塗料溶剤の強弱と筆塗り重ね塗りの秘訣
このブログは制作メインで塗料の記事は扱わないのですが、これだけは最低でも知っておかないといけないということを記事にします。これは筆塗りを前提としている記事なのでエアブラシや缶スプレーを使用した場合は異なります。
模型用の塗料には主に3種類あります。
ラッカー系。アクリル系。エナメル系。
これらの違いは「塗料、塗膜を熔解する溶剤の強弱」です。意味が分からないと思うので順に説明していきます。
まずラッカー系塗料は一番溶剤が強いため他の塗料を溶かしてしまいます。したがって上塗りはNGだけど、下地塗りとしては安心して使えることになります。多くの模型愛好者、特に可動式のプラモ、ガンプラなどはポーズ変えや変形をしたとき塗料がはがれにくいので、はげにくいラッカー系が好まれます。そのかわり溶剤が強いということは人体への影響も強いので必ず換気が必要です。
例としてラッカー系白の上にアクリル&エナメル系黒をどんなにたっぷり塗っても白が溶けることはありません。
アクリル系塗料は水で溶かして筆洗いができるものがあります。そのため溶剤が一番弱いため下地には向いていません。溶剤が弱いということは他の塗料に簡単に溶かされるということです。
ちなみにサーフェイサー(ビン、缶ともに)はアクリル系溶剤が使われています。そのためサーフェイサーの上から筆塗りは基本NGです。でも裏技的なテクニックがあります。
サーフェイサーで仕上げた後、スプレーかエアブラシでラッカー系塗料をちょっとずつ重ねて塗装すると、ラッカー系塗料でコーティングされた状態になるので、そうなれば上記で説明したように、アクリルでもエナメル系でも自由に筆塗りができます。
エナメル系塗料はアクリルよりは若干強いので重ね塗りが可能です。ただし爪など尖ったものでひっかくと簡単に塗膜がはげることがあるので、エナメル系だからと安心は禁物。エナメルの上にアクリル系はOKですが、筆圧が強すぎると下地がはげるので注意です。
ねんど素材やパテで造ったフルスクラッチビルド作品、自作フィギュアは問題ありませんが、エナメル系の溶剤は航空機モデルやガンプラのパネルラインを強調するために「墨入れ」という工程があります。実はエナメル溶剤は『プラ材を溶かす』という厄介な性質があるため、パーツが割れる時があります。もしフルスクラッチビルド作品でもプラバンや、プラ材を使ったパーツに直接溶剤で薄めた塗料を流すと破損する可能性があるのでご注意を。
同じ系統の塗料を重ね塗りするとどうなるか?
スプレーとエアブラシなら問題ありません。筆塗りの場合、三回に分けて塗るくらい薄く重ねていけば下地を溶かすことなく、うまくいくこともあります。あまりお勧めはしませんが。
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