銀時夢小説*3秒 | I LOVE 銀魂~夢小説~

銀時夢小説*3秒


今日の短編は銀さんです。

3Z設定!どーぞっ!


―――――――――――――――――――――




3秒






正直言って、私は銀八先生が嫌いだ。



何故かというと、



「先生~、ここ教えて~」



「あー?しゃーねーなー」



…女たらしだから。




教室前方、黒板の前に立つその男は



にやにやと笑みをこぼして女子生徒に囲まれている。



白衣をだるだるに着こなし、めがねはずり下がってて



おまけに天然パーマ。そして死んだ魚のような目。



あんな奴のどこがいいんだ。なんでモテるんだ。



…なーんて心の中で文句を言っても誰に届く訳でもなく。



「先生甘い匂いするー!なんか食べたの?」



「まじでか。ケーキ食った」



「えーずるーい」



…うるさい。なんだあの猫撫で声は。



つーか銀八のやつ、学校でケーキ食べるって…



あたしはグミしか食べてないっていうのに、贅沢な奴め。



イライラしながら読んでいた本のページをめくる。



銀八のせいで全然集中できないじゃないか。



おかげでしっかり読まずにページをめくってしまった。



「……はぁ」



「どうしてそんなものを読もうと思うのか謎でさァ」



溜息をついた後、頭上から聞えた声にびくっと肩を上げた。



顔を上げれば、眉間に皺を寄せた沖田が私の本を覗き込んでいて。



「…文字が詰まってると、テンション上がるの」



「…理解できねェや」



別にいいもん。活字がすきなんだもん。



ふんっと顔をそむけてもう一度本に目を落とす。



いつのまにか居なくなっていた沖田には気づかず、



黙々と文字を追っていく。



ミステリー小説のはずだったが、以外と恋愛要素が強いらしい。



ちょいちょい主人公の恋愛描写が入るのが少し苦手だ。



(――彼女を見るたび、胸が高鳴る。)



男の主人公の語るその文章に、眉を寄せた。



…理解不能だ。



胸が高鳴る?私は高鳴ったことがあるだろうか。



……ああ、あった。



新しい本を買った時。レジの前で胸が高鳴ってた気がする。



この主人公は異性に対してその感情が沸くのか。



……理解不能すぎる。



(買い間違えたな。恋愛の場面が多い…)



