その道はとても狭くて自転車2台がすれ違うには双方がスピードを落として慎重になる必要があった。
しかしその日その時ぼくの前方から向かってくる自転車に乗っていたのは、片手にケータイを持ってそれに見入りながら走行する太ったスーツのオヤジだった。
正直、僕は腹の中でかなり毒づいた。
このクソがあーーーー!!!!!!
ケガしてしまえーーーー!!!!!
転んで!!!
怪我して!!!
痛い痛い思いをして!!!!
後悔しなさいったら!!!!!!プンス!カ!
険しい目つきでオヤジを睨みつける。2台の自転車が徐々に距離を詰めてゆく…。
すれ違いざまに最後の一睨み!!キリッ!!
ハッ!?!?!?!?!?????
オッサンじゃない…!!!!!!?
ケ、ケ、ケータイじゃない…!!!!!!?
僕は混乱と驚きで目も鼻も口もまん丸になった。
説明しよう。
遠目に僕が見ていたのは、太った、グレーのだらしないスーツを着た、白いガラケーを左手に持ち目の前で操作するクソオヤジだった。
すれ違いざまに見たのは、おじさん体型の、グレーの制服を着た、モンスター(エナジードリンク)の白(カロリーオフ…泣)を行儀良く鼻の高さに掲げて走るぽっちゃり男子高校生だったのだ。。しかもなんか謎にニコニコしてた。。かわいい。。てかなんか超ゴメン。。すごい怒りエネルギーぶつけまくっちゃった。。本当ごめんて。。なんでニコニコしてたの。。昼飯のことでも。。考えてたの。。?
人生いろいろ。