようだと思うのです。
だってお兄ちゃんが…
だってアイツがこれをしたから…
そっちが先にやったから…
取った取られた、蹴った蹴られたの取っ組み合い。
双方の言い分をわあわあ主張するけれど、お母ちゃんは一括します。
『あーもうっ!なんでもいいから!とにかくケンカはやめなさい!』

でも…、だけど…。
悔しい、くすぶる気持ちを抱えながら、お母ちゃんに叱られて、ひとまずケンカはおさまることに。

これって、ケンカの本質的な解決には全然なっていないんだけど…
立場的な強さによる押さえつけなのかもしれないけど…

でも大人の勝手な都合の争いごとに、関係のないこどもや人が巻き込まれていくのは嫌。
"世界のお母ちゃん"はいったい誰なら、何ならなり得るんだろう?と考えてしまいます。
『理由なんてどうだっていい!
とにかくあんたたち、今すぐケンカはやめなさい!解散!』
そんな獅子のようなお母ちゃん。

2024年を迎えようとしています。世界に、みんなに、希望と喜びの種がたくさん育まれる一年となりますように。