ポツリと心の中で後悔を口にした。



感情移入ができない本は、退屈だ。



「――せんせ~、アタシ先生の彼女なりたいっ」



「あたしもー!」



「はいはい、分かったから自分の教室帰れ~」



…軽い。



恋愛に対してこんなに冷め切ってしまったのは、銀八のせいだ、きっと。



ああやって毎日軽い恋愛ごとを見せられては、そうなるだろう。



本から顔をあげてじとっと銀八を睨む。



渋々自分の教室に帰っていく女子生徒を見送った銀八は、



何故か疲れた顔をしていて。



それが不思議で、ぼーっと見つめていれば――



「……っ!!」



バチッと、視線が合ってしまった。



思わず目を見開いて、視線を本に落とす。



び、び、びっくりした…なんだよ、いきなり見るなよ。



バクバクとうるさい心臓を沈めるように深呼吸をする。



ほんと、だから銀八は嫌いだ。



目が合うとこうやって心臓発作もどきが起こる。



病院にでもいこうと思ったけど、生憎本を読むのが最優先で行けてない。



というか、銀八ごときのせいで病院に行くのも腹が立つ――。







――――――…



「昨日の本と違うな。もう読んだワケ?」



放課後、教室で本を読むのが日課な私に



かならずと言っていいほど銀八は声をかけてくる。



…これだから嫌いなのだ、銀八は。



「…面白かったので」



なるべく視線を合わせないよう、目は活字だけを追う。



そもそも昨日読んでいた本は薄かった。一日で読める。



「まじでか!あんな分厚かったのにすげェなオイ」



「…………」



分厚かったか?…私にとっては薄かった。



それにしてもほんと、銀八は暇なのだろうか。



いつまでも私の本を覗き込む相手を気にしないフリをして、



黙々と本を読み進める。



様子を見ようと少し顔を上げてみれば、



―――案の定、目が合った。



「………っ」



「…なぁ、なんで目そらすんだよ?」



勢いよくうつむいた私に、銀八は不思議そうにそう言った。



うるさいうるさいうるさい。



なんでこんなに心臓が動くんだ。やっぱり明日病院にいこう。



視線が泳いで、活字を追えない。



顔も熱い。何故か汗もかいてきた。まだ肌寒い時期なのに。



なんなんだほんと、なんの病気なんだ。



意味もなく読んでいないページをめくる。



「なぁ、聞いてる?」



――その瞬間、顔を下から覗き込んできた銀八。



あまりの近さに思わず「なっ…!」と声を上げて、身を引いた。



ガタタ、とイスから落ちそうになったのを危うくこらえる。



…下手なホラーより心臓に悪い。



「…き、聞いてますけど…」



「じゃーなんで。なんで目そらすワケ」



なるべく目を合わせないよう、下を見る。



視界には、向かいに座る銀八が机に肘をついてるのが映る。



「…別に。合わせてる必要、ないじゃないですか」



「いや、あるね」



は?と思わず顔を上げてしまいそうになったが、我慢してうつむく。



なにを言ってるんだ、この人は。



でも目を見たらまた、心臓発作もどきが起きてしまう。



即答した銀八の次の言葉を待っていれば、




――ふいに、強い風が吹いた。



同時に、ガタガタと音を立てる窓。



つられて顔を向けた私は、




「――…っ」




銀八に、強引にも頬を掴まれた。



両手で顔をはさまれて、力ずくて前を向かされる。



しっかりと捕らえられた瞳は真っ直ぐで、



お決まりの心臓発作もどきが始まった。



「ちょっ…何するんですかっ!」



慌てて先生の手を解こうとするも、相手は男。



頬に当てられた手は固く動かない。



「お前、こーでもしねーと俺のこと見ねぇだろ」



「………っっ」



――その通りだ、と思わず心の中で呟いてしまった。



力じゃ敵わないと抵抗をやめ、ただただ銀八の両手を自分の両手で掴む。



視線だけは下を向いていれば、「――お前、」と銀八が口を開いた。



「…恋愛したことねぇだろ」



「…は?」



予想もしていなかった言葉に、ポカンと口を開ける。



銀八を見て「ど、どーゆー意味ですか…」と呟けば、



「勉強はできるくせにな」



ニヤリと笑った銀八に、怒りが沸いた。



ほんとにこの人は、失礼な言い方をする。


勉強ができればそれで良いじゃないか。



口を尖らせて視線をそらせば、銀八は小さく笑って。



「…だから、教えてやる」



そう言って、そっとこちらに近づいた。



死んだ魚のような目だったはずなのに、



今はなんだか意志の強い目で。



真っ直ぐにこちらを見るその視線から、目がそらせなかった。



「――まず、人を好きになると、心臓の動きがおかしくなる」



銀八はそう言って、自らの胸をトントンと叩いた。



同時に私は、ドキリとして。



(心臓が…おかしく、なる)



「目が合うだけで動機が激しくなったり、焦ったり」



――銀八と目が合うと、心臓発作もどきが怒る。顔が熱くなる。



「異性と話してるのを見ると、もやもやする」



――女子生徒に囲まれてる銀八は…むかつく。



「…そんで、そいつが笑うと、自分も嬉しくなる」




――そう言った銀八は、ふわりと口角を上げた。



私は思わず目を見開いて、胸が熱くなって



…わけが、分からなくて。




「……なんなんですか。何がしたいんですか」



「まぁ~、つまり」



全身が熱くて、下を向いた。



そうすれば銀八は天井を仰いで、それから――





「今言ったのは、俺がお前に抱いてる感情」



「………」



「…意味分かってる?」

…だから、銀八は嫌いだ。



私を馬鹿にしすぎだ。



首をかしげてこちらを見る銀八を、全力で睨みつけた。



ニヤニヤと笑う銀八に眉を寄せて、



私はむっとしたまま口を開いた。



「…う、嘘をつくならもっと上手く――」



「それはこっちのセリフ」



言いかけた言葉から被せるように、銀八はそう言った。



ジロリとこちらを睨んで、私の顔から手を離して。



ぽんと頭の上に手を乗せれば、ニヒルに口角を上げた。



「そろそろ俺を“嫌いじゃない”って気づけ、アホ」





―――そう言った銀八に、



そのまま後頭部を引かれて。



いつのまにかそらさなくなっていた視線は、真っ直ぐに銀八を見ていた。



心臓はうるさくて、顔も熱くて。



近づく銀八の顔に、瞬きもできずに固まって――



ああ、これが、




「――先生、私、」




“恋”だと気づくまで



あと、3秒。







―――――――――――――――――――――



このあと告白できたのか、

それより先に銀八にちゅーされちゃったのか、

それはご想像にお任せします。←


主人公ちゃんは恋愛に疎すぎる


ただの馬鹿です。(真顔)←


本オタクで恋愛に対して興味がなさすぎて

自分が銀八に惚れてることを分かってないんですね(笑)


馬鹿すぎて可愛いでしょ?笑


でもなんか小難しい回りくどいめんどくさい話に

なっちゃいました(涙)


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