廃業数

【過去最悪の結果を呼ぶ安倍消費増税40】

〝隠れた倒産〟の急増。

倒産にカウントされない廃業件数の方が増えている。

廃業の増加は経済的にも理由がある。なぜならデフレの時代は現物のモノの価値よりお金の価値のほうが相対的に大きくなっていく特徴がある。んで、借金を手元に持っているということは仮に利息がつかなくても年々重くなっていくことを意味してるんでなるべく借金はない方がいいと考えることが合理的になるからや。

ふつう商売は借金(先行投資)して稼ぐもん。なぜなら先行投資した分にかかる金利より商売で稼げる利益率の方が大きいから。だからトヨタだって従来は市中銀行からたくさん借金をしてまで設備投資して生産活動して稼いでいたわけ。手元に資金を眠らせたり銀行にお金を預けたりするより、銀行からお金をわざわざ借りて生産活動に振り向けた方が金利より大きな利益を得てきたというわけ。これを保障してたのは背景に経済が緩やかなインフレやったから。

しかしこれが逆転したデフレ下では、借金(先行投資)して商売すること(利益を出すこと)は経営の足をすっごく引っ張ることになるん。インフレ下の商売に比べこれはまるで坂道を重い荷物を背負って登る苦役のようなものに等しいねん。

商売はたとえ重い借金があっても一定の見通しがあれば商売を廃業することはない。インフレ下ではなにもしなくても借金の価値自体は小さくなっていく。それがインフレ。しかし商売の利益率が低くなっているところにデフレによる〝隠れた金利〟が借金を膨らませていくんで借金がなかなか減らない。むしろ増えていってるほうがおおいんじゃないか。デフレは商売の見通しに非常に悪い影響を与えることになるねん。

商売始めてまだ10年以下の方や〝起業家〟はこうしたことを理解していないひとが多い。頑張れが突破できるとおもっている。しかし実際突破できる人はインフレ下のそれより少ない。また看板張って長年商売やっている人はこうしたことを実感してるんで廃業出来る時に廃業しとこうってなってしまう。それら両者の増加分が自然廃業分に上乗せされてグラフの上昇に表れているんやとおもう。