オーバーロード語(以下、「オバロ語」という)については日本語のぱ行の音がどのように変換されるのかという点だけがまだ明らかになっていなかった。
しかし、このたびようやくそれが推測できるようになったので、ここに報告したい。
先に結論を述べると、日本語の「ぱぴぷぺぽ」はオバロ語では「ボベブビバ」になると推定される。次に、その根拠を述べるが、現在劇場公開中の映画『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』のネタバレを含むので、ネタバレを見たくないという方は今すぐにこのページから離れていただきたい。
それでは筆者の推測の根拠を述べる。
映画には新たなオーバーロードのシャムビシェが登場する。これまでの研究によりオーバーロードの名前はそのメインカラーやモチーフを表す日本語をオバロ語に変換したものであることがわかっている。そこで、「シャムビシェ」を日本語に逆変換すると、「こん○き」となる。
逆変換した結果に変換できない文字が1つ含まれているのは、「シャムビシェ」の「ビ」という文字がこれまで実例のない使われ方をされているからだ。
従来「ビ」は必ず後に「リェ」が続き、「ビリェ」で日本語の「れ」を変換したことになっていた。ところが、「シャムビシェ」はこれには該当しない。よって、「シャムビシェ」の「ビ」はこれまで劇中で変換の実例がなかった音が変換されていることになる。このような音は日本語の「ぱぴぷぺぽ」以外にはない。
それでは、オバロ語の「ビ」は日本語の「ぱぴぷぺぽ」のうちのどれを変換したものなのか。一部の例外はあるものの、これまでの研究により日本語の「あいうえお」という母音はオバロ語では「オエウイア」という母音になるという原則が明らかになっている。この原則に従えば、オバロ語の「ビ」は日本語の「ぺ」を変換したものだという結論になる。つまり、「シャムビシェ」は日本語の「こんぺき」を変換したものだということだ。
「こんぺき」とは色の名称の紺碧以外に日本語で意味の通じる言葉はない。紺碧という解釈が正しいかどうか、問題のオーバーロードの特徴を分析して確認してみよう。
シャムビシェは人間と同じ外見をしているので、体のメインカラーが紺碧なのではない。しかし、映画公式サイトのキャストに載っている画像からわかるように、彼は青い石のペンダントを首に掛けているから、紺碧と無縁ではない。さらに、彼の偽名が青い石のラピスラズリに由来があると思われるので、この点でも紺碧と関係がある。
以上のことから、「シャムビシェ」は日本語の「こんぺき」(紺碧)を変換したものだという結論に間違いはないだろう。そして、このことから、冒頭で述べたように日本語の「ぱぴぷぺぽ」はオバロ語では「ボベブビバ」になるという推定が導き出されるのである。