前回 記事「我慢が効かない」とは一見逆説的ですが、両方大切なことなので併せてご紹介させてください。
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(人間は多種多様・・いろんな人がいるとはいえ。)性同一性障害を抱えると、「性別」という人生の入り口の入り口で様々な苦悩を抱えるからか、年齢関係なく、非常に内省的である種の達観の域まで達している人がときどきいますよね^^
(残念ながらその逆も然りですが。。)
苦労をすればするほど、それを乗り越えたときに同世代よりも人間としての成熟がすすむのは間違いないのですが、そんな人に今日はお伝えしたいことがあります。
もし、あなたが、抱える性別違和の苦痛が大変強いのだが、様々な理由から現時点で治療ではなく「未治療の道」を選択をしている場合。
我慢しすぎないように注意してください。
大きなお世話は百も承知ですが^^;ときどき我慢しすぎて体を壊す人がいるんです
体どころか心を壊す人もいます。
「いや、自分は強い」という過信は禁物です。
何が強いか、弱いか、なんてここで書くつもりはありませんが・・
人は、突然45度の熱湯風呂に今入れといわれてもなかなか浸かれるものではないですが、
水から徐々に温めていったら意外とそのまま浸かっていられるものなんですよね。。
子供の頃から我慢してきて
考え方を変えたり
捉え方を変えたり
忍耐強さを鍛えたり
受け流す術を覚えたり
で、ずいぶん対応力があがっていると本人が自負していても。今まではそれでうまく回っていたとしても。
人生には常に変化がありますから。
例えば、30前後になると体つきがまた変化します。それで耐えられなくなるかもしれない。
(もともと恵まれていてパス度が高かった人でも、加齢により脂肪のつき方などの体質が変わったりします。)
男女差がひらくのは、社会的な評価や位置づけといった「求められる役割」もそうです。
生活環境が変われば
職場が変われば
人間関係が変われば
その都度、心と体のバランスを取り直して、リカバリーする必要があります。
しかし、もし、どうにもこうにもうまくいかなくなった場合。。
そのときに、自分が壊れないように。壊れるがままにしないように。
急にやせ始めた・太り始めた。
突然ジンマシンやアレルギー体質になった。
異様に疲れやすく眠くなる。逆に眠れない。
タバコ・酒量がとても増えた。減らすことができないといった、体からの危険信号は見落とさないよう、心がけてください。
とはいえ自分の事は後回しで気づきにくかったりしますから、そういう頑張り屋の人に一番いいのは、自分ひとりではなく、パートナーだったり、親友だったり、親だったり、自分のことを心配してくれる人を(遠ざけるのではなく)ちゃんと近くにおくことです。
壊れたら元も子もないですから。我慢しすぎず自分を大切にしてあげてください。
蛇足)
自分の人生のテーマがあって、そのなかで未治療の道を選択していたはずなのに、
いつのまにか「治療をしないことが優れている(精神的に強い)」という信念に囚われてしまう人もいます。
このブログでは何度も書いていますが、何らかの性別違和を抱えて生まれたからには、治療しようが未治療の道を行こうが大変の種類が違うだけで、どちらもなかなか大変な人生です。
どちらが偉いとか正しいとかいうことでもないです。
治療の有無がFTMかどうかを証明することでもないです。
未治療は「未」治療。そう私は思っています。
必要になったら、治療すればいい。必要になったら、医療を頼ればいい。・・そのくらいの気持ちでいたら良いんじゃないかな。
(自分の人生や性別違和を見極めず安易に治療に走るような人は論外とはいえ。。もし心や体を壊してまで治療を避ける場合、本人も気が付いていないきっと別の理由が潜んでいるような気がします。それから目をそらし続けるのもその人の人生ですが^^;)
ま、何事もバランス感覚が大事だよ、ということで。笑
いろいろ張りつめず、気楽にいきましょう(・ω・)/