~キュヒョンside~
体育祭が終わると途端に中間考査の準備が始まる。
3年生はもう受験一色だ。
そんな中、なかなかお祭り気分が抜けない輩がいて、・・多分、隣の親友もそのひとり。
まぁ、本人は必死で隠してるつもりだろうけど。
「チャンミナ、・・機嫌いいね?」
ボソッと言ったら、ピクリと反応。
「べ、べつに?////」
すぐに赤くなるから分かりやすいんだよ!
あ、そっか、今日は木曜日じゃん。
「ふふん、・・もうすぐ楽しい弁当タイムだもんな?」
「う、///うるさいっ!」
あ~、普段すましたヤツをからかうのはむちゃくちゃ楽しい!
前にユノヒョンとはどうなった?って聞いたら、───特になにも、って軽く返されたけど。
それは断じてない!
後夜祭に偶然見てしまった、深々と頭を下げるユノヒョン。
予想通りあの日ユノヒョンとソヨンさんが別れたらしいという噂が、いつもの如く光のような速さで広まった。
応援合戦が終わったばかりだというのに案の定ユノヒョンへのアピール合戦が白熱してバスケ部員も大変だった。
ほぼ毎日部活へ顔をだすユノヒョンについて、いつもの3倍のギャラリー。
うるさいわ、邪魔だわ、ひとこと注意すれば倍になって返ってくるブーイング!
結局ユノヒョンが何とか治めるしかなくて、・・やっぱモテるってのも大変だ。
いつものユノヒョンならそろそろ適当に見繕って彼女をつくっちゃうところだけど、・・今回はなぜかそんな素振りもない。
どうやら振りまくってるらしい。
そんななか、急に火曜日と木曜日だけ外で弁当を食うからと言っては、そそくさと教室から消えるヤツ。
長期休みや土日の部活の時だけ自分で特大おにぎりを作ってくるヤツも普段は親に作ってもらう普通の弁当だ。
でも俺は知っている!
最近、週2日はヤツ手作りの特大おにぎりを持ってきてることを。
そして大きな巾着の形から何となくの数も。
昼飯から帰ってつい漏らした言葉が、────購買のパンも結構美味しいね、とは!
チョコ付いてる、ってコッソリ教えたら真っ赤になってゴシゴシ拭うヤツが可愛くて。
バレバレで漏れ漏れだけど、・・しゃーない、知らんぷりしててやろう。
それにさ、おまえ気づいてる?
よく笑う誰かさんの影響で、・・・変わったよ?おまえ。
人見知りは単なる無愛想で、引っ込み思案は他人に興味がないと思われていたヤツ。
それが最近纏う空気が柔らかくて、よく笑うようになった。
人の話を興味深く聞いて、自分の意見もポツポツと話すようになった。
あの人はかなりコイツのお手本になってんだろうなぁ、って簡単に想像できる。
「おまえ、またユナと夜中まで対戦ゲームやってたんだって?」
「ん?まぁ、・・だってアイツ女じゃないよ!・・すげぇ技だしてくるし。」
はぁ、・・他人との垣根が低くなったのはいいんだけど、なぜかクラスのゲームおたく女子と意気投合しちゃって。
ユナは結構可愛い部類に入るのに、なぜか男に興味がない二次元おたく。
チャンミンのビジュアルにもまるで興味がないようで、あるのはそのゲームの腕前のみ、という。
俺から見ればただの男同士。
・・・だけど、あの人から見たらどうだろう?
なんて、心配してしまう今日この頃。
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漏れ漏れの第三者目線はやっぱり必要ですよね?( ´艸`)
momokoさん《cheering23》前記事コメント欄より♪
──どうしてあの頃は簡単に諦めることができたんだろう?的な、もう止められない2人ですっ(≧∇≦*)