バンコクの肺…川を渡ってジャングルツアーのようなサイクリング | ちょっとそこまで☆増刊号

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週末のプレシジョンスポーツ&ドマーネ4.5親父★fairleader

 

バンコクの都心で、自転車は乗りにくいという話を以前書いた。その状況はなかなか変わらないと思うが、なんと都心からほんの30分もかからないところに、緑たっぷりのサイクリングスポットがあった。今回は2016年8月中旬、チャオプラヤー川を渡ったバーンガジャオで、レンタサイクルに乗って、ジャングル横をぶらぶらする話。

 

バンコクに来るのも4回目だが、川を渡った向こう側のことは全く知らなかった。きっかけはこの本、歩くバンコク。毎年買っているが、2016-2017年版はタイへ行く直前に出版された。そこに1ページ、紹介されていたのだ。

 

「バンコクから船で2分のオアシスへ

 バーンガジャオでサイクリング!」

 

おお、自然の中で自転車に乗れるぞ。しかもこんな近くで!

 

場所は、クロトゥーイ船着場から渡し船で対岸へ渡ったところ。船着場は、プロンポン駅からタクシーで、道が空いていれば10数分の距離だ。

 

私は、シリキット・コンベンションセンター駅からモタサイ(バイクタクシー)で行った。ソイの中をゆっくり走るのではなく、大通りを爆走することになるので、スリル満点。車の間を縫うようにしてブイブイ走って、着いた時には、グリップを握っていた手がこわばって、テーマパークのアトラクションから降りた気分だった。

 

 

 

お寺の門の向こうがクロトゥーイ船着場。タクシーで行くとこのあたりで降りることになる。モタサイは、門をくぐって船着場のすぐ近くまで行ってくれた。周辺には店やコンビニもあり、タクシーも客待ちしているので、帰りも不自由はしないと思う。

 

 

はい、やってきましたクロトゥーイ船着場。

 

・・・渋い。渋すぎる。チケット売場などどこにも無い。左側の大きめなのが、自転車くらいは乗れる船。右側の手漕ぎボートにエンジンをつけたようなのが人間だけ乗る渡し船。

 

 

公園のボートなんて乗ったのはいったい何十年前だろうと思いつつ、おっちゃんに10バーツだか20バーツだかを払い、揺れる渡し船に乗り込む。チャオプラヤー川には大きなホテイアオイがもさもさ浮いている。

 

 

おっちゃんがもやい綱を解いて岸壁を押す。出港。

 

 

ベベベベベッとエンジンが回り、軽い船はスピードを上げて対岸へ向かう。大きな船の引き波でゆれたりしぶきが飛んだりして、爽快だがなかなかスリルがある。他にも3人ほど地元民が乗っていたが、周りを見回す余裕はなかった(笑) 写真は対岸から振り返って撮ったもので、写っている小さい船くらいのが渡し船だ。

 

 

船はあっという間に対岸に着く。エンジンが回転を落としてゆっくり進む。アトラクション並みの乗船時間(笑)

 

 

ちょうど大きい渡し船が出るところ。

 

 

けっこうな人数が乗っている。きっと渡し賃も安いのだろう。ちなみに小さい船は、帰りには自分ひとりだったので、料金は倍だった。地元の人だと、何人か揃うまで待っているのだろう。

 

 

桟橋を渡って陸に上がったところが、レンタル自転車屋。

 

ちなみに時刻は朝の8時20分。5時頃の深夜便でスワンナプーム空港について、電車の始発に乗ってアソーク駅前のホテルに荷物を預け、そのままこちらに向かってこの時刻だ。

 

 

住居だか売店だかわからないが、渋い。対岸の華やかな都心とは対照的だ。

 

 

レンタル店のM-BIKE。googleマップでは朝7時から営業となっていたが、看板では7:30から夜19:00まで。1時間40バーツ、1日80バーツ。

 

 

ほとんどママチャリだったが、数台MTBタイプがあったので、そちらを借りることにした。1日120バーツ。シマノのコンポとディスクブレーキ装備で、日本にも手頃な価格で入荷しているTRINX M136。まだ新しくてしっかりした自転車だった。

 

レンタルするときに外国人だとパスポートを預けるのが良くあるパターンだが、パスポートのコピーでOKだった。ラッキー。

 

 

この船着場は、地元の人が対岸へ通勤するのにバイクを置いておく駐車場にもなっている。鉄道の駅と同じで、生活の要所なのだ。ここへ通じる道はこの1本だけ。ひしひしとローカル感が伝わってくる。とりあえずこの道を行くしかない。

