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珍しく二日連続投稿。

こんなのは熊本地震以来か。

トランプさん勝利の後、日本の夕方以降のマスコミはほおおむね「米国民の既存政治への怒りの結果」などと反省会を開きつつ、お通夜状態(チーン)となりました。H24年末の衆院総選挙を思い出します。
中でも傑作だったのは現地からの報道で、


ニューヨークは雨が降ってきました。

アメリカ国民の心情を表しているようです。



と仏頂面で述べるシーンでしたね。これにはかなり笑いました。
いやいやいやいやいやいや、トランプさんは59,611,678票を獲得してるからね。ヒラリーさんは59,814,018票ですよ。相手方の99.7%に相当する票を得ているわけですから、綺麗に半分です。まぁ言うても「"半数"の国民の心情を・・・」くらいにしとけよ。お前は何の権限があって50.3%側の代弁者になっているんだ。

日本のマスコミはずっと前からそうですが、普段は民意だ国民主権だ民主主義だと喚いている割に、トランプさんを支持する米国民の民意はキチガイ沙汰という洗脳情報をひたすら垂れ流し続けてきました。
これは英国のEU離脱投票の際にも全く同じ事が言えました。EUから離脱したいという英国民の「民意」は、非常識で刹那的で感情的だとレッテルを貼り、ちょっと冷静になれよと英国民を大上段から見下し続けてきました。分かってはいたことですが、お前らが言うところの「民意」など、所詮はその程度だったということです。恥を知れ。
各社の報道はまだ全体的に見ていませんが、期待2:不安8といったところでしょうか。1:9くらいかもしれませんね。

さて、特に不安を煽っているのは移民の立場を主眼とした人権上の問題でしょう。日本のマスコミも「私たちは明日からどうなっちゃうの」と涙目のメキシコ移民や同性愛者らにインタビューをしています。今後、移民に関しては「一度受け入れたら取り返しが付かない」ということを目の当たりにするでしょう。というか、すでに目にしていますね。これが映像としての訴求力です。彼ら彼女らが子供を抱きかかえながら、

「私たちの立場は」「将来が不安だ」と泣いている映像

は、日本の多くのお花畑どもの劣情に訴えかけます。それをマスコミが利用し、安易な世論形成に繋げるという、いつもの手法です。
私だって、すでに他国に入り込んだ移民が不安に思う気持ちには同情していますよ。では一方で、今まで政治的無力感を噛みしめていた米国白人のブルーカラーの人々の不安はどう扱われてきたのか。これは私にだって言えることですが、マスコミは今回の大統領選に至るまで、白人労働者らの惨状に真剣に目を向けたことがあったのか。何かっちゃぁ「差別イクナイ」と言われ続け、それに道徳上の問題で有効な反論ができない土着の白人らに、これほど大きなスポットライトが当たったことがあったでしょうか。
今回の大統領選を移民問題に関して解釈するとすれば、


①他民族との有益な共生を謳いながら結局何も変わらない
(もちろん移民らは現状程度を維持できる)

か、

②他民族との一定程度の訣別を表明し、痛みを受け入れる
(ネイティブな白人労働者は生活を向上させ、移民は涙する)


という選択だったとも言えます。
マスコミどもが世論を主導するように、②を非人道的だ、差別的だ、排外主義だと言うのは簡単です。だからといって、人間の往来の自由を推進し、成功者と敗北者を自己責任として格差を助長するグローバリズムの下では、現実に薬物漬けの自殺まみれになっている「白人・元中間層」の生活が良くなる見通しは全くありません。


・・・あれ? ここって確かアメリカだよな? じゃあオレ達って何なの?

まともな政治参加すらできず、居場所を移民に奪われ、同じ白人の成功者からは「非倫理的」と罵られる、これって一体、なに。


この苦悩の表現は「1% vs 99%」の頃から徐々に出てきていたとはいえ、さすがに移民を何とかしろという部分にまでは踏み込めていませんでした。経済面での改善を叫ぶのはさほど抵抗はありませんが、移民を批判するのは分厚い道徳の壁のこちら側にある議論だからです。それを一言でも口にしようものならレイシストだと罵られるのは目に見えています。
しかし、皆さんにも学校や職場などで経験はありませんか。「あいつちょっとおかしいんじゃないか」という同僚がいても、それを口に出すのは憚られる。かといって日常の仕事の中で嫌な思いをさせられ続けるので困っている。それが、あるきっかけで、実は誰もがそう思っていたことが判るというやつです。
トランプさんは、正に「声なき民衆」の思いを掬い取りました。普通の人は、「あいつは邪魔だ」とハッキリ口に出して言うことはなかなかできません。しかし、実は半分もの人がそう思っていた。異民族、異文化との融合というのは、かくも難しいものなのです。自由の国を標榜するアメリカにしてこれなのだから、日本でこんなものを目指すのは狂気の沙汰以外に言うべき言葉はありません。

移民が多いフロリダでインタビューをすると、ヒラリー支持者は次々に口を開き、トランプ支持者は「(支持する理由を)あなたに話す必要は無い」と下を向く。

このシーンが今回の大統領選の縮図でしょう。

彼ら彼女らは、移民は我々にとって邪魔なんだと、上を向いて堂々と支持する理由を言えないのです。差別廃止のデモは堂々と大手を振ってできますが、移民制限を求めるデモなど実施すれば、石を投げられ、その非道特性を誹られるでしょう。しかも、賛同者がそれを庇うこともできない。なぜなら、同じように石を投げられるからです。

そうなれば、黙っていながら、行動のみで、しかも匿名性を持って権利を行使できる「投票」で自分の意思を表明するしかないでしょう。
では誰に投票すべきか、という問題があり、今までは誰もいなかったのです。街中でのデモすら石を投げられ、全土(いや全世界)から非難される恐れのある主張を引っさげて大統領選に出馬し、しかも党内の協力を取り付け、さらには予備選に勝って、本戦でも勝つなどというのは夢物語もいいところでした。
言うまでもなく、そのプロセスの最大の難所は「予備選勝利」や「本戦勝利」ではありません。そもそも、そんなことを言える大統領候補が出現すること自体でしょう。

今回のトランプ勝利の原動力は、まぁマスコミ各社が言うとおり「怒り」ですね。まぁあいつらはクソですから「一時的な感情で選択を誤ったのでは」とか何とか報道するでしょうが、これが刹那的な怒りでないのは明らかです。むしろ、グズグズのヘドロの中にたまった可燃性ガスみたいなもの(?)で、そのしつこさと年期は筋金入りだと思いますよ。繰り返しますが、そういう本音を代弁する大統領候補が出現すること自体が奇跡だったのだから。

日本のマスコミは(アメリカのは知らん)、今後も異民族・異文化との共生を絶対の善とするスタンスを崩さないでしょう。それが報道機関としての情報戦略にのっとったものであろうと、あるいはおぞましい宗教の域に達している場合であろうと、今回の勝利を「米国民の短慮」とみなし、様々な不安を煽り、批判がましい報道を続けるでしょう。現に今日の新聞では「世界経済のさらなる後退」を懸念する共同通信の記事などが大量に出ています。

この主体性の無さと、あくまでも「開かれた状態」を絶対の善とする報道の垂れ流しを受け続ける日本国民は、手前の頭で考えないと極限までアホになっていきます。まさに愚民化です。 ちなみに私はトランプ支持でも何でもありません。よその国の大統領に支持もへったくれもない。これは「外部環境」であり、それをどう処するかは日本が主体的に決めることです。


日本は主体的にトランプ対策を取れ!!
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