~キュヒョンside~
────ダンッ!
乱暴に置いたカバンの振動がまだ半分眠っている俺の頭に直に響いた。
「チャンミナ~?何だよっ!びっくりするだろーが。」
チラッと見上げたら憮然とした表情のチャンミン。
「キュヒョナ~!・・ユノヒョンってさ。」
「は?」
「案外、・・ちっせぇ男だ!」
「はぁ?」
なに言ってるのかまるで分かんないけど、・・怒ってんだね?
っていうか、こんな教室でユノヒョンのなまえ出しちゃっていいのか?
「昨日はたまたまユナとネットで対戦しだしたら白熱しちゃってさ、・・たまたまメールどころじゃなくて、たまたま既読スルーしただけなのに。」
─────たまたま、じゃねぇだろ。
昨日俺のメールもスルーされた事はおいといて、
ユノヒョンとメールしてる事だって初めて聞いたけど。
「寝たの遅かったし、今朝は遅刻ギリギリまで寝るつもりだったのに、・・。」
握った両手がプルプルしてねぇか?
「朝っぱらから電話してきて、グチグチ、グチグチ、・・しつこいくらいグチグチ、グチグチ。」
なにそれ?
「それ、・・おまえが悪いじゃん。」
ボソッと言ったら、思いきり睨まれた。
あ~、寝不足でご機嫌ななめなのね?
それにしても惚気にしか聞こえないし。
そのまま知らんぷりしてたら、──トイレッ!って吐き捨てるように出ていった。
アイツって動揺するとトイレに行く癖があるな?
なんて考えていたら、廊下の方でざわざわと、その中には女子の嬌声も含まれていて。
────まさか、な?
と思ったら、────そのまさか。
「キュヒョンッ!」
廊下側の開かれた窓から無駄に大声で俺を呼ぶ声。
「・・おはよ~っす。」
あまり行きたくないけど呼ばれたからには無視も出来ない。
なんたってバスケ部のスターだし。
のろのろ近づく俺の腕をグイッと引いて、ムカつくくらい整った顔を耳元に近づけてくる。
それで言った言葉が、
「────ユナ、ってどの子?」とか。
俺の方が無性に恥ずかしくて言葉がでないのに、
「おいっ、てば!」
真剣に急かしてくるヒョン。
周りでは女子達がキャーキャーと騒ぎだしたのに、まるで無関心。
ちょっとそんな簡単に1年生の教室に来られても困るんですけど。
特に有名人なんだから、あなたは。
「あ~~、えっ、・・と。」
困ってキョロキョロする視界の端に、ぼーっと俯いたチャンミンがうつる。
あと1mってとこで、やっと俺の隣の人に気づいたらしい。
「うわっ////!」
クルッと背を向けて逃げようとするのを難なく捕まえたその人。
「な、なんで、ヒョンが?////」
真っ赤になって動揺してる。
「逃げんなよ。」
「ちょっ、///ヒョン、しつこいってば!」
ってか、俺を挟んで会話するのはやめてもらえませんか?
「え~と、チャンミナ?とにかく謝れって、・・な?」
かなりの注目度に早くここから逃れたくて、取りあえず仲裁してみた。
「だろ?何回メールしてもスルーで、電話したらまったく出ず、そのうち留守電にされて、最後には電源切るっつう悪魔だろ?コイツ。」
「そりゃ、スゴいっすね。」
「スゴいもなにもさ、おかげで俺全然寝れなかったんだけど?・・寝る前に必ず声聴かせろ、って言ってんじゃん。」
え~、////と。
今、何気にスゴいこと言ったよな?
それ、俺を挟んで言っちゃっていいわけ?
ここは聞こえないふりすればいいのか?
完全に挙動不審の俺だけど、何がスゴいって、────。
ボッと目尻を桜色に染めたヤツが、くりっと大きな目で視線を左右に泳がせる。
何を言うでもなく俯いたと思ったら、ゆっくりと長い睫毛に縁取られた瞳をその人だけに向けて。
「──────ごめん、ヒョン?」
スーッと廊下から生暖かい風が入った気がした。
──チャンミナ、可愛すぎんだろ?///
いつどこで習得したか聞きたいくらいの上目遣いに、この俺でさえ動揺したくらいだから、
・・・当然、ユノヒョンは固まっちゃってるわけで。
「・・・ヒョン?」
返事を促すように顔を傾けるチャンミン。
なんかヤバそう。
ふわっと無意識に両腕をあげて、一歩前進したのを、
「・・ユ、ユノヒョンッ!」
間を割ってなんとか阻止したナイスな俺。
「へ?」なんて間抜け面のチャンミンと。
「くそっ。」って小さく舌打ちをするユノヒョン。
これから先の俺の役割が見えたような見えないような、複雑な気持ちで大きなため息をついた、───────。
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ゲームに夢中でスマホの電源切っちゃうチャンミン。。。ツボ( ´艸`)
この話は何気にキュヒョンが大活躍してるんですよ!
キュヒョンの役割も分かったところで(←暴走するヒョンを止める役ね^^;)キュヒョン目線でダラダラと漏れ漏れ具合を書きたいところですが、止まらなくなるのでこれでやめておきますσ(^_^;
momokoさん《cheering24》前記事コメント欄より♪
momokoさんとは大して打ち合わせしてるわけではないのに、これだけシチュエーションやフレーズがシンクロするのって凄いなぁ、と。
よほどmomokoさんが私の話を読みこんでくれて、それに合わせて書いてくださってるんだなぁ、と(小説初挑戦にも関わらず・・)ビックリするし、尊敬するし、嬉しくて恥ずかしくなっちゃいます(//∇//)
cheeringの2人も日常に戻りましたよ♪