契約書の作成・チェックをする際に、強行法規に違反する契約は効力がない、ということを考える必要があります。


 民法でも、別の法律でも、任意規定と強行法規があります。


 弁理士の先生方が契約書の作成・チェックをする場合には、ライセンス契約など、事業者間の契約が多いのであまり関係がないと思いますが、弁護士にとって、契約がらみの強行法規で大事なのは、消費者契約法です。


 事業者と消費者の間の契約ということになると、消費者契約法の検討なくして契約書の作成・チェックはできません。


 消費者契約法は全て強行法規です。なぜこれが強行法規かというと、事業者と消費者の間の契約は普通は事業者が作りますし、消費者には契約書をチェックする能力はないのが普通です。そのため、事業者と消費者の間の契約には消費者に不利なものが含まれている場合があり、それを是正するための法律だからです。


 これが任意規定で、契約で法律と異なる定めができる、としたのでは、消費者契約法の意味がありません。


 消費者契約法といってもあまりピンとこないかもしれません。最近でいうと、敷引きについての、平成23年3月と7月ころの最高裁判例2件が、消費者契約法がらみの判例です。敷引きというのは、関東ではありませんで、関西で行われているもののようです。


 それでもピンとこない、という方だと、何年か前に何件も判決が出た、大学の入学辞退者の、入学金や授業料の返還訴訟というと、おわかりいただけると思います。


 消費者契約法は、比較的新しい法律で、平成12年に公布された法律です。


 自分の大学受験の時は入学を辞退しても納付済みの入学金や授業料を返還してもらおうとか思わなかったのに、なぜ今はそういうことが問題になるのか、と思った方もいらっしゃると思いますが、以前は消費者契約法がなかったからです。


 比較的新しい法律であるため、裁判例をまとめた本とかもあまりなくて、有料の判例検索システムを使って検索するのですが、ばらばらの判例を見ても、それを頭の中で整理するのに時間がかかるし、何かまとまった本がないかなぁと思っていました。


 で、2か月ぐらい前に出版された本があります。坂東俊矢・五條操「事例に見る 消費者契約法における不当条項」(新日本法規)です。


事例にみる 消費者契約法における不当条項


 今日、丸沼書店(水道橋にある法律書・会計書の専門店で、品揃えがよく、新本がなんと10%引きです)で買ってきました。


 この本はとても便利ですね。手元に1冊置いておくと、さっと見て使えます。たぶんこの本はしょっちゅう参照することになります。


ブログランキングに参加しています。よろしければクリックをお願いいたします。

法務・知財 ブログ村 弁理士 ブログ村 弁理士試験 ブログ村
神奈川県 ブログランキング 不動産 ブログランキング ビジネス ブログランキング