 

 

レンタル屋がくれたマップ。あちこち寺があり、真ん中あたりに水上マーケットがあり、あとはカフェがいくつか。宿もあるようだ。

 

 

ところで、この地区がバンコクの肺とか緑の肺とか呼ばれるのは、航空写真を見るとわかる。チャオプラヤー川が大きく蛇行して、もう少しで中洲になりそうな地域の緑を保存しているのだ。コンクリートジャングルの対岸にある緑のオアシスだ。実際にはくびれた部分にショートカットの運河があり、西側へは橋で渡るようになっているから、中洲とか島とか言ってもいいのだろう。

 

 

くびれた橋の部分をストリートビューで見てみると、高速道路の斜張橋と閘門がなかなかの眺めなので、いずれ行ってみようと思う。閘門部分は小舟しか通過できないので、運河というより治水用のものだろう。バーチャル観光はこれくらいにして、サイクリングを続ける。

 

 

道はずっとこんな感じ。自転車専用道ではないが、時々バイクや車が通る程度なので、不安はない。あたりが静かなので、後ろからバイクが来てもすぐわかる。

 

 

船着場からすぐの道路脇に、道路より立派な道と門があった。寺かと思ったら公園だった。

Sri Nakhon Khuean Khan Park And Botanical Garden

読み方がわからないのでそのまま張り付けておく。植物園とあるが、まあワサワサ生い茂った公園だ。

 

 

こんな感じで、池と東屋と遊歩道がある、いわゆる公園。バードウォッチング用の櫓もあった。

 

 

魚の餌があるくらいで、特に施設があるわけでもないが、都会の騒音はなく、まわりの樹々から湿気と植物のにおいが立ち上っている。そしてうるさいほどに鳥が鳴いている。録音したらそのまま熱帯ジャングルの効果音として使える。立ち止まって眺めていると、足に何やら黒い羽虫がとまってチクリとするので、あわててはらいのけてまた走り出す。幸いかまれて変に腫れることもなかったが、自転車で走っていると、特に蚊に刺されることもなかった。

 

 

公園を出て、道を行く。旅行者や自転車と仲良くしてあげてね、という地元民向けの看板。

道はずっとこんな感じで変化はない。ひたすらジャングルの中を行く。中心部を南北に走るPetchahung Alleyに出ると、車も普通に走る広い通りになる。途中、寺やカフェが点在するが、朝も早いしパスしていく。

 

 

車道から看板を目印に左折してしばらく行くと、週末限定営業のバーンナムプン水上市場がある。船着場から5km足らずなので、趣味で自転車に乗っていない人でも楽に来れる距離だ。平日だったので、とりあえず下見をしておく。左右に見える雑貨屋や食堂は営業していた。

 

 

小さな運河なので、船に乗ってどうこうよりも、運河沿いに店が並ぶ形式だ。シートを被った店先の写真では役に立たないが、それなりに店の数はあるようで、またいずれ来てみよう。

 

 

エアコンの効いたカフェで一休み。この島は、船着場から西端の橋と閘門のあるところまで行っても7kmちょっと。距離的には一日あればひととおり回れるだろう。ただし、気候が良ければだ。この日は曇りで直射日光こそなかったものの、湿気で汗が噴き出し目に入るくらい流れている。

 

 

涼しいカフェに座って、何も考えずぼーっとしていると、明け方にバンコクに着いたばかりなのを忘れてしまいそうだ。だんだん眠くなってきた。昨夜は飛行機だから、しっかり睡眠できていない。こんな簡単に来れることが分かったので、もう少し涼しい季節の週末にまた来ることにしよう。

 

 

帰りは写真も撮らずにスポーツ走行。一気に船着場まで戻ってきた。まだ朝の10時半。おばちゃんが串焼きの屋台で仕事を始めたところで、いい匂いがしていたので1本買って食べる。バンコクに来ると、毎回どこかで串焼きを食べているが、どこのもおいしい。帰りは渡し船貸し切りでこちら側へ戻ってきた。

 

 

タクシーでアソークまで戻り、ターミナル21で涼む。洗面所も広くてきれいなのがいい。腹が減ってきたのでフードコートで軽く昼食をとる。今回のタイ飯1発目は、なんでもないカレーとマンゴー。米がダブっているが、甘いものは別腹なのでOKだ。ブログを書くのに写真を見ていたら、カレーの香りとマンゴーとココナツの甘さがよみがえってくる。ホテルのチェックインまで、涼しい館内でまったりとクールダウンする。到着早々、充実した半日だった。

 

 

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