バイバイ ペーチャ | 寂しがりの強がり

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これは、passionを追い求める一人の成年の物語である・・・なんちゃって!!!

「桜の園」作品後記

体重を元に戻すべく、肉体練成を開始しました。

どうも、モヤシこと吉田です。

演劇集団アクト青山、新人公演「桜の園」及び月の宴「ヘッダ・ガーブレル」。お陰様で全ステージ無事に終える事が出来ました。

お忙しい中、あいにくの天気の中お越し下さいました皆様。本当にありがとう御座います。
多くの方に観て頂き、とても嬉しく思うと同時に、感謝でいっぱいであります。


しかし、感謝ばかりでは申し訳ないので作品後記を綴らせて頂きます。

今回、ペーチャと言う役をいただいた際に、ペーチャに思った事ですが「?」でした。
何か小難しい事を言っていて、「よくわから無い人物だなぁ」と思っていました。なので、形にする迄は本当に訳も分からず、ペーチャが大っ嫌いでした。

ですが、小西さんの駄目出しを一つづつ丁寧に紐解いていき、作品の中でのペーチャの在り方を吟味して行きました。
例えるなら、巨大な無地のパズルを一つ一つはめていく様な感覚でした。なので、輪郭を捉えるまでに半年の稽古の内、5ヶ月を要しました。(何時もそうなのですが、僕は役を捉えるまでにかなりの時間を要します。なので、アクト以外の劇団に居たら、なんの役にも立た無いボンクラ扱いを受けていた事でしょう。)

ですが、残り1ヶ月になる頃には、ペーチャとしての視野と言いますか、考え方と言いますか、上手くは言え無いのですが、今迄の5ヶ月は何だったんだと言う位、急激に色んなピースがはまり始め、気付いた時には大きな一枚の絵が出来上がっていました。

あれ程までに嫌っていたペーチャが、可愛らしい役として、僕にとって愛おしい役として、いつの間にか隣に立っていたのですから、とても嬉しく手応えを感じたのを覚えています。

僕がアクトに入って3年目。実は僕にとって初めての新人公演でした。
なので稽古期間中、舞台がどんどん形に成り、ペーチャが見えて来ると、早くこれを沢山の人に見てもらいたい。早く「桜の園」の世界に触れて欲しい。と、強く思うように成っていました。

そして仕込みの日。舞台を作り、音響・照明が調整され、後はこの上で生きるだけ。そう思うと、急に感動が押し寄せて来ました。
何故なら、ペーチャ達の生きる世界が、そこにある事が、とても嬉しくて、とても贅沢で、とても有り難い事だと思えたからです。

そんな事を思うのも束の間。あっという間に初日が終わり、千秋楽を迎え、作品後記を書いております。


とても不思議な感覚です。


少し前には一緒に居るのが当たり前の存在が、ごっそり居なくなっているんです。


まぁ、当たり前ですよね。いつもの事です。


劇場を使用させて頂きましたAPOCシアターの皆様。スタッフの宇土さん、ミコちゃん。出演者にも関わらず受付もして頂きました岩崎さん、みさきさん、渋谷さん。

皆様のお陰様で、何も心配せず。舞台に集中する事が出来ました。
これ程至れり尽くせりな環境で、公演させて頂き本当にありがとう御座いました。

そして、今回僕をペーチャに配役して頂きました小西さん。手の掛かる僕に、長らくお付き合い頂き有難うございました。