ウツワノデカサ | delo camping now !!

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趣味のキャンプと日々の事

えぇ、昔はバカにしていました。


仁義??何それ。かっこ悪いなあ。なんか、ダサい、と思ってました。鋭く切り抜き、智謀にたけ、戦略と戦術を使い分け、剛腕に上り詰める様こそ、かっこいいと思っていました。


敗北は、辛い。負けた君主は、追われた山で火を焚きながら、何度も負けても、ただ「義」を説く。負けても負けても、義と国の復興を説くその様に打たれ、人はまたその君主についていく。智謀や剛腕に長けていなくても、彼にはヴィジョンがあった。


劉備と曹操の話だ。


この歳になって漸く、上っ面ではなく、腹落ちした気がするヴィジョンを持つという事の大切さ。何よりヴィジョンや理念が大事だという事。劉備の持っていた信念は、現代でいうところの、企業の理念であり、ヴィジョンなのだったと思う。人が集まり、そこを、智略で統率するのではなく、ヴィジョンを共有することで、一体感を作る。


モノの溢れるこの時代に、誰にどんな価値を提供して、QOLを上げていくか。時代毎のイデオロギーなどに関係なく、人にフォーカスする根本的探求心。別に会社とか組織でのそれに限らず、家族とか、好きな事とか、生き方とか、明確になりたい像を見通すチカラ。集合単位ごとのものの見方、パースペクティブを得ようとする謙虚さ。






例えば、キャンプ場をちゃんと商いとして経営したいと思ったとしよう。まず、サイトの区画割や、トイレやシャワーの装備、管理棟で何を販売しようか、ファミリー用のイベントはどうしようとか、SNSにたくさん上げてもらえるようにはどうするか、価格はどれくらいにして、これくらいの売り上げ目標をたてよう、とか、色々考えるかもしれない。


しかし、これらは、全て戦術の域内、手段の話だ。


最初に考える必要があるのは、まず、ビジョンや目的から始めよう、という事だと思う。本当に長く、業として、キャンプ場を経営して行くなら、まず、どのようなお客さんに来てもらいたいか、どのようにスタッフに働いてもらいたいかをクリアに考えたい。そして、どのような独自の価値を提供するのか。他と一緒の事をやっていて、存続し続けられるのだろうか。ファンを悲しませたくなければ、持続可能であるべきだ。地域のアセットやロケーションは大切な要素だが、それのみに甘えてはいけない。ヴィジョンを成立させ続けるために、戦略的でなければならない。


また、この先何か混乱が起きた時、何か大事な意思決定が必要な時、関係者は最終的にビジョンを拠り所に結び付き、常に同じ軸のベクトルを共有する必要がある。


何か力づくで縛って統制をとるのではなく、ヴィジョンを共有して、共鳴して、集まった人たち、という合意の意識は、組織であれ、小さな趣味のコミュニティであれ、最小のグループ(家族など)であれ、とても重要でサスティナブルだ。





ちょっと熱くなってしまったが。


勝手な偏見で、子供の頃から、僕は劉備玄徳という人物はなんか、ずっとカッコ悪いなーと思っていて、魅力がよくわからなかったのだけど、彼のかっこよさが、ようやくわかり始めたのは、近年のマイレボリューションなのである。


彼は太古の昔から、人にのみフォーカスしていたのだ。現代において、顧客であれ、従業員であれ、他のステークホルダーであれ、人を見ないあらゆる「業」はいずれ淘汰されていくと思う。