イスラム国・違和感 | 日本の未来を考える

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旧ブログ名:NHK朝ドラ『梅ちゃん先生』、『純と愛』批判をメインにしたブログ。リンクはご自由にどうぞ。

池上彰がイスラム国を解説する番組があったらしい(観ていないが)。
御用評論家なので、メディア報道と同じくアベ政権寄りに誘導するに違いない(笑)

それはともかく、今回の一連の騒動で感じた違和感を書く。

●人質を「同胞」と呼び、愛国心たっぷりに語る人が多いこと

確かに、日本人が殺されて嬉しい国民はいないだろう。
しかし、年間自殺者は3万人(WHO基準では10万人)もいる。
子供の6人に1人は貧困家庭で、まともに食事にありつけない。
他にも若年女性の貧困や福島原発事故の影響で、将来の子供の命すら奪っている。
自民党政権によって、はるかに多くの「生命」が奪われているわけで、この”内なる敵”に対しても、「愛国心」を発揮すべきではないのか。

●この大変な時期に、アベ政権批判をするな

まるで「緊急事態宣言」のような状況だと言いたいのだろうか。
例え戦時下であっても、ダメなものはダメと言うのが民主主義国家だ。

●「テロには屈しない」が、「米国には屈する」?

そもそも安倍首相は、なぜイスラエルで、IS(イスラム国)に対して挑発したのか。今までのアメポチ外交のツケではないか。

●ISに人質2名を取られているのを隠していた?

湯川氏は昨年8月、後藤氏は同11月に拘束、身代金を要求されていた。政府もそれを承知していたが、放置。その後の衆院選期間中も、黙殺。
もし今回の「身代金脅迫事件」が表沙汰にならなければ、日本政府はそのまま見殺ししていただろう。
つまりアベ首相の「国外で紛争に巻き込まれた日本人を救出するのは総理の責任だ」という発言は大嘘だったのだ(今までもそうだが)

●湯川氏は、「民間人」といえるのか?

肩書きは、PMC(軍事会社)の社長だが、純粋な民間人ではない。
アルバイトで生計を立てるネトウヨ中年男性の湯川氏が、一年足らずの間にやったことは、民間人では到底不可能であるからだ。

・13年12月、日本版NSC、特定秘密保護法成立
・13年12月、極右団体・頑張ろう日本のパーティに招待される(会長・田母神氏)
・14年1月、PMC設立(顧問:自民党・木本信男氏)、シリア渡航
・14年2月~5月、イラク、インドに渡航
・14年7月、集団的自衛権行使閣議決定。二回目のシリア渡航、戦闘中に拘束される

湯川氏は、国会に顔を出したり、元外務官僚と会食している。
また、渡航中には米軍と連絡を取っている。
会社設立(社員5、6名)だけでも相当な費用がかかるうえ、頻繁に渡航している。
知識も金も、コネクションもない一般人が、短期間にこれだけのことを実行するのは不可能で、「政府系の工作員」と考えるのが妥当だ。

政府の動きと湯川氏の動きがリンクしているのが分かるだろう。
おそらく政府は、日本版NSC、秘密保護法とともに、「日本版CアイA」創設を目論んでいたと思われる。湯川氏はその土台作りに行ったとすれば、辻褄が合う。

湯川氏には、生還して、全てを暴露してほしかった。

●集団的自衛権、軍拡、言論弾圧強化につなげてはならない

すでに菅官房長官が、自衛隊派兵の範囲拡大を言い始めた。ネトウヨ言論人も、軍備増強、法強化(テロ防止という名の言論弾圧)の声を上げている。
テロ事件を盾に、国家権力を拡大し、世論を戦争へと導くのは、911を盾にイラク戦争へと導いたブッシュJrの手法であり、私たちは同じ轍を踏んではならない。

以上のことから、
今回のテロ事件を「ショックドクトリン」として利用、
すなわち、米英仏の十字軍(有志連合)に加わる大義名分とし、
一気に”戦争する国”にしてしまおうとするアベ政権に対し、国民は警戒すべきだと考える。