記憶の断絶 | 日本の未来を考える

日本の未来を考える

旧ブログ名:NHK朝ドラ『梅ちゃん先生』、『純と愛』批判をメインにしたブログ。リンクはご自由にどうぞ。

ご無沙汰してました。
年末になるとテレビはバラエティ、特番ばかりで、
「(国民は)アフォのままでいろ!」というメディアの強いメッセージを感じます。

そんな中、NHKは今年亡くなった有名人の番組をやっていました。

高倉健さん、菅原文太さん、米倉斉加年さん、山口淑子(李香蘭)さん・・・
ー時代を築いた銀幕のスターたちがこの世を去りました。

彼らは幼少期、あるいは青春期を戦時下で過ごし、
言わば、戦争の”生き証人”でした。


山口淑子(李香蘭)さんは満州で生まれ、流暢な中国語と美貌で、

映画女優、歌手として大活躍しました。


李香蘭

ところが映画・『支那の夜』で、「日本人に媚びる中国娘」を演じたせいで、
後に、良心の呵責に苦しむことになります。
「自分は日本人なのに中国人を装って多くの人を騙している。
日本軍の横暴さをイヤというほど目の当たりにしている。
学生時代の友人(中国人)は抗日運動に身を投ずるし・・・・・」

外部サイト 夜来香ラプソディー (山口淑子)

彼女は戦後、ジャーナリストとしても活躍します。
日中国交回復の現場や、ベトナム、カンボジア、中東で取材しました(享年94)


米倉

米倉さんは、『放浪記』(森光子さん主演)、『男はつらいよ』などに出演。
俳優活動だけにとどまらず、画家、絵本作家としても活躍されました。
外部サイト 米倉斉加年 まさかね見世

絵本では、戦争の過酷さを少年目線で語らせています。
中国・韓国人に対する差別には否定的で、「平和憲法」を大切にされていたようです。
(享年80)

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戦後69年、戦争の実情を直に知っている人の多くが亡くなりました。

昨今、復活しつつある「戦前復古主義」、「愛国、国家主義」。
戦争体験者の減少によって「戦争を知らない世代」が吹き上がっているのです。

彼らが「戦争」や「敗戦」を誤魔化し、まるでゲームのように軽く考えているのは、
リアルな戦争の記憶が伝えられておらず、知らないからです。

一旦、右に傾いてしまったシーソーを元に戻すのは容易ではありません。

参照:

崩れたシーソー・ゲーム