今横でテレビのニュースでappleの利益が過去最高なんて言ってますね。




それはまあ当然かもしれません。


現に新しくappleユーザーとなった自分もいるわけだし、ipadとiphone4と目白押しでしたからね。






さて今日も参考図書をまた読み終わったので、いろいろ書こうと思います。




前回に同じくタイトルが書名です。


著者は、笠谷和比古さんという方で、NHK教育テレビ「人間講座・武士道の思想」という講座が元になっているようです。


江戸時代の藩の組織について、能力主義という観点から論述してあり、最後に「失われた十年」で失われたもの、とか現代の日本と世界の組織、などにも江戸時代からの流れで述べてあります。




武士道、江戸時代の組織と言えば主人への絶対服従、士農工商という厳格な身分制度という停滞感、のようなことをイメージされると思うのですが、それは違うというのです。


武士道においては本当に要請されるのは自律性と個性に基づく「忠義」というものであり、
また江戸時代の藩では悪政を行う藩主に対して家老などが「押込」といって藩主を隠居させるという慣習が行われていて、しかもそれはきちんとした形式を持って、社会的に認められていたと言うのです。


後は実は開国などで近代化が進む前から、幕府、藩の人事には能力主義が取り入れられていたと言います。


実際、ペリーやハリスと条約文書の交渉を行った人物の中には、下級武士やなんと農民や商人出身の人もいたようです。


もちろん、江戸時代の初期には数多くが世襲で、それこそ停滞した厳格な身分組織でした。これをどのように変えていったのか?ということですが、


これは徳川吉宗が行った足高の制などの例ですが、要は外見の厳格な身分制度を維持しつつ、その形をとりながら中身を能力主義に変えていくことで反発を抑えたのです。


これは結構参考になることだと思いました。



また、この本で日本の歴史認識の一般説の逆説として多く使われていたのは「一面的」という言葉。
実際に著者も最後の方で日本の組織の年功序列などについて述べる際に日本人の物事の認識の短絡さについて危惧してました。
メディアが簡潔に伝えようとするとどうしても偏りが出てしまうのでしょうか。意図的な場合もあるでしょう。ある意味「自分がいいたいことを伝える」ということについてくるような気もしますし。
口先で言うのは簡単ですがまあその一面性というか、は気に留めておく必要はあるでしょうね。


それにしてもこの本は歴史書って性格が強いと思ったんですが、まあ本来歴史書がどんなものか知らないんですけど、
やっぱり難しいですね。その藩の組織を見る中でどこかの藩の出陣する時を描いた屏風を参考に先頭から順に解説していくところなんか正直かなりしんどかった(笑)
あとは言い回しも独特ですよね。語尾とか結構まわりくどい。

とか言いながら自分が書いた文を読むとそんな偉そうな事言えないと思えてきますね(-。-;
実は自然な言葉でかつ分かりやすく専門的なことを論ずるのはそれっぽい言葉でそうすることより難しいんじゃないかと思って見たり。



もちろんこのブログで紹介したのは本のごく一部で、これ以外にも多くのことが様々な例を用いて詳しく書かれています。難しいけど驚きもあり面白かった。興味がある方は読んでみてください。

武士道と日本型能力主義 (新潮選書)/笠谷 和比古



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